挑戦の道は一つではない! 熱気に包まれた関東インカレ最終日、M高史が応援リポート
今週の「M高史の陸上まるかじり」は関東インカレのお話です。5月9日~12日までの4日間、国立競技場で開催。M高史は最終日の12日に応援・観戦に伺ってきました。
男子2部ハーフマラソンで気になった選手は……
最終日、最初の種目は男子2部ハーフマラソンでスタートは午前8時でした。まだ朝早い時間帯にもかかわらず、多くのファンの方が来場されて、注目度の高さを感じさせました。
最初に競技場内を走ってから外周コースに出ていきます。1周1.00359kmの特設コースを19周してから再び国立競技場に戻ります。特に2部は出場人数も多いので、位置取りや給水もカギになってきますね。各大学の部員の皆さんが応援エリアで周回ごとに熱い声援を送られていました。
2部ハーフマラソンで特に印象的だったのは5位入賞の立教大学・稲塚大祐選手(4年、高岡向陵)でした。今年の箱根駅伝では8区11位の稲塚選手。序盤から先頭集団でレースを進め、他校のエースと競り合う中で自己ベストを更新しての入賞でした。立教大学といえばこの4月から髙林祐介監督が就任。髙林さんはM高史の大学の後輩で、僕が4年生の時の1年生です。学生時代には主将も務め、当時からしっかりしている姿が印象的でした。2年間、母校の駒澤大学でコーチを務め、この春から立教大学の監督に。ジャージーの色が藤色から江戸紫に変わっても指導者としての活躍を応援したいです。
また、立教大学は男子2部3000mSCで中田紫音選手(4年、鹿児島城西)が8分54秒89の自己ベストで5位入賞。男子2部1500mでも青木龍翔選手(2年、大牟田)が優勝、大塚直哉選手(3年、豊川)が4位入賞を果たしました。
慶應義塾大学の田島公太郎選手が1部で8位入賞!
午前9時15分にスタートした男子1部ハーフマラソンでは山梨学院大学のブライアン・キピエゴ選手(2年、カプカテット)が序盤からハイペースを刻み、1時間01分38秒の大会新記録で優勝を飾りました。開催場所によってコースが変わるので、過去の先輩方と単純には比較できないものの、気温も上がり風も吹く中、好タイムでの優勝となりました。
2位争いは大集団。周回ごとに少しずつ人数が絞られていく展開で、東洋大学・梅崎蓮選手(4年、宇和島東)が2位に。梅崎選手は3年連続の表彰台です! 3位には中央大学の白川陽大選手(3年、大塚)が入りました。また、慶應義塾大学の田島公太郎選手(4年、九州学院)が8位入賞! 田島選手は1年生の時に関東学生連合で箱根駅伝7区に出場するなど、力のある選手です。レース後に、慶應義塾大にとって男子1部の長距離種目としては実に30年ぶりの入賞だった、とチームの方から教えていただきました!
チームメートやご家族からの応援を力に
大学の指導者の皆さん、学生の皆さんがスタンドから間近で応援されているのを感じることができることも、現地応援のだいご味ですね。
女子3000mSCは、以前取材でお世話になった東京女子体育大学の丸尾祐矢コーチと観戦しました。
東京女子体育大からは道田衣舞選手(2年、藤村女子)が出場。道田選手は高校2年生までバスケットボール部で、まだ陸上歴が浅い選手。丸尾コーチによりますと、トラックを淡々と走るよりも3000mSCのように変化があった方が走りやすいタイプだそうです。
バスケで鍛えた運動神経と跳躍力を生かして、障害や水濠もスムーズに飛越。10分50秒35で6位入賞を果たし、日本インカレのB標準(10分55秒00)も突破しました。東京女子体育大の長距離種目としては3年ぶりの入賞です。丸尾コーチのすぐ近くに座っていらっしゃった道田選手のご家族も応援に来られていて、スタンドから道田選手に届くのではないかという大きな声で、熱い声援を送られていました。
各大学による集団応援も盛り上がっていました。国立競技場は反響するのか、ものすごく声が響きます。選手もスタート前に場内アナウンスで紹介されると、それぞれの大学のポーズや好きなポーズをとって、仲間の大声援に応えていました。
コロナ禍で無観客だったり、応援ができなかったりした時とは違って、活気、熱気があふれていました。
それぞれの4years.に向けて現状打破
国立競技場での開催ということで、とにかく会場が広いので、移動も大変です。マネージャーさんもスマホで連絡を取りながら走り回られていました。会場内を歩いていると卒業生が顔を出して、後輩の皆さんの応援に駆けつけたり、卒業生同士が集まってプチ同窓会のようになっていたり。あるいは現役の大学生の皆さんも、同じ出身高校や同じ県の出身同士で写真を撮られている姿もあり、笑顔があふれていました。
M高史の部活訪問で、高校時代に一緒に練習参加させてもらった選手からは「大学生になりました!」と丁寧に声をかけてもらいました。大学でも陸上を続ける皆さん、あるいは競技は高校までで、大学からマネージャーとして陸上に携わる皆さんを心から応援したいです。楽しいことやうれしいことだけではなく、キツいことやつらいこともあるかと思いますが、そういったことも全部ひっくるめて、後悔のないように現状打破していってほしいですね!
そして、国立競技場から帰ろうと歩いていると木田果穂選手(旧姓・西澤さん)にバッタリ会いました。青森山田高校時代にはインターハイや国体で入賞し、第一生命グループで競技を続けられました。一度競技を引退されたあと、6年のブランクを経て実業団・コモディイイダで現役復帰。今年から武蔵丘短期大学で栄養士を目指して勉強中です。1500mと5000mの2種目に挑戦し、1500mでは0.01秒差で決勝進出を逃すという惜しい走り! 高校から実業団に入り、引退、競技復帰、結婚、学生として再び競技への挑戦ということで、道は一つではないということを示してくださっていますね。
というわけで、関東インカレ最終日リポートをお届けしました!