西村菜那子、「山の神」2人と出雲駅伝テレビ中継の副音声を担当しました!
「駅伝に詳しすぎるアイドル」として陸上ファンも一目置くNGT48西村菜那子さんのコラムです。10日に開催された出雲駅伝でテレビ中継の副音声をつとめた西村さん。レースを見て感じたこと、中継の裏話?を語ってくれました!
「ダブル山の神」と豪華な時間!
みなさん、こんにちは!
学生駅伝シーズンの開幕戦である出雲駅伝が今月10日に行われました。毎年この大会は、家でテレビ観戦をしている私ですが、今年はありがたいことに柏原竜二さん、神野大地選手(セルソース)のお2人と一緒に、中継番組の副音声とYouTubeの配信を担当させていただきました! 大学駅伝を知り尽くすお2人から、様々なお話を伺えました。そして何より“山の神”が2人も揃う豪華すぎる空間に身を置いていることが信じられなくて、時間はあっという間に過ぎていきました(笑)。
皆さんは今年、どのような順位予想をしていたでしょうか? 私がSNSを見た限りですと、やはり駒澤大学を優勝予想として挙げていた方が多いように感じました。地上波でのスタート直前にお送りしたYouTube配信で、柏原さんと神野選手と私のそれぞれ順位を3位まで予想していたのですが……3人とも当てることはできませんでした(笑)。
東京国際大、優勝の影の立役者は?
2年ぶりの大会を、東京国際大学が初出場初優勝という快挙で飾りました。1区山谷昌也選手(3年、水城)が先頭から5秒差の3位で襷(たすき)リレーをし、好スタートを切ると、2区の佐藤榛紀選手(1年、四日市工)も流れに乗り、順位をキープ。3区の丹所健選手(3年、湘南工科大付)で首位に立つと、4区白井勇佑選手(1年、仙台育英)、5区宗像聖選手(3年、学法石川)も先頭を守り抜き、アンカーである6区のイェゴン・ヴィンセント選手(3年、チェビルべレク)が区間賞の走りを見せ、優勝のゴールテープを切りました。
スターターの山谷選手はエース級の実力の持ち主でありながら、昨年度は箱根駅伝のエントリーから外れるなど悔しい思いをしてきた選手で、今季も前半シーズンは苦しい時期が続いたようです。9月に行われた日体大記録会では5000m13分49秒47と自己ベストを更新し、復活を遂げた姿を見せてくれました。
出雲駅伝は距離が短く、前半の出遅れは後半に大きな影響を与えるので、1区で1位と5秒差で襷を繋(つな)いでくれた山谷選手がチームを優勝へ導いた影の立役者のような気がします。副音声で私のお隣にいた柏原さんも「山谷選手の調子が良い!」と絶賛されていました。そんな山谷選手は、日々の練習の中で、同期の丹所選手の活躍がモチベーションになっていたようです。今回チームをトップに押し上げた丹所選手の飛躍を受けて、きっとまた2人は切磋琢磨(せっさたくま)していくのではないでしょうか。東京国際大学のW日本人エースの活躍から今後も目が離せません。
4区を走った白井選手も堅実な走りを見せ、1年生ながら先頭を守り抜きました。ちなみに白井選手、パンを作ることがお好きのようで、将来の夢は世界一おいしいパン屋さんになることだそう。きっと、世界一足が速いパン屋さんになれる気がします。
東京国際大学の武器のひとつは、ヴィンセント選手の他を寄せ付けない圧倒的なスピード。大会でアンカーを務めたヴィンセント選手は、やっぱり強かったですね! 5月に5000m13分15秒15という学生新記録を打ち立て、トラックでは驚異的な強さを今季も見せていましたが、駅伝でも無敵の走りで圧倒しました。そのため今年も、「ヴィンセント選手に襷が渡るときに、前との差が1分くらいだったら逆転で優勝できる」、そんな予想をされていた方も多かったかと思います。
しかし実際には、チームメートが上位をキープ、磨かれた総合力で見事トップに立ち、ヴィンセント選手に襷が渡るという盤石の展開となりました。東京国際大学の皆さん、改めまして優勝おめでとうございます!
「たられば」も考えてしまいますが……
もう一つ、嬉(うれ)しい誤算(?)で言うと、東洋大学。今回は主力選手の欠場により、上位に入ることがあまり予想されていなかった中で、堂々の3位に入る大健闘を見せました。5区の石田洸介選手(1年、東農大ニ)が2位に順位を押し上げ、区間賞。6区の柏優吾選手(3年、豊川)も上級生らしい粘りの走りで、チームを表彰台へ導きました。
チームのキャプテンであり、エースの宮下隼人選手(4年、富士河口湖)、松山和希選手(2年、学法石川)がエントリーから外れていたため、「もし、この2人も走っていたらさらに順位が上がっていたのではないか」という意見を副音声中のチャットで見つけたのですが、東洋大学OBである柏原さんは「確かに2人がいたらもっと強かったかもしれない。けれど2人が出られなかったからこそ、チームに危機感が生まれて、一致団結して、この順位を勝ち取ることができたのかもしれない」とコメント。そのOBらしい分析が私の胸に響きました。
今回の出雲駅伝では、前日に発表された区間エントリーで、宮下選手、松山選手と同様に、駒澤大学の鈴木芽吹選手(2年、佐久長聖)や、早稲田大学の千明龍之介選手(4年、東農大ニ)、さらには東京オリンピック男子3000m障害で日本人初の7位入賞を果たした三浦龍司選手(2年、洛南)といったチームの主力であるランナーがエントリーから外れている様子が多く見られました。「あの選手が走っていれば……」「この区間配置だったら……」とつい、タラレバを想像しがちかもしれませんが、選手の皆さんはどんな状況でも最善を尽くそうと全力でレースに挑んでいることは揺るぎない事実。何が起きるかわからない、最後まで見逃せない最高に見応えがあるレースを作り上げてくれた選手の皆さんが、これから続く駅伝シーズンでどんな走りを見せてくれるのかとても楽しみにしています!
「山の神7」誕生へ!?
今回の出雲駅伝で、山の神と呼ばれるお2人と様々なお話ができたことをすごく嬉しく思います。一番印象に残っているのは、「山の神は今後、新たに誕生してほしいか」という質問に対するおふたりのリアクションです。「7人になったら……山の神7になれる!」と今後増えてほしいという意向を見せてくださいました。山の神7がそろったら、AKB48の「ヘビーローテーション」を踊ってくれるみたいです(笑)。
駅伝のスペシャリストであり、人柄も素敵なお2人とまたお仕事でご一緒できるように私も頑張りたいなと思いました。改めまして、今回副音声を聴いてくださった皆様、本当にありがとうございました!