オリンピック・パラリンピック

特集:パリオリンピック・パラリンピック

パリパラリンピック出場の大学在籍アスリートを紹介! 東京大会の聖火最終ランナーも

パラ陸上の大島健吾(左、撮影・伊藤進之介)とボッチャの内田峻介(撮影・佐藤祐生)

パリ2024パラリンピック競技大会(パリパラリンピック)が8月28日~9月8日に開催される。世界各国などから4400人のパラアスリートが集い、22競技549種目が行われる。日本からは175選手が参加。この記事では、大学に在籍している主な選手たちを紹介する。

【特集】パリオリンピック・パラリンピック

旗手に順大院の石山大輝、名古屋学院大の大島健吾は2大会連続

開会式で旗手を務めるのは、陸上競技男子走り幅跳び(視覚障害T12)の石山大輝と競泳女子の西田杏。このうち石山は、順天堂大学の大学院に在籍して2年目になる。聖カタリナ大学4年の頃からパラ陸上の大会に出始め、順大院に進んでから本格参戦。1年目から結果を残し、今年5月に神戸で開催された世界選手権では、自らが持つ日本記録を更新する7m08cmをマークして銀メダルを獲得した。自身初となるパラリンピックでも、メダル獲得を狙う。

順大院・石山大輝 聖カタリナ大でパラ陸上を知り、「あれよあれよの間」に日本代表へ

日本体育大学大学院の福永凌太も、パラ陸上期待の新星だ。難病の「錐体(すいたい)ジストロフィー」の影響で小学4年の頃から目が見えづらくなり、今大会では男子400mと走り幅跳び(いずれも視覚障害T13)に登場。中京大学時代は十種競技をメインに健常者としのぎを削ってきた。400mでは5月の世界選手権で46秒44の世界記録をたたき出したスカンデル ジャミル・アスマニ(アルジェリア)の背中を追いかける。

5月の世界選手権に出場した福永凌太(撮影・小玉重隆)

2022年に名古屋学院大学を卒業してからも、大学の所属選手として活動している大島健吾は自身2度目のパラリンピックとなる。東京大会では、混合4×100mユニバーサルリレーで銅メダル獲得に貢献。今年5月の世界選手権は男子200m(義足・機能障害T64)で自己ベストを更新する23秒13をマークし、銀メダルをつかんだ。

瀬戸西高校(愛知)時代はラグビー部で花園(全国高校大会)をめざし、大学から陸上に挑戦。パリパラリンピックでは100mと200m(いずれもT64)と混合4×100mユニバーサルリレーにエントリーしており、活躍が期待される。

名古屋学院大・大島健吾、パラ陸上短距離界の新星はさらに先へ駆け抜ける
大島(左)は自身2度目となるパラリンピックに挑む(撮影・伊藤進之介)

木村敬一・富田宇宙のような名コンビ誕生なるか

水泳競技には8月11日に閉幕したパリオリンピックと同様、多くの現役大学生が出場する。6選手いるうち、唯一の初出場となったのが東洋大学の田中映伍(2年、二宮)だ。パリには運動機能障害S5クラスで、男子100m自由形や50m背泳ぎ、50mバタフライなどにエントリー。田中と同じ両上肢欠損で、東京大会に出場した中央大学の日向楓(1年、旭)と切磋琢磨(せっさたくま)してきた。東京大会男子100mバタフライ(視覚障害S11)でワンツーフィニッシュを飾った木村敬一、富田宇宙のような名コンビ誕生なるか。

お互いに切磋琢磨してきた日向楓(手前)と田中映伍(撮影・吉田耕一郎)

このほか男子は個人種目で100m背泳ぎと自由形(どちらも運動機能障害S8)、200m個人メドレー(同SM8)に順天堂大学の荻原虎太郎(4年、千葉明徳/セントラルスポーツ)。50m自由形と100mバタフライ、100m背泳ぎ(いずれも運動機能障害S10)、200m個人メドレー(同SM10)に近畿大学の南井瑛翔(4年、比叡山)が出場。女子は100m平泳ぎ(同SB8)と100m背泳ぎ(同S9)に大阪体育大学の宇津木美都(4年、京都文教)、200m自由形(同S5)と100m平泳ぎ(同SB5)、200m個人メドレー(同SM5)に上武大学の由井真緒里(4年、前橋西)が、東京大会での経験を生かして勝負に出る。

多くの個人種目にエントリーしている南井瑛翔(撮影・吉田耕一郎)

ブラインドフットボール・卓球・ボッチャにも

東京大会で5位に入ったブラインドフットボールには、2大会連続で日本大学の園部優月(3年、筑波大附視覚特別支援学校高等部/free bird mejirodai)がメンバー入りを果たした。東京大会選出時はチーム最年少。ただ今回のパリでは8人のメンバーのうち、前回大会を経験したのが園部を含めて3人だけ。若手からチームを引っ張る立場へと変わりつつあり、3月のブラインドサッカー日本選手権では、所属チームを優勝に導く決勝ゴールを挙げた。

ブラインドサッカー日本選手権で決勝ゴールを決めた園部優月(撮影・伊藤進之介)

卓球では早稲田大学の舟山真弘(2年、早大高等学院)が自身初のパラリンピックに挑む。男子シングルス(クラス10)と、八木克勝とのペアで男子ダブルス(MD18)に出場予定。4歳のときに小児がんの一種、右上腕骨の骨肉腫に罹患(りかん)し右の肩関節と上腕骨を切除した。小学2年で卓球を始め、2022年、23年と全日本パラ卓球選手権のクラス10で連覇。今年創部100周年を迎えた早稲田大学卓球部に花を添えたい。

創部100周年の早稲田大学卓球部に花を添えたい(撮影・岩堀滋)

ボッチャには運動機能障害BC4男子で大阪体育大学の内田峻介(4年、山口南総合支援学校高等部)が出場。東京大会の開会式では車いすテニスの上地結衣、パラパワーリフティングの森崎可林とともに、聖火台への点火を行う最終ランナーを務めた。今大会ではボッチャ日本代表の主将を任されている。

内田はボッチャ日本代表の主将も務める(撮影・佐藤祐生)

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