陸上・駅伝

特集:第33回出雲駅伝

2年ぶりの出雲駅伝! 前日会見に6校の監督が出席、意気込みを語る

各監督は口々にこの状況での大会開催に感謝の言葉を述べた(すべて撮影・藤井みさ)

明日10月10日(日)、学生駅伝の幕開けを飾る出雲駅伝が開催される。昨年は新型コロナウイルスの影響を受けて中止となり、今年は無観客の中でのレースとなる。前日会見には國學院大學、駒澤大学、東洋大学、青山学院大学、更に初出場の創価大学と東京国際大学の全6校の監督が出席。各大学の監督はそろって今大会の開催に向けて尽力してくださった方々への感謝を述べた上で、明日のレースへの思いを語った。

酒井監督「出雲は若い力が経験を積める貴重な場」

今大会は2人まで当日変更が可能となっている。どの程度、当日変更を想定しているかという質問に対し、國學院大・前田康弘監督、東洋大・酒井俊幸監督、創価大・榎木和貴監督は「戦略的なオーダー変更は考えていない」、駒澤大・大八木弘明監督と東京国際大・大志田秀次監督は「1人くらいは変える」と答え、青山学院大・原晋監督は「予想するのが楽しいわけですから、出走まで楽しみにしてください」と明言を避けた。

東洋大は今大会、補員も含めて1~3年生のみでメンバーを組んでいる。酒井監督は今大会を「ステップ」と位置づけているが、「出雲は若い力が経験を積める貴重な場。その後、代表になっていった選手もいますので、明日走る選手もその第一歩になるような大会にしたい」と選手たちに期待を寄せている。

出雲駅伝は若い選手に経験を積ませるのには最高の舞台と話す酒井監督

特に駒澤大はエース格の1人である鈴木芽吹(2年、佐久長聖)がメンバーから漏れており、大八木監督は「9月始めの方にちょっと足が痛いと言ってまして、レントゲンを撮ったら疲労骨折でした。1カ月くらい経てばなんとか治るでしょうし、今のところはぼちぼちですね。全日本に間に合ってしっかり走ってくれたらいいな」と述べ、現状は1~2年生中心のメンバーの中、アンカーにエースで主将の田澤廉(3年、青森山田)を置いている。

鈴木芽吹が欠場。積極的に若い力を試す場でもあると大八木監督

大志田監督「初出場で初優勝を」

「初出場で初優勝を。1月からこの大会を目指してやってきた」と話すのが東京国際大・大志田監督だ。アンカーには10000m27分30秒24の記録をもつイェゴン・ヴィンセント(3年、チェビルベルク)を配置しており、「田澤くんですので、45秒以内。1分なら逃げ切られると思うので、できるだけ45秒以内でおさめてくれるといいけど」と大志田監督は話した。

東京国際大学はアンカーのヴィンセントに注目が集まる。大志田監督も「初出場初優勝」が目標と口にする

同じく初出場となる創価大は今大会「3位以上」を目標にしているが、榎木監督は「トップを走るという想定は今のところはしてないので、来た順位をしっかりキープできれば」と控えめだ。ただチームは6月の全日本大学駅伝関東地区選考会で14位となり、初出場を逃した悔しさが深く刻まれている。「創価大学は今年、『ストライプインパクト』をチームスローガンに掲げています。箱根駅伝準優勝がたまたまだと言われないように、強さを示そう。昨年以上に充実した夏を過ごせたので、3年生以下の若い力に期待しています」

下馬評ではまったく注目されてないからこそチャレンジしていきたいと話す榎木監督

19年の大会で初優勝した國學院大。その2年前のレースを前田監督は「神がかっていた」と表現したが、今は「過去のレース」と割り切っている。今大会に向けて「今年は今年の戦い方をしたい。経験豊かな4年生を中心に前半流れを作って、後半は若い力で流れを受け継ぎたい。暑い中でのレースになりますが、粘り強く國學院らしくレースをしたい」と話した。

「2年前勝ちましたがそれは過去のこと」。真価の問われる年と話す前田監督

明日は30度を超える天候が予想されており、選手一人ひとりのコンディションが大きなカギになりそうだ。「夏合宿を100%消化、学内レースを勝ち抜いた選手でエントリーしました。総合力でチャレンジしていきたい」と青山学院大・原監督が言うように、チームの真価が問われるレースになりそうだ。

オーダー変更の可能性をを問われて「予想するのが楽しいんですよね!」と煙に巻く原監督

明日10月10日、12時5分号砲。2年ぶりの大会はどんな結末を迎えるのだろうか。

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