陸上・駅伝

連載:M高史の陸上まるかじり

初めての箱根駅伝出場をめざす麗澤大学 鈴木康也主将「同期も目の色を変えています」

悲願の箱根駅伝予選会突破、本戦出場を目指す麗澤大学陸上競技部の皆さんを取材させていただきました!(M高史撮影写真を除き、すべて提供・麗澤大学陸上競技部)

今回の「M高史の陸上まるかじり」は麗澤大学陸上競技部のお話です。麗澤大学は箱根駅伝予選会で2018年、19年ともに次点であと一歩届かず。記念大会で13位までが本戦に進めた昨年は15位。近年は毎年のように初めての本戦出場が見えるところで壁にぶつかってきました。

その壁を突破すべく、現状打破し続ける麗澤大学の皆さんを取材させていただきました。

同学年の指導者も増えてきました

麗澤大学の山川達也監督は福井出身。美方高校時代に全国高校駅伝、都道府県駅伝に出場し、中京大学時代は出雲駅伝に出場しました。「選手としての実績はまったくありませんでした」と謙遜される山川監督。大学卒業後は高校の教員を経て、2010年に麗澤大学のコーチに就任。2016年までの7年間で3人の監督が代わる中でコーチを務め、2017年に監督に就任して今年で8年目になります。

山川監督は私、M高史と同い年の1984年生まれ。今年で40歳になる同年度生まれの指導者も増えてきました。順天堂大学の長門俊介監督、今井正人コーチ、専修大学・長谷川淳監督、慶應義塾大学・保科光作ヘッドコーチ、中央大学・山本亮コーチ。駒澤大学OBでも九電工の高井和治監督、第一生命グループの早瀬浩二監督、拓殖大学の治郎丸健一コーチ。僕の駒大の同級生も続々と指導者になっています。山川監督ともよくお話をするのですが、特に同期の活躍、頑張りは刺激となりますね!

麗澤大学の山川達也監督。1984年生まれ、M高史とは同い年です!

土台作りのための「基本練」に参加!

今回も練習に参加させていただきました。まずは動き作りを全員で行います。より効率良く、よりスピードが出る走りを目指して1種目ずつ丁寧に行っていきます。麗澤大学内の1kmロードコースをウォーミングアップで2周した後、トラックでの練習がスタートしました。

集合後は寮前にて全員で動き作り。走りを意識して1種目ずつ丁寧に行います

この日は記録会に出場するメンバー以外の皆さんは「基本練」と呼ばれる練習でした。M高史も参加させていただきました。基本練と聞くと「軽めの練習」と思われるかもしれませんが、距離は13000m。ペース走より遅めで、ジョグよりも速いといった感じですね。ポイント練習のほかに週に2回程度は入ってくるそうで、新入生は入学後、この基本練でじっくりと土台作りを行います。M高史にとってはフルマラソンの自己ベスト(2時間39分18秒)のレースペースよりも速いペースでの練習でしたので、かなり中身の濃い練習となりました!

1レーンは記録会に向けた調整練習をする選手が走るので、基本練のメンバーはしばらく3レーンを走行します。そのため、実際には少し長い距離を走っています(1レーンを走ると1周400mですが、2レーンを走ると約407m、3レーンを走ると約414mになります)。調整練習が終わった後は、1レーンに移って走り続けます。

麗澤大学の選手を支える「基本練」に参加させていただきました

山川監督が見守る中、M高史も無事に走り終えました。ただ、選手の皆さんにとっては軽々と走りきれるペースでして、13000mで終わらずプラスアルファで走る選手もいらっしゃいました! 皆さんとの余裕度の違い、発汗量の違いを身を持って感じましたね(笑)。

麗澤大学さんの取材に伺うと山川監督が「選手たちとお風呂に入っていってください」と声をかけてくださるのが楽しみでもあります(笑)。実は以前の寮で取材に伺った時も、練習後にお風呂をご一緒させていただきました。ただ、当時の寮は築年数も長くてお風呂も小さかったため、選手たちは順番待ちをしながら入られていました。2022年2月に新しい寮が完成し、特に寮のお風呂が格段に広くなりました。まるでホテルの大浴場、温浴施設のようです。シャワーもたくさんあり、雨の日や寒い日でも順番待ちすることなく入れるようになりました。選手の体調やコンディションの管理にもつながっていることでしょう。

麗澤大学に新しい寮が完成! 3年生の主将・主務体制、攻めの走りで初の箱根駅伝へ

入浴後は、皆さんにとって楽しみの一つでもある食事です。寮のすぐ隣にある大学の食堂で、栄養士の方が考案されたバランスのいい食事をしていました。

練習、入浴後の楽しみといえば、おいしくて栄養バランスのとれた夕食!

現在、マネージャーさんを募集中!

