西村菜那子が注目するルーキー3選手 以前インタビューした際の様子も紹介します!
皆さんこんにちは!
4月になり、1年生たちが進学して新チームが始動しています。今年のルーキーたちは例年に比べても粒ぞろいで、将来有望なランナーたちが大学陸上界の仲間入りを果たしました。
今日は西村的、新1年生の注目ランナーをご紹介します。
福冨翔選手はのんびり屋さんの印象から一転
まず1人目は、すでに多くの注目を集めている青山学院大学の折田壮太選手(須磨学園)です。5000mの持ちタイムは13分28秒78。昨年の全国高校駅伝は1区で区間賞を獲得し、誰もが認める世代トップランナーです。
今後は10000mだけでなく、将来的にはマラソンにも意欲を見せています。世代トップのエースが今後、長い距離でどんな活躍を披露するかは見どころの一つです。
そんな折田選手に昨年インタビューしたところ、箱根駅伝で走ってみたい区間は1区とのことでした。今年の箱根駅伝で優勝を遂げた青山学院大は例年以上に層が厚く、エントリー入りがさらに激しくなることが予想されます。その中で1年目から折田選手が青山学院大の1区として、流れを作ることになるかもしれません。
2人目は同じく、青山学院大に進学した福冨翔選手(須磨学園)です。
5000mの自己ベストは14分09秒05。こちらも既に十分速いタイムではありますが、
今年度、青山学院大には5000m13分台のタイムを持つランナーが6人入学。その中で上位のタイムではないものの、昨年の全国高校駅伝は4区で4位に。2年時に出場し、優勝を果たした伊那駅伝では1区で4位に入るなど、駅伝力に定評があるランナーです。
私が昨年、福冨選手に取材したときは、とにかくおっとりでのんびり屋さんの印象を受けました。
高校時代は毎朝4時半に起きていたとのこと。学校がすごく遠いというわけでもないのに、そこまで早起きする理由は「のんびりしていて準備に時間がかかってしまうんです」とにこやかに明かしてくれました。
しかし、インタビューが終わって練習が始まると、スイッチが切り替わり、しっかり練習を引っ張る上級生の顔つきになりました。取材と練習のギャップが一番大きな選手でした。今後、知名度が上がっていく選手なのではないかと思います。
そんな福冨選手が箱根駅伝で走ってみたい区間は6区とのことです。「下りが得意なので、自分の長所が一番生かせる区間だと思います」と箱根の山下りに意欲を見せていました。
そして大学では学生3大駅伝の他、日本インカレに出場して結果を残していくことを目標にしているそうです。憧れの選手として名前を挙げていたのは、青山学院大OBの近藤幸太郎選手(現・SGホールディングス)。近藤選手のように、駅伝だけでなくトラックでも上位で戦うランナーになっていくのではないかと、注目しています。
愛される「いじられキャラ」の岡田開成選手
3人目は、中央大学に進んだ岡田開成選手(洛南)です。5000mの自己ベストは13分55秒62。高校時代はチームのエースとして、活躍してきました。
ちなみに洛南高校をインタビューした際、奥村隆太郎監督に「トークが得意な子はどの選手ですか?」と伺ったところ、「大阪出身の岡田ですね!!面白トークに期待してください!」との返答がありました。
それを岡田選手に伝えると「いやいやいや……」と謙遜されていましたが、実際にカメラが回ると、自分の言葉でしっかりと今後の思いを語ってくれました。
チームから愛されるいじられキャラであることが感じられました。
そんな岡田選手ですが、3年最後の全国高校駅伝は直前の体調不良により、惜しくも欠場。しかし、3月に行われた中央大学記録会では28分38秒30と高校歴代12位のタイムを出し、都大路での悔しさを晴らしました。
今回はトラックでしたが、次は駅伝でさらにパワーアップした走りを見られるのではないかと思います。大学では、洛南高校OBのランナーと戦うことに意欲を見せていた岡田選手。ちなみに今年の箱根駅伝で全チームのエントリーメンバー(1チーム16人)を見渡すと、洛南高校OBが最も多かったです。今年度も多くの洛南高校OBが、駅伝やトラックで活躍することが見込まれます。岡田選手が見据える「洛南高校OB対決」にも注目していきましょう。
高校で目立たなかった選手が花を咲かせるのも魅力の一つ!
今回は、個人的に私が注目しているランナーの3人を選出させていただきました。
今年の1年生は、高校時代から注目を集めているランナーが多いです。中でも青山学院大には2016年度、東海大学に入学した鬼塚翔太選手(現・メイクス)や關颯人選手(現・SGホールディングス)などを擁した〝東海大学黄金世代〟を思い起こさせる選手がそろいました。
一方で、全国高校駅伝に出場していなかったり、高校時代に目立った活躍がなかったりした選手が花を咲かせることも大学駅伝の魅力の一つです。
春に大学への門をたたき、新しい世界に飛び込んだ新1年生たちの活躍を4年間、しっかりと目に焼き付けたいと思います。