中央大・吉居駿恭　初の日本インカレは5000mで4位も「課題を克服できなかった」

• ＃第91回日本学生陸上競技対校選手権大会
• ＃中央大学

9月11日の日本インカレ最終日に行われた男子5000m決勝で、中央大学のルーキー・吉居駿恭（しゅんすけ、1年、仙台育英）が13分59秒21のタイムで4位（日本人3位）に入った。好結果にも吉居の口から出たのは反省の言葉だった。

3000mで先頭についていけず

レースがスタートすると集団は縦長になり、創価大学のリーキー・カミナ（2年、チョメ）、山梨学院大学のボニフェス・ムルア（4年、キトゥムラ）とジェームス・ムトゥク（1年）、第一工科大学のアニーダ・サレー（4年）の4人の留学生が集団を引いた。吉居は集団の最後方についてレースを進めた。1000mのラップは2分44秒、2分48秒、2分53秒。3000mを過ぎたところでペースアップがあり、集団がばらけた。

吉居も先頭を追ったが、追いつけず。先頭はカミナ、ムトゥク、青山学院大学の近藤幸太郎（4年、豊川工）、國學院大學の中西大翔（たいが、4年、金沢龍谷）、東京農業大学の高槻芳照（3年、学法石川）の5人に。吉居は東京国際大学の丹所健（4年、湘南工科大附）、東海大学の花岡寿哉（1年、上田西）とともに第2集団をつくり前を追った。ラスト1周手前で落ちてきた高槻をとらえ、ラストスパートで花岡とカミナに先着し、全体の4位でのゴールとなった。

「結果より過程」自分の殻を破りたかった

「3000mから4000mで前の集団についていけなかったです。自分の課題にしていたところができませんでした」。率直にレースを振り返って、まず吉居の口から出たのは反省の言葉だ。藤原正和監督からも「しっかり自分の殻を破る」こと、キツくなった時にリミッターを外して追い込み切ることをこの夏の課題として挙げられていたが、それをできたとは言い難いレースだったと振り返る。「順位だけ見れば最低限ですけど、陸上をやっていく中で大切なことができなかったっていうのが大きな問題かなと思います」と言葉が続く。

結果だけ見ればルーキーで日本人3位は立派な数字だ。しかも最後に上げてこられたのは強さがある証拠では？と話を向けると、「あそこで上げられたなら、最初からしっかりとついていかないといけないです。優勝争いで勝負ができず、このレースに出た意味を達成できませんでした」と辛口だ。

結果よりも過程。「まだ1年生なので、過程をしっかり大切にしていかないと、大きく飛躍できる結果にはつながっていかないと思います」とその先を見ている。2年前に兄・大和（3年、仙台育英）がルーキーで日本インカレ5000mを制したことも念頭にあった。「自分の力では優勝は厳しかったのかなと思います。（優勝）したいって気持ちはあったので、これからしっかりやっていきたいです」

3大駅伝、一つひとつしっかりと

この日は9時の競技開始時点で32度を超える暑さだったが、「5000mという短い距離でもあったので、走っている時は暑さは感じませんでした」という。「ただ、走り終わってからはきついなと感じました」と体にダメージがきていることも感じさせた。2日前に合宿を終えたばかりだが、9月からは練習量を落としてこの大会に合わせてきたため、疲労はそこまで感じていなかった。「他大学の選手はおそらく疲労がある中で出てきているので。その中での順位なのであまり参考にならないと思います。さっきも言ったんですけど、あまり評価できる順位じゃないと思います」と改めて満足していない様子を見せる。

将来はマラソンに挑戦したいと話す吉居。駅伝シーズンに入るが、まずは10月10日の出雲駅伝から一つずつしっかりと走り、箱根駅伝の20kmも1年生からクリアしていきたい、兄を目指していきたいと目標を語る。中央大は今年、9年ぶりに学生3大駅伝すべてに出場する。日本インカレ入賞でも満足しないルーキーが、チームの大きな戦力となることは間違いないだろう。