陸上・駅伝

特集:第55回全日本大学駅伝

【動画】早稲田大の夏合宿リポート 全日本大学駅伝3位以内へ「昨年以上はいける」

9月に新潟の妙高高原で行われた夏合宿(すべて撮影・浅野有美)

名門復活を掲げる早稲田大学。就任2年目を迎えた花田勝彦監督は、11月5日に開催される全日本大学駅伝に向けて、「確実に昨年以上はいける」と自信をのぞかせる。4years.では、9月に新潟県の妙高高原で行われた合宿の様子を取材。トラックシーズンの振り返りや大会への意気込みを聞いた。

早稲田大学競走部夏合宿リポート

トラックシーズンは「及第点」

花田監督が就任した1年目の全日本大学駅伝、箱根駅伝はともに総合6位と結果を残した。春のトラックシーズンは個人の活躍が光った。エースの石塚陽士(3年、早稲田実)が4月の「NITTAIDAI Challenge Games」の男子10000mで27分58秒53をマークし、間瀬田純平(2年、鳥栖工)が6月のU20アジア選手権男子1500mで優勝。駅伝主将の菖蒲敦司(4年、西京)は学生個人選手権と関東インカレの男子3000m障害を制し、FISUワールドユニバーシティゲームズでも銅メダルを獲得し、結果を出すことでチームを引っ張ってきた。

花田監督は「一定の成果は出た」と評価しつつも、「記録の面でもうちょっと、主力で何人か、というのがあった。そういう意味では及第点ではあると思います」と振り返った。

チームの柱は石塚、伊藤大志(3年、佐久長聖)、山口智規(2年、学法石川)。3人をセットで練習させるなど、エースとして意識させてきた。新戦力として、長屋匡起(佐久長聖)、工藤慎作(八千代松陰)、山﨑一吹(学法石川)のルーキー3人も力を伸ばしており、「非常に面白い」と花田監督は評する。菖蒲も「今年のチームは各世代にエース格がそろっている」と力強く語る。そこに菅野雄太(3年、西武文理)や宮岡凜太(2年、鎌倉学園)らも食らいついている。

海外遠征の狙いを語る花田勝彦監督

世界を見据え、海外レースを経験

世界を見据え、「個の強化」を推進する早大は、今年から数々の海外レースに参戦している。3月に香港で行われた「Hong Kong Athletics Series 2023 -Series 2」に伊藤と山口、9月のチェコ・プラハの10kmロードレースに石塚、伊藤、山口、同月の「コペンハーゲンハーフマラソン2023」に佐藤航希が、それぞれ出場した。

花田監督は「自分は大学3年生の終わりにやっと海外遠征に行けた。それで自分自身の殻が変わった。例えば1000m2分40秒で速いという感覚が、海外に行ったら最初から2分30秒。こんなんじゃ駄目だという意識に変わった。(海外レースで)結果を出してほしい反面、いろんな経験をして失敗してもいいと思う」と、今後の飛躍に期待する。遠征費の一部はクラウドファンディングの支援金を活用した。

超大物OBの瀬古利彦さん(前列左から4人目)も同行。早大は全日本大学駅伝、箱根駅伝で3位以内を狙う

先頭争いをするようなレースを

夏合宿は3回実施し、1次の新潟・妙高高原でベースを作り、2次の北海道・紋別市では少し質を高めた練習に取り組んだ。3次は再び新潟・妙高高原で実戦に近い形で行い、駅伝シーズン開幕に備えた。

10月の出雲駅伝は4年生を起用せず6位。11月5日に迫る全日本大学駅伝では3位以内を狙っている。今回は経験者が多く残っていることが強みだ。

「普通にいけば(前回2区を走ったエースの)井川(龍人、現・旭化成)の穴を埋めるだけの選手は十分にいる。石塚、伊藤、山口の3人が成長していて、新戦力も非常に力を持った選手がいるので、確実に昨年以上はいけるかなというのがあります」と、指揮官は自信をのぞかせる。

「将来的に優勝するというチームを考えたときは、どこかで先頭に立って走る経験がないと駄目なので、前半勝負で先頭争いをするようなレースをしたいなと思っています」

伊勢路でどこまでトップ争いに食い込めるか、早大の戦いぶりに注目したい。

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