野球

「伝統の早慶戦」が茨城で開かれる理由 実は早大にとって「聖地」

握手する早稲田大の小宮山悟監督(中央)と慶応大の堀井哲也監督(撮影・久保田一道)

 東京六大学野球の早稲田大と慶応大の現役・OB選手による「全早慶野球戦」が11月27日、茨城県のひたちなか市総合運動公園で開かれる。6日に県庁で記者会見に臨んだ両校の監督は、ライバル対決を前に早くも火花を散らした。

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 両校の対決は六大学野球で「伝統の一戦」と称される。OBを交えた全早慶野球戦は年に1回以上、各地の球場で開いてきたが、過去2年は新型コロナウイルスの影響で開催を見送っていた。

 3年ぶりの開催地として茨城が選ばれたのは、早大側からの提案がきっかけという。同大野球部では、旧制水戸中(現在の水戸一高)出身で「学生野球の父」と呼ばれる飛田穂洲(すいしゅう)氏をはじめ、水戸商出身の石井藤吉郎氏、水戸一高出身の石井連蔵氏の3人が監督を務めた歴史がある。

 現在、早大で指揮を執る小宮山悟監督は同日の会見で3人の名前をあげ、「このお三方の出身の茨城で、みっともない試合をするわけにはいかない。リーグ戦以上に気合を入れて当日を迎えたい」。これに対し慶大の堀井哲也監督は、「早大にとって聖地と言える場所でやるからこそ、思い通りにはさせない」と力を込めた。

 今回の対戦では、両校とも茨城県内の高校やシニアリーグでプレーした経験がある選手を積極的にメンバーに選ぶ方針という。試合前日には、水戸駅前で現役の応援団の応援合戦がある。また、試合前に県内の小中学生を対象にした野球教室も開かれる。

(久保田一道)

=朝日新聞デジタル2022年10月07日掲載

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