野球

投手の心も、野手の心も感じ取る 阪神・坂本誠志郎の存在感

打撃練習する阪神の坂本誠志郎(撮影・内田快)

 (23日、プロ野球 阪神タイガース1―1広島カープ)

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 阪神・坂本誠志郎の打球が二塁手の頭上を越えた。七回2死一、三塁で広島・森下暢仁(まさと)の直球をさからわず運んで、中前適時打に。「少ないチャンスかもしれないけど、ものにしたかった」。この日、2度目にして最後の得点機を生かし切った。

 チームは前半戦を牽引(けんいん)したサンズ、梅野隆太郎、佐藤輝明らの状態が上がらない。打率3割1分3厘でリーグ2位の近本光司も、右ふとももの張りでこの日はベンチスタートと、打線には多くを望めない状況だ。

 その中で坂本は、13日の巨人戦(東京ドーム)でも、引き分けに持ち込む本塁打を放つなど、一打でチームを支える。

 立場は2番手捕手。前半戦での先発は2試合だけだった。だが、疲れの見える正捕手梅野に代わって、ここ9試合連続でスタメンマスクをかぶっている。矢野燿大(あきひろ)監督は、「投手心理や打者心理を幅広く見て感じられている」。チームはこの間、少ない点差を守り切る野球で5勝1敗3分け。リード面での貢献も大きい。

 矢野監督は、「引き分けでも(優勝の望みは)つなげられる。前向きにとらえたい」。首位ヤクルトが敗れ、勝率では及ばないもののゲーム差は無くなった。

=朝日新聞デジタル2021年10月24日掲載

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