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日大ルーキー泉登翔、大学デビュー戦で課題を実感 プロとして活躍するための4年間に

泉は大学デビュー戦となったトーナメントでこれから取り組むべき課題が見つかった(撮影・松永早弥香)

関東大学選手権(トーナメント)は1年生にとって大学バスケの初舞台。その最終日の5月8日、3位決定戦は日本大学vs.筑波大学となった。「本当は決勝でやりたかったね」と日大ルーキーの泉登翔(とわ)は、福大大濠高校(福岡)でともに戦った筑波大ルーキーの岩下准平に言ったという。互いに入れ違いでの出場となったため、マッチアップはかなわなかったが、「准平は高校の時のようにガンガンきているんで、刺激をもらったかな」と泉は振り返る。

福岡大大濠・岩下准平、28年ぶりのウインターカップVを決めた覚悟の3Pシュート

ルーキーらしくアグレッシブに

泉は日大の初戦、4回戦・明大学院大学戦からスタメンを任されてきた。「思い切りやってこいということだと思ったので、自分は特に何も考えることなく、しっかり目の前の相手や自分の課題に集中しようと思いました」。心強い先輩たちが控えている安心感もあり、ハードワークをすると心に決めてコートに立った。だが、高校とは違う当たりの強さに、フィジカル強化の必要性を肌で感じた。

3位決定戦では1リバウンドにとどまった(撮影・松永早弥香)

3位決定戦でもスタメンを任され、ディフェンスを徹底。第3クオーターで再びコートに立ったが、チャンスを生かせなかった。試合は72-59で日大が勝利。ただ泉自身は「納得のいく内容ではなかった。試合に出させてもらっている分、ルーキーらしくアグレッシブにやろうと思ったけど、シュートを決めきれなくて、特にディフェンスがまだ課題だな」と反省の言葉をもらした。

Bリーグで戦う選手たちから受けた刺激

泉は福大大濠に進むまで全国を経験していなかったが、2年生の時にウインターカップの舞台に立ち、福大大濠は3回戦で東山高校(京都)に敗れた。3年生になった昨年はシューターとして活躍。インターハイでは3位、ウインターカップでは28年ぶり3度目の優勝を飾った。

ウインターカップ優勝は泉(左端)にとって初の日本一だった(撮影・瀬戸口翼)

日大進学前には、広島ドラゴンフライズのトップチームの練習に参加。「佐土原(遼)さんが練習前にいつもシューティングをされていて、練習への取り組み方や姿勢を見せていただきました」と言うように、プロ選手がどのような意識で練習に取り組んでいるのかを学び、一つひとつの戦術や基礎的なスキルの高さに刺激を受けた。また、チームには特別指定選手として渡部琉(りゅう、中央大4年、正智深谷)や中村拓人(大東文化大4年、中部第一)もおり、大学バスケのことなども聞けたことで、新しいステージへの思いも膨らんだ。

飯尾や米須ら先輩の姿に学び

進学先に日大を選んだのは、飯尾文哉(4年、洛南)や米須玲音(れおと、2年、東山)など同じガード陣に刺激を受けたいという思いから。米須は1月に全治未定の右肩関節脱臼を負い、現在もリハビリ中だが、少しずつ日大での練習に参加している。泉も米須からアドバイスをもらい、スペースの取り方やハンドリングなどを一つひとつ技術を学んでいる。飯尾からは特にペイントエリア周辺のフィニッシュスキルに刺激を受け、「文哉さんと一緒にプレーできるのは今年1年だけなので、どんどん盗んでいけたらと思っています」と目指すべき姿が見えた。

また、チーム内に留学生がいることも大きかったという。「プロの舞台で戦うなら、大学のうちから留学生とプレーすることが大事なのかなと思いました」。広島でベンチ入りをしながら、この舞台で自分が活躍するには何が必要なのかを考えていた。「まだまだ自分の力が足りないなと思ったし、自分の目標はプロなので、そこにいくためにしっかりここから取り組んでいきたいです」

プロを見据え、1年目から貪欲な姿勢を貫く(撮影・松永早弥香)

まずは当たり負けしない体作りに取り組み、日々の練習からチームの信頼を勝ちとる。強みである3Pシュートをさらに磨き、ディフェンスでもチームに貢献し、チーム目標である「インカレ優勝」をたぐり寄せる。大学4年間で積み重ね、その先を切りひらいていく。

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