ラクロス

連載:ラクロス応援団長・おばたのお兄さんコラム

おばたのお兄さんが品川祐に言われた「やめたら売れない」の本当の意味

今回のおばたのお兄さんのコラムは、ある日、品川祐さんに言われたことについてです(撮影・全て齋藤大輔)

「品川さん、どうやったら売れますかね?」

何年前だったか、僕がまだテレビに全く出られていない、つまり全くもって売れていない時に「品川庄司」の品川祐さんにこう聞いたことがあった。品川さんは「芸人をやめないことじゃない? やめたら売れないじゃん」と言った。正直、求めているような答えでは全くなかった。だからその時は「いやそう言うことじゃなくて、具体的なアドバイスがほしいんだけどなぁ……」という考えが超ひよっこ芸人の僕の頭を占めていた。

おばたのお兄さんの「ラクロス4years.」

コロナ禍でInstagramを毎日更新

努力をすれば誰でも手に入れられる才能のひとつに「継続力」がある。これは本当に努力次第でいかようにもなると思っている。が、少し続けてみる。ではこの才能は身につかなくて、「続け続ける」ことが大切なのだ。しかしまた、非常に困難なこと。

かの有名な発明家のエジソンは「私たちの最大の弱点は諦めることにある。成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることだ」と言葉を残している。野球のイチロー選手であったり、将棋棋士の羽生善治さんであったり、成功を収めてる偉人たちには「継続力」に関する名言を多く発している。「継続は力なり」とはまさにそうなんだと思う。最近もまた、これを思うことがあった。

僕は昨年の4月に発令された緊急事態宣言で、舞台や営業、テレビのロケの仕事など当時スケジュールを埋めていた98%くらいの仕事がなくなり、まるで暇になってしまった。その時にSNS(主にInstagram)を毎日更新し、今まで仕事が毎日あった時にはできなかったクオリティの動画をなるべく上げ続けるように心がけて実行した。その甲斐があり、約3カ月間でInstagramのフォロワーは約30万人も増えた。もちろん自分なりの仕掛けの創意工夫はあったのだが、一番は「続けたこと」だと思っている。

おばたのお兄さんはコロナ禍で思うように仕事ができない間、SNSの毎日更新とともに資格取得にも取り組んだ

土佐兄弟・ゆうきくんのSNSがバズったわけ

元々SNSの活用が得意だったことや、フォロワーが一気に増えたこともあり、多くの芸人が僕にSNS動画の“バズり方”のアドバイスを求めてくれる。その代表的なバズり芸人が、高校生あるあるでブレイクしている「土佐兄弟」の弟・有輝(ゆうき)くんだ。

アドバイスの内容は専門的過ぎてこの4years.で書くことではないので割愛するが、とにもかくにも、ゆうきくんの成功の1番の秘訣は「続けたこと」だ。僕がアドバイスをしたその日から、一日も欠かすことなく動画を上げ続けた。もちろん、そもそものネタが面白いからバズったのであるが、これは尊敬に値するし、なんなら僕のアドバイスなんかなくても、この継続力が備わっていたのならブレイクするのは時間の問題だったのだろう。

ゆうきくんのように僕にアドバイスを求める芸人で、何万人もフォロワーを増やすのに成功する芸人と失敗する芸人の一番大きな差は、この「継続力」だとはっきりと分かっている。

スポンジの吸引量が減ってきた時こそ勝負

さて、ラクロス応援団長なのでラクロスの話。日本体育大学ラクロス部の1年生だった僕は、練習はもちろん、自主練習をするのがとても好きだった。「最初」は。

なぜ好きだったか。日々うまくなるのが分かるから。当たり前だ。それまでやったことのないスポーツだから、やればやるだけうまくなるし、その「変化」に気づくのは容易である。スポンジと同じで、新品の乾ききったスポンジは最初に吸収する量は多い。ある程度水を吸ったら次第に吸収量も減っていく。そして次第に自分の中で「あれ? あんまり吸わなくなってきたぞ? めっちゃ吸うのが気持ちよかったんだけどなぁ」という感覚や、「俺はこのくらいしか吸わないんじゃないか?」という自己制限の感覚も出てくる。

これが継続力をへし折る要因になってくる。つまり、プラスの変化が多ければ継続することは容易だし、変化がないということが「諦める」ということにつながりやすいのだ。逆に言えば、変化がない時に継続することこそ「継続力」をつける絶好のタイミングなのだ。僕がうまくいっていた時や、周りの成功している人を見るとこれに見事に当てはまる。ラクロス日本代表の選手になったチームメートも、TikTokで100万人以上のフォロワーを獲得した土佐兄弟・ゆうきくんも、とにかく「続け続けた」のだ。

ラクロスも成長が止まってからが勝負!

必ず成功するわけではない、それでも!

ここでまた、シドニーオリンピック女子マラソンで金メダルを獲得した高橋尚子選手の言葉を拝借。

途中でへばってしまう。
でも一段ずつ確実に上がっていけば
時間はかかっても頂上まで上がることができる。

世界の頂点に立った人が言うんだから間違いない。続ける強さを、改めて重要視していこう。

今になって、数年前に品川さんから言われたことをようやく理解できるようになった。「やめたら売れない」という言葉は当たり前すぎるが、これに尽きると思う。もちろん、続ければ必ず成功するということでもないし、ただ続けるだけではダメであって、常にプラスの変化を感じられるよう、「売れてやるぞ!」という強い気持ちで工夫し続けることが大切なのだ。だから僕も、しっかり売れるようにこれを実行していこう。

継続力は才能だ。でも、この才能は誰だって今からでもつけられる。才能をひとつ、増やそうではないか!

ラクロス応援団長・おばたのお兄さんコラム

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