駅伝を目指す女子アスリートが集結、合同練習会で一緒に走ってきました!
7月13日に「四大学対抗大学女子駅伝合同練習会」にうかがってきました。会場となったのは東海大学湘南キャンパス。東海大学といえば今年の箱根駅伝で初の総合優勝に輝きましたが、ここは彼らの練習拠点でもあります。この日は大学女子駅伝を目指すアスリートたちが集結しました。
合同練習から関東インカレ、全日本大学女子駅伝へ!
参加校は東海大学、拓殖大学、松蔭大学、帝京科学大学の4校です。東海大で女子長距離部門を指導する原田兼由コーチによりますと、練習会が始まったのは5年前。東海大と松蔭大が近所ということもあって、合同練習をすることにしたとのこと。最初は「この練習会から関東インカレに出場するメンバーが1人でも多く出るように」が合言葉だったそうです。
その後、拓殖大も参加。合言葉も「この練習会から全日本大学女子駅伝へ!」とグレードアップしていきました。そして、昨年の関東大学女子駅伝で拓殖大は7位となり、目標の全日本大学女子駅伝に初出場! 今年は創部2年目の帝京科学大が初参加、計4校となりました。
エンドレスリレーで交流も強化!
今回、取材と練習に参加させていただいたメンバーは、アスリート芸人チームよりM高史、ポップライン萩原さん(設楽悠太選手そっくりさん)、放課後ハートビートの松下シュートさん(神野大地選手そっくりさん)。
さらに、大東文化大学OGの福内櫻子さん、クロスブレイス所属でM高史のマネージャーでありながらホクレンディスタンスチャレンジでは5000m14分0秒をマークした「あまりに速すぎるマネージャー」こと遠藤靖士マネ、ランニング系YouTube動画の撮影も入り(MATSURUNチャンネル・萩原さん、たすきちゃんねる・りょーまさん)も参加されました。大学女子駅伝の注目度が年々上がってきているのを感じます!
トラックで400mの「エンドレスリレー」をやりました。メンバーをシャッフルして、オープン参加も含めて4人組の9チームをつくります。1走→2走→3走→4走と走ったら、再び1走→2走→と続いていき、1人10本ずつ。4人で合計40本を走るリレーです。
通常の400m×10というメニューに比べて、リレー形式ということで気持ちも変わりますし、ほかの大学の選手とチームを組むことで交流も図れますね。「きつい~!」という声もあがっていましたが、選手のみなさんは仲間を励まし、応援しながら充実した表情で走られているのが印象的でした! 選手だけでなく、監督やコーチも走ります。そんなときは選手のみなさんから歓声があがってました!
僕らもチームを組んで参加させていただきました。さらに、ゲストで参加された福内櫻子さんも10本すべて走られました!
福内櫻子さんといえば学生時代にインカレ、全日本大学女子駅伝、富士山女子駅伝でも大活躍。現役の大学生の皆さんにとっては中学、高校時代に活躍していたあこがれの先輩でもあります。練習の合間や練習後、福内さんは選手のみなさんに積極的に話かけられていました。ほかの大学の卒業生であっても、同じ大学長距離界で活躍していた選手の話を聞ける機会があるのはステキなことですね!