選手、マネージャーの皆さんにもお話を伺いました。

主将・鈴木康也選手(4年、拓大紅陵)
昨年の箱根駅伝予選会が終わった後、鈴木康也選手が主将に就任しました。「主将ということで結果で示していきたいです。上下関係や学年の変な壁はなくして、何でも言い合える関係にしたいですね。仲が良いだけでなく、切磋琢磨(せっさたくま)していきたいですし、自分を信じてついてきてほしいです。練習に対する姿勢や生活面などで見本になるように、姿勢を示してしっかりやっていきたいです」。10000m28分37秒68、ハーフマラソン1時間02分06秒の自己ベストを持ち、走りでも競技への姿勢でもチームを引っ張っています。

2月の合宿では全員でコミュニケーションをとって、3月の学生ハーフに向けて士気を高めていきました。出場の有無にかかわらず、チーム全員で一丸となって向かいました。

最終学年となる今年は覚悟があります。「自分たちの代がずっと期待されてきて、同期も目の色を変えてやってくれています。まずは全日本大学駅伝の関東地区選考会を突破したいです。箱根予選会は5位通過を掲げています。ただ漠然と掲げるだけでなく、より具体的に分析しています。目標を立てたからにはどうすればいいか、段階を踏んでいます」

主将の鈴木選手や副将の工藤大和選手(4年、八千代松陰)を中心に、4年生が結果でも背中でもチームを牽引(けんいん)しています。

主将の鈴木康也選手。走りでも姿勢でもチームを引っ張ります(撮影・M高史)

デイビッド・ネイヤイ選手(3年、ケンスウェド)
山川監督が「安定感があり、とにかく真面目で練習をやりすぎるくらい」と評するネイヤイ選手。昨年の箱根予選会でも個人7位に入りました。

日本食も好きで特に「ラーメン、うどん、天ぷらが好き!」とのことでした。今年の目標は10000m27分30秒、ハーフマラソンでは59分台を目標にしています。ロードが好きで、特にハーフマラソンが得意種目とのことです。チームメートやスタッフ、麗澤大学を応援してくださる方へ感謝の気持ちをお話しされているのが、印象的でした。

キプトー・ブライアン選手(1年、カプソクウォイ) 
ブライアン選手は取材日の1週間前に日本に来たばかりでしたが、さっそく日本食もOK。お米も納豆も「グッド!」とのことで、早くも日本に慣れてきているようでした。

トラックでは5000m13分05秒、10000m27分00秒を目標にしていて、東京国際大学のエティーリ選手が持つ日本学生記録にもチャレンジしていきたいそうです。筋力とスピードがあるブライアン選手ですが、ハーフマラソンもすでに60分台の記録を持っており、ロードへの適応力もあるため、ハーフマラソン59分台も視野に入れています。

箱根予選会で留学生は1人だけ出場できるため、どちらが出場するのかというのも悩みどころですね!

ケニアからの留学生、ネイヤイ選手(左)とブライアン選手(右、撮影・M高史)

続いて選手を支えるマネージャーの皆さんにもお話を伺いました。

主務・中野貴誉さん(4年、鶴翔)
「けがが長続きして、3年生の夏にマネージャーになりました。正直やめようかと思いましたが、一緒にこれまでやってきた同級生やいろんな方にお世話になってきましたし、走りでは恩返しできなかったですが、チームメートと一緒に箱根を目指して、走ることでなくても チームに貢献できればと思って転向しました。マネージャーに転向した当初はパソコンが苦手で、メールの打ち方から一つひとつ覚えていきました。前主務の大橋陸さんが本当に助けてくれて、色々教えてくれました。選手が結果を出す瞬間、チームが一致団結する瞬間、一緒になって目標に向かってやっていける瞬間にやりがいを感じます」

副務・大塚亮之介さん(3年、市立船橋)
「1カ月前にマネージャーに転向しました。細かい事務的な作業など、思った以上に役割が多く、サポートの役割の重要性を感じました。選手からも『ありがとう』と言ってもらえてやりがいを感じます。今年のチームはまとまりもあって雰囲気が良く、チームとしての一体感を感じます。予選会に向けてはエースだけに頼らず、中間層を上げていくことが大事なので、一体感と競い合いを大事にしていくチームになっていくようにサポートしていきたいです」

マネージャー・鳥飼智也さん(3年、拓大紅陵)
「今年の1月にマネージャーに転向しました。競技では伸び悩んで、チームの役に立てないと思っていたところ主務の(中野)貴誉さんから声をかけていただきました。自分でも考えましたし、家族にも相談しました。家族からはマネージャーでも箱根を目指す中でやれることはいくらでもあるから頑張ってみなさい、と言われました。マネージャーの仕事は練習ではタイム読み、給水などを行って、練習後はラップ表の作成、タイムをまとめる作業などをしています。自分のやるべきことを考えてチームのサポートをしっかりしていきたいです」

チームを支えるマネージャーの皆さん。左から大塚亮之介さん、中野貴誉さん、鳥飼智也さん

マネージャーさんも現在募集中のことです!

というわけで麗澤陸上競技部の皆さんを取材させていただきました。ありがとうございました。現状打破!

M高史の陸上まるかじり

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