ラクロス

特集:第11回ラクロス全日本大学選手権

女子は立教が初の学生日本一 主将の山口茉莉「217人の部員がいたから」

8年ぶり2回目の全学出場の立教大が、初めて学生日本一をつかんだ(すべて撮影・松永早弥香)

ラクロス第11回全日本大学選手権 女子決勝

12月1日@東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場
立教大(関東地区1位) 10-6 同志社大(関西地区1位)

立教大と同志社大の女子の全学決勝戦は、どちらが勝っても初の全国制覇だった。「立教は対応型のチームだと思ってて、よく相手を観察して自分たちのベストを尽くそうと思います」。そう話していた立教の櫻井美帆(3年、八千代)が、勝負どころでシュートを決めた。

男子は早稲田が2年連続の大学日本一 「ONE TEAM」で真の頂点を目指す

第3Q開始早々、一気に逆転

両者の攻防が続く中、試合開始7分21秒、立教の櫻井がフリーシュートから先制点。その後は立教の攻撃が続き、同志社はチームタイムアウト。流れを変えようとするが、立教の勢いは止まらず、第1クオーター(Q)は3-0で終わった。

第2Q開始4分45秒、同志社のフリーシュートが決まり、3-1。立教は試合再開のドローを奪い、シュートを放ったが、同志社の主将でG(ゴーリー)の竹本萌優(4年、関大)が好セーブ。竹本自らボールを前に運ぶ速攻から、同志社にフリーシュートのチャンス。これが決まって3-2。さらに立教は試合再開のドローを奪われ、そこからの流れで失点。3-3と追いつかれた。なおも流れは同志社。ドローを確実にとって1点、さらにもう1点。3-5で試合を折り返した。

第2Q、主将でGの竹本(2番)が自らボールを前に送り、同志社が反撃に出た

立教主将の山口茉莉(4年、國學院久我山)はハーフタイムでチームに「第2Qは相手のQだったから仕方がない。こっから立教のQにしよう。リセットしてベストを尽くそう」と声をかけた。選手たちにも焦りはなく、第2Qに何が起きていたのかを振り返った。

第3Q開始早々に立教の稲木柚香(4年、横浜市立東)が決め、4-5。さらに櫻井が2点を決め、4分18秒に勝ち越した。8分38秒に失点し、6-6と再び追いつかれたが、第3Q終盤に折笠みき(3年、同)のシュートが決まって再びリード。第4Qは同志社に得点を許さず、さらに立教が3点を決めて10-6と突き放した。試合終了のホイッスルが鳴り、立教のメンバーたちに歓喜が広がった。

15日の頂上戦、学生代表としてベストを尽くす

試合直後、立教側の観客席には「祝優勝」の垂れ幕が掲げられた。勝利を信じて応援に駆けつけた人たちが準備してくれたものだった。そんなサプライズに選手たちも大喜びしていた。

櫻井(2番)が一気に駆け抜け、この試合で両チーム最多の4得点をあげた

この試合で4得点した櫻井は試合前、「大事なシーンやチームがつらいときは自分が決める」と心に決めていた。流れは自分のプレーで引き寄せる。体が張って仲間がつないでくれたボールを守り、一瞬の隙を狙ってゴールに打ち込む。「2点は取れるかな」と思って試合に臨んでいたが、「もっといけるペースだな」と、自分の調子のよさを感じていたという。

初の学生日本一を手にした立教大は12月15日、クラブ日本一チームとの頂上決戦に臨む。櫻井は「クラブの方々は学生とはまた違った戦い方をしてきます。だから学生代表として自分たちのベストを尽くしたい」と力強く言った。山口もまた「217人の部員がいたからここまでこられたと思うので、217人みんなを感動させられるような一体感のある試合をしたい」と意気込んだ。

立教大女子ラクロス部には毎年200人以上の部員がおり、国内ラクロスチームの中でもっともメンバーが多いことで知られている。12月15日も、2019年を戦い抜いた217人が心一つで戦う。

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