雨の甲子園? 関学得意の空中戦はいかに
早大オフェンスはタレントぞろい
帰るべき場所に戻ってきた。関学は16日の甲子園ボウルに3年連続52回目の出場。東日本代表の早大と2年ぶり2度目の対戦となる。日大に足元をすくわれ、涙に暮れた1年前。QB光藤航哉主将(みつどう、4年、同志社国際)は「僕らはここで負けて始まったチームです。やっとスタートラインに立てました。僕の代で、僕がこのチームを日本一にします」と意気込む。
2年前は早大に31-14と勝ち、学生日本一に輝いた。だが鳥内秀晃監督は「強いよ。2年前よりオフェンス力がある」と警戒を強める。関東大学1部TOP8で1位の610ヤードを走ったRB元山伊織(4年、豊中)、大学日本代表のQB柴崎哲平(3年、早大学院)と同じく代表のWRブレナン翼(3年、米・ユニバーシティラボラトリースクール)のホットライン。爆発力のあるタレントがそろう。関学はDL三笠大輔(4年、追手門学院)の泥臭いプレーでキャリアの侵攻を阻止したい。最前線からしかけていけるか。
早大の関学出身コーチに「いらんことすんな」
早大のディフェンスはDL斉川尚之(4年、獨協)を警戒したい。光藤も彼を注意する選手に挙げている。関東TOP8で2位のQBサック4回。身長187cm、体重116kgの巨体で果敢に攻めてくる。関学オフェンスも試合序盤は苦しむだろう。エースWR松井理己(4年、市西宮)、小田快人(4年、近江)、阿部拓朗(3年、池田)を生かした空中戦がカギになるだろう。とくに昨年の甲子園ボウル序盤に大けがを負い、今シーズンまだタッチダウンがない松井の個人技に期待したい。
2年ぶりの学生日本一へ不安要素もある。早大には関学出身のコーチが4人いる。青の血が入っている。鳥内監督は「いらんことすんなよ、とは言うてあるんやけど……」と苦笑い。さらに、当日は雨が降りそうだ。甲子園ボウルで雨が降るのは2008年の立命大vs法大以来10年ぶり。関学にとっては06年の法大戦以来となる。このときは雷雨による40分の中断の影響もあり、関学は3点差で敗れた。実力やこれまでのスタッツでは計れない部分も含めた総力戦になる。鳥内監督は「第4Q勝負になる」と語気を強めた。試合までは不安と闘い続け、最後は堂々と勝つ。