大学陸上・駅伝

連載:M高史の走ってみました

ケニア出身の真也加監督率いる桜美林大学、チーム一丸で箱根駅伝を目指す

キサイサ選手(左)とカヨウキ選手。日本のお話、ケニアのお話、将来の目標、いろいろ教えてくれました!

ものまねアスリート芸人、M高史さんが大学の陸上部や駅伝部を訪れて練習に参加し、選手たちに取材する連載「M高史の走ってみました」。今回Mさんは桜美林大学陸上競技部駅伝チームの練習に参加してきました。箱根駅伝を目指して強化を続けるチームに迫ります!

真也加監督のもと始まったチームは6年目に

桜美林大学を指導しているのは、来日30年目の真也加ステファン監督。ケニア人留学生ステファン・マヤカ選手として山梨学院大学では駅伝、インカレ、ユニバーシアードで大活躍。特にライバル早稲田大学の渡辺康幸さん(現:住友電工陸上競技部監督)とは数々の名勝負を繰り広げられました! 卒業後は実業団選手としてダイエーや日立電線(現:日立物流)でご活躍。2005年には日本国籍を取得されました。

来日30年目を迎えた真也加ステファン監督 写真提供:桜美林大学陸上競技部

現役引退後は創造学園大学で指導された後、2013年4月に桜美林大学陸上競技部の駅伝監督に就任。2014年から本格的に指導を開始し、1年生だけのチームで箱根駅伝予選会に初出場しました。今年は6年目になります。2018年の第94回箱根駅伝では、田部幹也選手(当時3年生)が関東学生連合チームの3区で桜美林大学初の箱根路を走りました。

ギオンスタジアムでの練習に参加!

練習は桜グラウンド、ギオンスタジアム、尾根緑道、淵野辺公園が中心となります。ギオンスタジアムはトラックのほか、起伏のあるウッドチップのクロカンコース、ゴムチップ舗装のコースもあるので、バリエーションに富んだトレーニングが可能です。取材に伺った日はギオンスタジアムのクロカンコース、ゴムチップコースでのポイント練習でした。

練習前に距離や設定ペースの確認をします

寮からギオンスタジアムまでは約6km。ウォーミングアップ、クールダウン代わりに往復走って移動する選手も、体調と相談して自転車で移動する選手もいます。往復で12kmありますから、それだけでもスタミナがつきそうです。関東インカレ2部で5000m・10000mの2冠を達成したキサイサ選手も自転車で移動していました。人生で初めて自転車に乗ったのが高校3年生のとき。日本に来てだいぶ練習したそうで、自転車もうまく乗りこなしていました!

ケニア出身の真也加監督は、クロカン、土トラック、不整地での練習を特に大切にされています。キサイサ選手とカヨウキ選手の2人、それ以外の日本人チームは2チームに分かれて練習スタートです。

先日の関東インカレでも大活躍のキサイサ選手(左)とカヨウキ選手。不整地でも颯爽と駆け抜けていきました

1.73kmコースを10周(数名は8周まで)するメニューです。私、M高史は今回も練習に参加させていただき、8周まで走らせていただきました。

M高史も練習に参加させていただきました!

クロカンコースは適度に起伏もあり、ウッドチップが敷かれているのでクッション性は抜群。足が地面に着いたら素早く次の足を出さないとズボっと足を取られそうになります。自然と体幹や脚筋力が鍛えられますね。一部、ゴムチップのコースが約500m続き、走りやすいなぁと思いきや、再びウッドチップのクロカンコースが約1200m続きます。この切り替えが意外と足にくるコースでした。そんな中、マネージャーさんが1周ごとのタイム、さらには1km換算したタイムも読んでくださり、とてもありがたいです。

「脚作り」「土台作り」をテーマに練習継続

真也加監督にこの日の練習の目的を伺ったところ「インカレや競技会で調整練習が続いていたので、スタミナ作り、体作り」とお話してくださいました。この夏は白馬にあるシーズンスポーツキャンパスで走りこむそうです。