さてさて、参加大学の監督さん、主将や注目の選手にもお話をうかがいましたので、紹介させていただきます。
拓殖大、全国でどう戦うか
拓殖大の五十嵐利治監督は亜細亜大で箱根駅伝を走り、実業団のコーチを経験され、2016年より拓殖大で女子チームヘッドコーチ、今年から女子陸上競技部の監督に就任されました。「去年は(関東を)通過することだけで精いっぱいでしたが、今年は通ったあとのこと(全日本)も考えてます。どういう通過の仕方をしていくかですね。一生懸命やれば通用する力がつくというのを、前回みんなが証明してくれました。秋の駅伝に向けて8月は阿蘇合宿で走り込みです」
佐野英里佳選手(3年、八千代松陰)は昨年12月の富士山女子駅伝で関東学連選抜チームの1区を任され、積極的な走りで見事、区間賞を獲得。「初めての全日本大学女子駅伝はまわりの雰囲気に圧倒されてしまいました。全日本が悔しくて、そのあとメンタルも含めて立て直すことができました」と話してくれました。「今年は全日本大学女子駅伝で12位以内(富士山女子駅伝の出場権が得られる)、関東大学女子駅伝は3位以内を目標にしています」。キャプテンとしてエースとしてチームを引っ張る佐野選手に注目ですね。
東海大 人数そろい、駅伝目指す
東海大の原田兼由コーチはOBです。公務員として働きながら、女子駅伝チームの指導をされています。ちなみに原田コーチの奥様は5000m元日本記録保持者の木村(旧姓)泰子さんです。この日も応援にいらしてました! 「新入生が入って人数がそろい、駅伝に出場することができます。時間はかかると思いますが、まずは環境を整えてチームとして地固めをしてきたいです」と原田コーチ。
奥村紗帆選手(3年、麻溝台)は今年、関東インカレ女子1部10000mで6位になり、初の入賞を果たしました。「去年はけがもありましたが、今年は練習を継続できてます。1年生が4人入学してきて、駅伝にも出場できます。お互いにコミュニケーションをとりあって、まとまりのあるチームです」と、奥村選手は語ってくれました。
昨年のインターハイ3000m日本人トップ、注目のルーキー金光由樹選手(岡山操山)は今年の日本選手権に出場しました。15位という結果について感想をうかがうと「悔しかったです。来年は表彰台を目指してリベンジしたいです。スイッチが入りました。9月の日本インカレでは優勝したいです。駅伝では1区で流れを作れるような走りがしたいです。意表を突くようなスパートがしたいですね」と、元気よく話してくれました。
松蔭大 駅伝を目指し、トラックも強化
松蔭大の中野幹生監督は、神奈川大時代に箱根駅伝の優勝メンバーとなりました。実業団で競技を続け、引退後は鍼灸師の国家資格を取得。「治療もできる監督」として選手たちの体のケアにもあたります。「全日本大学女子駅伝、富士山女子駅伝出場を目指してトラックも強化していきたいです。ここからの2カ月が大事です。けが人なく夏を乗りきれば、いい駅伝ができると思います」と話してくださいました。
10月の全日本大学女子駅伝12位以内に入ると、12月の富士山女子駅伝に出場することができますが、それ以外のチームは5000m上位7名の合計タイムで選出されるため、5000mのシーズンベストも重要になってきます。
渡邉理紗選手(4年、田村)は「雰囲気もよく、元気のあるチームです。全日本大学女子駅伝出場が目標です」と語ってくれました。高校卒業後、実業団を経て松蔭大に入学した井上実乃里選手にも注目です。
帝京科学大、創部2年目のフレッシュなチーム
帝京科学大は創部2年目。1、2年生だけのチームです。指導されているのは髙田由基駅伝監督。100kmウルトラマラソン日本代表経験もある、異色の経歴の監督です。小学校の教諭を経て、昨年から帝京科学大女子駅伝チームの監督に就任。現役のウルトラマラソンランナーでもあり、選手と一緒に走ることもあります。「1年生しかいなかった去年に比べて、チーム内で競争意識が出てきました。とはいえ、まだ2学年だけなのでチームをつくってる途中です。選手とのコミュニケーションを構築して関東大学女子駅伝に出場し、全日本大学女子駅伝を目指します」
御廐敷莉乃選手(2年、日体荏原)は「昨年、関東大学女子駅伝に出られなかった悔しさを晴らしたいです」。双子の妹である志乃選手とともに若きチームを走りで引っ張ります。
夏は深川(北海道)、菅平(長野)、御殿場・裾野(静岡)で合宿をするそうです。
全日本の切符をかけた関東大学女子駅伝は9月29日、千葉・印西市千葉ニュータウン周回コースで開催されます! 皆さん、応援よろしくお願いいたします!