陸上・駅伝

特集:第89回日本学生陸上競技対校選手権大会

鹿屋体育大・小林青、インカレ1500m優勝 体幹強化で身につけたラストの強さ

前回大会で2位だった小林は、ラスト勝負を勝ちきっての優勝に喜びを爆発させた(すべて撮影・藤井みさ)

第89回日本学生陸上競技対校選手権大会

9月11日@新潟・デンカビッグスワンスタジアム 
男子1500m決勝
1位 小林青(鹿屋体育大3年) 3分48秒23
2位 高橋佑輔(北海道大3年) 3分48秒92
3位 大竹康平 (広島経済大4年) 3分49秒45

日本インカレ初日の9月11日、男子1500mの予選と決勝が行われ、鹿屋体育大学の小林青(あおし、3年、祇園北)が3分48秒23で優勝した。「ずっと目標にしてきた大会だったので優勝できてうれしいです」。前回大会で2位だった小林は、やっとつかんだ勝利に満面の笑みを浮かべた。

ラスト勝負で飯澤千翔に敗れてから1年

小林はラストに勝負をかけていた。大きな集団の中ほどに位置をとってはレースの流れをうかがい、ラスト300mでスパート。一気にトップに立つと高橋佑輔(北海道大3年、兵庫)の猛追もかわす。勝利を確信した小林は胸をトントンとたたきながらゴール。ガッツポーズとともに喜びの声を上げた。

昨シーズンの後に右足の腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)と両足のアキレス腱を痛めてしまい、冬季練習はこれまではしてこなかったウエイトトレーニングに重きをおいた練習に取り組んだ。4月になって走れるまでに回復し、8月から今大会に照準を定めて本格的な練習を続けてきた。

リラックスした走りでレースを進てきた小林は、ラスト1周で動き始めた

「どんなペースでもラスト300mから出ようと決めていました。ラスト300mまではしっかりリラックスして走ると意識していたので、今回はその想定通りに進められたのが勝った要因かなと思います」。前回大会、ラスト勝負で東海大の飯澤千翔(現2年、山梨学院)に及ばず、2位に甘んじた。今大会に飯澤は出走しなかったものの、「ラスト400mはこれまでの中で一番速いと思います」と、1年前からの成長を自分でも実感した。

「僕は本当に鹿屋でよかった」

広島県立祇園北高校時代には1500mでインターハイ決勝を経験するも、4分00秒79での最下位だった。その大会で優勝したのは早稲田大学の半澤黎斗(3年、学法石川)だったが、今大会でその半澤と予選で相まみえ、小林は3分48秒93での1着と当時のリベンジを果たしている。高校時代は体幹の弱さから腰が落ちてしまい、推進力のないフォームだったと振り返る。鹿屋体育大ではトレーナーから体幹を指導してもらい、ポイント練習の日以外は毎日体幹トレーニングに取り組んでいる。その体幹の強さが、最後までスピードを維持できる走りにつながっている。

小林は国立大学であること、体育の教員免許がとれること、そして全国でも戦っていた鹿屋体育大の先輩に憧れたことから、地元・広島を離れて鹿屋体育大にきた。関東の大学に進んでいたら、普段の練習でもより高いレベルで競い合えたかもしれない。それでも小林は「僕の鹿屋も関東ほどではないんですけど、強い選手はいるのでそこで切磋琢磨(せっさたくま)できていますし、僕は本当に鹿屋でよかったなと思っています」と言い切る。

「ラスト400mはこれまでの中で一番速いと思います」と小林は言い切った

10月1~3日には同じデンカビッグスワンスタジアムで日本選手権が開催される。日本選手権では表彰台を、年内には3分30秒台の記録を目指している。日本学生記録(3分35秒69)や日本記録(3分37秒42)の更新も視野に入っているかとたずねられると、「学生記録は目標ではあるんですけど、大きな目標を見据えてやるんじゃなくて、小さな目標から達成していきたいと思っています」と地に足が着いた答えが返ってきた。一つひとつを積み重ね、さらなる高みを目指す。

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