選手に声をかける福永勝彦コーチ 写真提供:桜美林大学陸上競技部

福永勝彦コーチにもお話伺いました。福永コーチは兵庫県報徳学園高校出身、専修大学卒業後は小森コーポレーションでご活躍され、その後、順天堂大学大学院でも勉強された経歴をお持ちです。練習の意図やチーム状況を丁寧にお話してくださいました。僕がご一緒したチームは故障明けの選手、土台作りの選手が主に走っていたそうです。

福永コーチが就任された頃は、集団走をしても途中からバラバラになっていたのが、「脚作り」「土台作り」をテーマに地道なトレーニングを継続し、現在は以前と同じペースで走ってもまとまってしっかりと集団走ができるようになってきたそうです。「チーム一丸となって取り組んでいきたいですね」と力強く語ってくださいました!

練習後の楽しみといえば夕食ですね!僕もご一緒させていただきました

練習後は寮で夕食もいただきました。栄養バランスのとれた食事を自分でお皿に盛り付けるビュッフェ形式です。おかずのところに栄養素のメモ書きが書いてあり、勉強になります。

エース・キサイサ選手の好物は……

桜美林大学といえば、エースのキサイサ選手。先日の関東インカレでも5000mと10000mの2冠。箱根駅伝予選会でも毎年圧倒的なレースを魅せているチームの大黒柱です。さっそく、キサイサ選手にお話伺ったところ、日本語の勉強、英語の勉強、そしてトレーニングもがんばっています。関東インカレに向けてトラック練習をしっかりやってきたそうで、日本インカレ、箱根駅伝予選会も頑張る!と笑顔でお話してくれました。

ちなみにキサイサ選手、日本で好きな食べ物はラーメン、そして、すき家の牛丼だそうです(笑)。「夢は世界チャンピオン!いずれはマラソンに挑戦!」というキサイサ選手。日本インカレや箱根駅伝予選会での爆走にも期待です!

後輩のカヨウキ選手については第一声が「strong!!」。1500mと5000mはかなり強いと太鼓判を押していました! その言葉通り、カヨウキ選手は関東インカレ2部1500m優勝かつ大会新、日本学生個人陸上競技選手権1500m優勝と、すでに結果を出しています。

カヨウキ選手は4月に来日したばかりです。日本語は難しいと言いながらも、ひらがな、カタカナを勉強中。1500mでの活躍が目立ちますが、7月には函館マラソン(ハーフ)に出場予定。長い距離に向けて、スタミナ作りをテーマに掲げています。

寮の食事がないときは部屋でウガリ(ケニアの主食)も作るそうですが、先輩のキサイサ選手に連れられて2人でラーメン屋さんに行くこともあるそうです。そんなカヨウキ選手の夢は「オリンピック!」スピード溢れる走りに期待です。

チームを支えるメンバーにも注目

留学生の活躍が目立ちますが、福永コーチのコメントにもあるように、日本人選手たちも着実に力をつけています。

練習でもチームを引っ張る宮崎柔乃介キャプテン(先頭) 写真提供:桜美林大学陸上競技部

チームをまとめているのは主将の宮崎柔乃介選手(4年、熊本国府)です。「いい意味で少年のような真っ直ぐな選手が多いです。」と今年のチームを評してくれました。

さらに、チームを支えるのは主務の後藤雄貴マネージャー(4年、東北)。東北高校時代は全国高校駅伝に2度出場。選手として桜美林大学に進学しました。しかし、1年生のときに交通事故に遭います。半年間大学を休学するほどの重症でしたが、長い入院生活を経て、競技に復帰します。ただ、長期間の入院生活で体力も別人のように低下してしまいました。「中途半端に走っているのではなく、せっかく桜美林に来たので、チームの役に立てるような存在に」という決意で2年生の予選会からマネージャーに転向。今年は駅伝主務としてチームを支えています。

後藤主務(右)をはじめ、マネージャーさんたちにも大変お世話になりました!

箱根駅伝予選会の過去最高成績は一昨年、昨年の21位。今年は過去最高順位の更新、そして箱根駅伝本戦出場に向けて、桜美林大学の挑戦から目が離せません!

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