大学陸上・駅伝

連載:M高史の走ってみました

箱根駅伝にあと一歩!! 麗澤大を支える山川達也監督のあったかさ

私、M高史も麗澤大の選手たちと12000mを走りました!!

ものまねアスリート芸人、M高史さんが大学の陸上部や駅伝部を訪れて練習に参加し、選手たちに取材する連載「M高史の走ってみました」。今回は麗澤大学です。昨年の箱根駅伝予選会では、本戦への最後の切符を手にした上武大と1分50秒差の12位で涙を飲みました。今年こそ、と意気込む麗澤大のいまに迫ります。

トラック完成、綿密な練習に集中

麗沢大の練習拠点は千葉県柏市にある大学内のグラウンドで、昨年7月にトラック(ブルータータン)が完成しました。選手のみなさんはグラウンドに入るときと出るとき、必ず一礼をします。以前は大学敷地内で1kmのロードを走っていたため、ほかの学生たちや車両に気をつけないといけなかったそうです。週末は陸上競技場で練習していましたが、その競技場へはバスで片道1時間もかかってました。いまは練習に集中できる環境が整ったことで、よりきめ細かなペース設定ができるようになったそうです。

取材にうかがった4月10日は雨。そして気温5度という季節外れの寒さでした。この日の練習は、おもに3つのグループに分かれて進みました。(1)その週末に予定されていた焼津みなとハーフマラソンへ出るメンバーは調整(2)記録会を目指すトラック組はスピード練習(3)新入生と上級生数人はペース走といった具合です。僕は(3)のペース走にご一緒させていただきました。

最初はペース走組が1レーンを走っていましたが、途中から(1)のメンバーが1レーンを走り始めたので、3レーンに移りました。3レーンの方が1周の距離が長いので、その分いいトレーニングになりますね!! 僕も新入生のみなさんと一緒に12000mを走り、上級生は16000mまでいきます。みなさん、リラックスしたフォームで余力を持って走る中、僕はどうにかこうにか走りきれきました(汗)。

合宿所にお邪魔させていただき、今回は特別に選手のみなさんとお風呂も一緒に

雨だったこともあり、練習後は合宿所で選手のみなさんとお風呂もご一緒させていただきました!! 練習中は集中モードのみなさんも、お風呂ではリラックス。チームのこと、学生生活のこと、いろいろ話してくれます。みなさんからものまねのリクエストをしていただいたので、お風呂で得意な歌モノマネもさせていただきました(笑)。

監督も選手と同じ目線で

練習後、山川達也監督にお話をうかがいました。山川監督は福井県出身。なんと僕と同い年の34歳です!! 美方高3年生のときに全国高校駅伝(5区)、都道府県男子対抗駅伝(4区)に出場されましたが、高校時代はけがが多く、大きな成果は残せなかったそうです。恩師からの勧めもあり、教員免許を取ろうと中京大に進学。「中京大といえば、先輩に青山学院大の原晋監督がいらっしゃいます。原監督みたいに活躍を、とよく言われますが、恐れ多いです」と、謙虚に語ります。

中京大時代もけがを抱えがちだったそうで、3年生のときに1度だけ出雲駅伝に出場。大学卒業後は愛知県の弥富高校(現・愛知黎明高校)で教員になります。就任当初は愛知県高校駅伝で10位そこそこという学校でした。「当時はやんちゃな部員たちの反発もあって、『もうやめよう』と思ったこともあったんですけど、中学の恩師から『3年間は何があっても帰ってくるな!! 』と言われてハッとしました」と山川監督。

そこで「型にはめる指導ではなく、まずは目線を合わせて接してみよう」と考えました。流行っているマンガの話や恋愛話などをしているうちに、部員たちと一緒に成長していったそうです。「ダメ、無理と決めつけるのではなく、できるところを探して伸ばす。同じ目線に立って一緒に成長するというのが指導の原点です」。その結果、強豪ひしめく愛知県高校駅伝で7位→3位→3位という好成績を収めていきました。

麗澤大からコーチ就任のオファーがあり、「人生一度きりだし、いい経験」との思いで、10年にまずコーチに就任されました。16年までの間、3人の監督のもとでコーチをつとめあげ、17年4月から監督に就任。ここ3年の箱根駅伝予選会の成績が22位→15位→12位と、着実にステップアップしています。

山川監督はいつも優しいまなざしで選手のみなさんと接しています

無名の選手を育て上げる“職人”

「うちには高校時代に実績のある選手やタイムのいい選手はなかなか入ってこないので、高校では強くなくても、4年間コツコツと継続して練習したらタイムが出そうな子に声をかけてます」と山川監督。

例えば、3年生の難波天(たかし)選手(福井・三国高)。高校生のときに初めて声をかけたときの自己ベストは5000mで16分を切れなかったレベルだったそうです。入学するころには15分10秒まで縮めたそうですが、それでもまったくの無名選手です。入学後に地道な練習を積み重ね、5000m14分19秒、10000m29分30秒、先日の神奈川ハーフでも12位と、ほかの大学の箱根駅伝出場メンバーに先着するなど、着実に成長をとげています。

優しく語りかけるような口調で、まったくの無名選手たちを4年間かけてコツコツ育てあげる山川監督に「職人のようですね」とお伝えしたところ、「実は実家が蕎麦屋でして」と、興味深い話をしてくださいました。福井市にある「とらい」というお蕎麦屋さんです。

山川監督はお客さまにおいしいお蕎麦を食べていただくため、ただ毎日黙々と準備をするお父さまの姿を見て育ったそうです。ジャンルは違っても職人という言葉が似合う山川監督は、お父さまのDNAを引き継いでいるのかもしれません。ちなみに箱根駅伝予選会は、ご両親もお店を休んで応援にいらっしゃるそうです。「長男なのに蕎麦屋を継がずに好きなことをやってますので、恩返ししたいですね!! 」と、力強く語ってくださいました。

宮田主将(右)と中野主務(写真提供・麗澤大学陸上競技部)

続いて主将の宮田僚選手(4年、純真)にもお話をうかがいました。宮田選手の高校時代の自己記録は5000m14分46秒でした。そして門を叩いた麗澤大は「これからの大学」という印象だったそうです。

いまの麗澤大について尋ねると「一人ひとりが考えて主体的に動けるようになってきました。トラックができて、恵まれた環境に感謝ですね。監督、コーチも一緒に全員で同じ寮に住んでて、チームの雰囲気もいいです」とのこと。どんな選手に麗澤大に来てほしいかと尋ねると「自分で考えて動けるような選手。いまは力がなくても、目標に向かってコツコツ取り組んでいける選手」と答えてくれました。新時代の令和で箱根駅伝初出場を目指し、信頼できる仲間たちと協力し合い、全員でチームつくっていきたいそうです。

もう一人、チームにとって欠かせない存在なのが主務の中野恵太さん(4年、東京実業)です。マネージャーとして入学しました。山川監督の印象をうかがうと「お母さんのような存在」と表現されていました(笑)。一人ひとりのことをきめ細かく見てくださり、親身になって心配してくださる山川監督をうまく表現するもんだと思いました。「チームのレベルも上がってきてるので、スタッフもレベルアップが必要となってます」と、力を込めて言いました。

悲願の箱根駅伝初出場に向け、一枚岩で挑む麗澤大。高校時代は無名だった選手たちが、大学4年間でどれだけ成長していくのかにも、ぜひ注目してみてください!!

一人ひとりが考え、行動する、そんなチームが麗澤大陸上部でした!!

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