オリンピック・パラリンピック

特集:パリオリンピック・パラリンピック

パリオリンピックに挑む大学生アスリート42選手 最多種目は競泳8人、陸上競技5人

東洋大学の竹原秀一(左、撮影・諫山卓弥)と慶應義塾大学の豊田兼(撮影・内田光)

7月26日~8月11日にパリオリンピックが開催される。32競技329種目が実施され、400人を超える日本選手団のうち、大学に在籍するアスリートは42人だった。水泳競技が最も多い13選手で、中でも競泳種目が8選手を占めた。陸上競技の現役大学生は5選手となった。

【特集】パリオリンピック・パラリンピック

世代交代を印象づけた水泳の代表選手選考会

3月に開催された水泳の国際大会代表選手選考会は、多くの学生アスリートがパリオリンピック代表内定をつかみ取り、世代交代を印象づける大会となった。男子200m背泳ぎでは東洋大学の竹原秀一(2年、東福岡)が、長年この種目で日本競泳界を引っ張ってきた入江陵介に勝ち、派遣標準記録を突破して優勝。自身初のオリンピック代表に選ばれた。

北島康介や萩野公介、大橋悠依など、多くの金メダリストの指導に携わってきた平井伯昌氏が監督を務める東洋大学からは、松下知之(1年、宇都宮南)も男子400m個人メドレーでパリオリンピックに挑む。国際大会代表選手選考会では第一人者の瀬戸大也に勝ち、優勝を果たした。

竹原秀一と松下知之 パリオリンピック後も日本競泳界を引っ張っていく、東洋大コンビ
男子400m個人メドレーに挑む東洋大学の松下知之(撮影・田辺拓也)

日本大学の寺門弦輝(4年、昭和学院)は男子200mバタフライで、自身初のオリンピックに挑戦する。日大の1学年先輩にあたり、この種目で東京オリンピック銀メダルを獲得した本多灯とともに出場。3月の代表選手選考会では本多に先着し、派遣標準記録を突破して優勝した。パリの舞台でも2人そろって表彰台に上ることができるか。日大からは柳本幸之介(3年、日大豊山)も4×200mリレーのメンバーに選ばれた。

女子では法政大学の三井愛梨(2年、桐蔭学園)が200mバタフライ、早稲田大学の松本信歩(4年、東京学芸大付)が200m個人メドレー、近畿大学の谷川亜華葉(あげは、3年、四條畷学園)が400m個人メドレー、中央大学の池本凪沙(4年、近大付)が4×200mリレーに出場。三井と松本は初、谷川と池本は東京大会に続くオリンピックとなる。

【昨年5月公開記事】法政大学・三井愛梨 入学式直後に世界選手権代表内定 パリオリンピック狙うルーキー
女子200mバタフライでパリに挑戦する法政大学の三井愛梨(撮影・樫山晃生)

インカレ同タイム優勝の2人がパリへ

陸上競技からは5選手が選ばれた。このうち、すでにパリオリンピックの参加標準記録を突破しており、6月末の日本選手権を制して内定をつかんだのが男子400mハードルの慶應義塾大学・豊田兼(4年、桐朋)。決勝では自己ベストとなる47秒99をマーク。大会記録を更新するとともに、日本選手として3人目となる47秒台に足を踏み入れた。2位に入った東洋大の小川大輝(3年、豊橋南)も48秒70を出して参加標準記録を突破。昨年9月の日本インカレ男子400mハードルでは同タイム優勝となった2人が、パリに向かう。

慶大・豊田兼 パリ参加標準突破の「二刀流ハードラー」、夢実現にかけるラストイヤー
日本インカレで同タイム優勝となり、掲示板を見つめる豊田兼と東洋大学の小川大輝(撮影・井上翔太)

日本選手権の男子200mを20秒43(追い風0.2m)で制した筑波大学の鵜澤飛羽(4年、築館)は世界陸連の出場人数枠(ターゲットナンバー)に入り、自身初のオリンピックに内定。6月の日本学生個人選手権、男子100m準決勝で追い風3.5mの参考記録ながら、9秒97をマークした東洋大の柳田大輝(3年、東農大二)は4×100リレーのメンバーに選出された。女子では、ホクレン・ディスタンスチャレンジ2024北見大会の女子10000m競歩で自らが持つ日本学生記録を更新し、勢いに乗る立命館大学の柳井綾音(3年、北九州市立)が、女子20km競歩と男女混合競歩リレーの2種目で挑戦する。

日本選手権男子200mを制した筑波大学の鵜澤飛羽(撮影・柴田悠貴)

大学在籍中に内定をつかんだ選手も多数

女子レスリングは、現在も大学生でパリオリンピックメンバーに選ばれたのが53kg級の日本体育大学・藤波朱理(3年、いなべ総合)と68kg級の慶應義塾大・尾﨑野乃香(4年、帝京)。藤波は中学2年から133連勝中で、吉田沙保里さんの連勝記録をすでに超えている。今年3月に左ひじを痛めたが、パリ本番には間に合わせる。このほか57kg級の櫻井つぐみと62kg級の元木咲良は育英大学在学時に、76kg級の鏡優翔(ゆうか)は東洋大学在学時に、パリオリンピック代表内定をつかんだ。

慶大・尾﨑野乃香 大学でイスラムを学ぶレスラー、階級上げていざパリオリンピックへ
慶應義塾大の尾﨑野乃香(撮影・藤田絢子)

他の競技でパリ大会に挑む大学生アスリートは、以下の通り。

・ラグビー(7人制)
植田和磨(近畿大学4年)
西亜利沙(立教大学2年)

・スポーツクライミング(女子ボルダー&リード)
森秋彩(筑波大学3年)

・セーリング(混合フォイリングナクラ17級)
西川カピーリア桜良(関西大学4年)

・卓球
張本智和(早稲田大学3年)
篠塚大登(愛知工業大学3年)

愛知工業大・篠塚大登 パリオリンピックで鍵を握る、恥ずかしがり屋で熱い「しのぴ」

・カヌー/スラローム(男子カヤック、カヤッククロス)
田中雄己(駿河台大学4年)

・サッカー
関根大輝(拓殖大学4年)
藤野あおば(法政大学3年)

・バレーボール
甲斐優斗(専修大学3年)

専修大学の甲斐優斗(撮影・藤野隆晃)

・アーチェリー
斉藤史弥(日本体育大学2年)

・ハンドボール
藤坂尚輝(日本体育大学4年)

・射撃(女子10mエアライフル個人、混合10mエアライフル団体)
野畑美咲(明治大学3年)

・スケートボード
中山楓奈(早稲田大学1年)

・水泳(飛込)
三上紗也可(日本体育大学大学院)

・水泳(アーティスティックスイミング)
佐藤友花(筑波大学4年)
和田彩未(早稲田大学3年)
小林唄(国士舘大学4年)

・水泳(水球)
荻原大地(日本体育大学4年)

・体操
岡慎之助(星槎大学3年)
岡村真(四日市大学1年)
牛奥小羽(日本体育大学2年)

・体操(トランポリン)
西岡隆成(近畿大学3年)

・自転車(トラック)
池田瑞紀(早稲田大学2年)
垣田真穂(早稲田大学2年)

早稲田大学の垣田真穂(中央)と池田瑞紀(右、撮影・南島信也)

・フェンシング(男子フルーレ)
飯村一輝(慶應義塾大学3年)

・バスケットボール男子
ジェイコブス晶(ハワイ大学2年)

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