陸上・駅伝

特集:第103回関東学生陸上競技対校選手権

日体大・小林美月が女子1部棒高跳び連覇 助走スピード向上、今年は日本選手権で勝負

女子1部棒高跳びで連覇を果たした日体大の小林美月(すべて撮影・井上翔太)

第103回 関東学生陸上競技対校選手権大会 女子1部走り高跳び

5月11日@国立競技場(東京)

優勝 小林美月(日本体育大2年)4m00
2位 高橋美智子(東京女子体育大4年)3m90
3位 岡田莉歩(日本体育大1年)3m80
4位 佐々木琳音(日本体育大3年)3m70
5位 上山友美恵(日本女子体育大2年)3m70
6位 相原ほのか(筑波大3年)3m70
7位 佐藤里桜(日本女子体育大3年)3m60
8位 新田奈菜子(東京学芸大2年)3m60

5月11日の関東インカレ3日目に開催された女子1部棒高跳び決勝で、日本体育大学の小林美月(2年、明星学園)が4m00で2連覇を飾った。昨年には4月の学生個人選手権で自己ベストの4m13をマーク。その後は腰の痛みに悩まされていたが、復調を感じさせる跳躍内容だった。

試合前日まで感じていたプレッシャー

3m30から試技が始まり、小林の最初の跳躍は3m60。これを1回目で成功させ、続く3m70はパス。3m80、3m90とともに1本目でクリアし、4m00に入ったところで優勝者は小林と東京女子体育大学の高橋美智子(4年、相模女子)に絞られた。小林は2回目で成功したのに対し、高橋は3回とも失敗。この時点で、関東インカレの大会記録(4m06)を持つ小林の連覇が決まった。

「大会の1日目に男子の北田琉偉(オスカー誠治郎、2年、大塚)も優勝していたので、自分の中では『2連覇してアベック優勝するぞ』という気持ちで挑みました」と小林。プレッシャーから、前々日と前日はなかなか眠れなかったと振り返る。「寝不足で今日も4時間ぐらいしか寝られなくて、ちょっと不安でした。けど、会場に着いたら、みんなの応援がすごい響いていて、雰囲気も良くて、プレッシャーは一切感じずに、楽しみながら試合ができたと思います」

プレッシャーを感じていたが、国立競技場に着くと気持ちがほぐれた

新しいポールに挑戦できたことは収穫

優勝が決まった後は、さらに記録を伸ばすため4m10に挑戦した。「自分の中で、この感じだったら跳べるかなと思ったし、試合が終わった選手たちも『頑張れ』って応援してくれました」。しかし、いざ踏み切りの直前になると、バーの高さを意識した部分があり、いい動きを作れなかった。3回とも失敗し、関東インカレでの試技を終えた。

自らが持つ大会記録の更新と、自己ベストに迫ることはできなかったが、本人の中では手応えもあったようだ。「4m00の動きのまま行けたら跳べたと思うんですけど、4m10の1本目は、それまでよりも速く走れたので、ポールが流れちゃって、変えなきゃいけなくなっちゃったんです」。それまでの14フィート130ポンドのポールから、長さと重さはそのままに、フレックス(曲げやすさ)だけ少し硬くした。「新しいポールにも挑戦できたので、それは収穫になったと思います」

4m10では新しいポールに挑戦。使いこなせたら4m20も成功できると感じている

昨年の関東インカレ後から悩まされた腰の痛み

U20日本選手権で一昨年、昨年と優勝を果たし、今の大学生世代では第一人者となった小林は、昨年の関東インカレの後あたりから腰に痛みを抱えるようになった。「当時はときどき痛いぐらいだったんですけど、今年に入ってからはジョグをするだけでも痛くなって……。ちょっと遅いんですけど、そのときに病院に行ったら亀裂が入ってることが分かって、そこから月1でMRIを撮って悪化していないかを見ていました」

腰の痛みにつながったのは、複合的な要因があったと自己分析している。高校まで取り組んでこなかったウェートトレーニングを大学から始めるようになり、「下手な形だと、腰に負担がきちゃって、それもあるのかなと思います」。加えて、高校時代よりも硬いポールを扱えるようになり、その分、踏み切る際の衝撃が大きくなった。逆に言えばこれらの要因は、競技者としてさらに一皮むけるための重要なポイントでもあるようにも聞こえる。必要な筋力が備わり、難易度が高いポールを使いこなせるようになれば、さらに記録を伸ばすチャンスは訪れるだろう。

ベンチプレスやハムストリングスをマシンで鍛えるトレーニング、鉄棒を使った懸垂足上げなどを通じて、現段階では助走に勢いがついたと実感している。「普段の自分だったら、この日のような横風や向かい風に負けてしまって、あんまりスピードが出ないこともあるんですけど、すごい走れたので、いい助走ができました」。腰の痛みも感じることなく、競技に集中することができた。

トレーニングに励んだことで助走に勢いがついた

台信愛がマークした日体大記録更新を狙う

今年はU20日本選手権ではなく、年齢制限のない日本選手権に出場する予定だ。その後は6月の学生個人選手権と9月の日本インカレでの優勝をめざし、大学の先輩にあたる台信愛(だいのぶ・めぐみ、現・日体大SMG横浜)が昨年マークした日体大記録(4m20)の更新を狙う。

「練習は台信先輩と一緒にしているので、試合では『寂しいなあ』という感じもあります。でも、いつまでも先輩に頼っていてはダメ。日本選手権ではチャレンジャーとして、自分がどこまで食らいつけるのかに挑戦したいです」

この冬にはアメリカと台湾に行き、トップ選手たちの動きを間近で学んだ。たくさんのことを吸収し、小林は自らの成長へとつなげている。

今年は年齢制限のない日本選手権に挑戦する予定だ

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