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連載:バスケ応援団長・カルロスコラム

日大vs.東海大、リーグ優勝決定戦で見えた春からの変化 米須の3Pと大倉の存在感

オータムリーグの王者決定戦の様子をじっくりリポートします!(撮影・全てCSPark)

皆さんこんにちは! 宇宙人イチ大学バスケを愛する(自称)宇宙人、カルロスです。コラム第23回! 早いものでオータムリーグ(関東大学リーグ戦)・インカレチャレンジマッチが終了し、関東からインカレに出場する12チームが決定しました。本当は……本当は面白かったゲームやカルロスが感動したシーン・面白かった選手などなどなどなどを紹介したいのですが、今回は11月7日、オータムリーグの王者決定戦のレポートをしたいと思います。

満員のリリーアリーナ水戸、そこで戦ったのは春の決勝と同じ顔合わせになった日本大学と東海大学。カルロス的な目線も含めてお届けできればと思います! こんなアチィことある?いやない(得意の反語法)。

日大が15年ぶり11回目の優勝 ディフェンスを鍛え、米須玲音らルーキーが爆発

互いに9勝1敗で迎えた最終決戦

先ほども書きましたが、オータムリーグ2021の王者を決める戦いは、スプリングトーナメント決勝と同じ日大vs.東海大のカードになりました。

日大vs.東海大、スプリングトーナメント決勝と同じカードになりました

リーグ戦では、両チームがその強さを見せつけました。日大はスーパールーキー・米須玲音選手(1年、東山)やコンゴロー デイビット選手(1年、報徳学園)を中心にインパクトのあるプレーも見せつつ、全メンバーが強度の高いディフェンスと波に乗ったら止まらない攻撃力で勝利を重ねてきました。

春のMVP・飯尾文哉選手(3年、洛南)の安定感はもちろんのこと、日大の1on1モンスター・鴇田風真選手(3年、八王子学園八王子)やブレイクで誰よりも走る野口侑真選手(2年、川内)など、しっかりとチーム全員の強さが出てる試合が多かったです。そしてそれをまとめる炎のキャプテン若林行宗選手(4年、日大豊山)の熱がよく表現されたチームでした。

春のリベンジとなる東海大は出るメンバー全員がスター! ベンチメンバーとプレータイムをシェアしつつですが、安定感のある強さで勝利を重ねました。中でもカルロスが恐ろしいと思った存在は、リーグからバックアップに加わった大学バスケの最終兵器・佐土原遼選手(4年、東海大相模)です。

スタートを止めたと思っても、佐土原選手が出てきた時の絶望感たるや……。スタート出場・控え出場で求められることは変わってくるので、Bリーグの舞台を見据えるとめちゃくちゃ面白いなと思いました。メンバー層の厚い東海大だからこその恐ろしいローテーションです……。

何よりも絶対的司令塔であり大学バスケのスーパースター! 大倉颯太選手(4年、北陸学院)の復活です。今年2月に全治12カ月の大けがをしましたが、10月31日からオータムリーグに復帰しました。大倉選手の存在はやっぱり大きく、本人のプレーがハンパないのはもちろんのこと、他メンバーのパフォーマンスもグッと変わったなと見ていて感じました。

スプリングトーナメントとの違い、それは東海大に大倉選手がいることです!

前置きはこんなところにしつつ、最終決戦のレポートに入りたいと思います! 面白すぎてマジ激ヤババーニングブリュンヒルデでした!

入りは春と同じ形、それを変えた大倉選手の3P

まず第1クオーター(Q)ですね。立ち上がりのスコアは日大8-0東海大。コンゴロー選手のバスケットカウント、そこに米須選手の華麗なフローターシュートや佐藤大介選手(3年、桐生第一)の3Pシュートで日大が得意のイケイケドンドンオフェンスを展開して流れをつかみ……きれませんでした。ここで仕事をしたのは東海大の復活したスーパースター・大倉選手です。相手に流れがいきそうなところで3Pシュートを沈め、流れを断ち切りました。

正直なところ、ゲームの最初を見ると春と同じ流れだったんですよね……。日大が最初に流れをつかんで東海大が追いかける形です。ここで春と違ったのはそう、東海大に大倉選手がいたことです。

第1Q残り6分30秒くらいに、バックアップとして最終兵器・佐土原選手がコートに立ちます。控えで出てくるのがもう恐ろしい。この後は河村勇輝選手(2年、福岡第一)と大倉選手のホットラインが炸裂(さくれつ)! 合わせもすごかったですが、2ガードで出ていることで互いの負担が減り、コートに安定感がありました。河村選手とかランディジョンソンもビックリの豪速球アシストしてましたからね。気になる方はハイライトをぜひ見てください。

日大は果敢なアタックからフリースローなどで得点を重ね、最強のシックスマン・飯尾選手の3Pシュートでつなぎます! 19-21と東海大リードで第1Qは終わります。

最強のシックスマン・飯尾選手が要所で魅せます

続いて第2Q。東海大はバックアップメンバーが活躍し、なかなか流れを渡しませんでした。残り5分、6点リードのところでコートに戻ってくる大倉選手……ぎいいぃやああぁぁ~!!

第2Qで光ったのは東海大のディフェンスでした。春にやられたコンゴロー選手のインサイドのケア、そして流れを作った飯尾選手や野口選手などフォワード陣へのプレッシャーも段違いでした。インサイドは徹底したヘルプディフェンンス・フォワード陣へはドライブの警戒。これがリーグ戦の恐ろしいところです。大会期間を通してチームが成長し、相手へのスカウティングも準備してきます。30-44、東海大リードで前半終了です。

インサイドでは八村選手(左)とコンゴロー選手が激突

東海大が激しいディフェンスからブレイクへ

第3Qは大倉選手の3Pシュートが火を噴いてスタート! そこから日大がコンゴロー選手のインサイドや米須選手の3Pシュートで9点差まで追いつきます。しかしその後、前日の筑波大学戦でノリノリだった日大のシュートがなかなか決まらず2分が経過。この追い上げムードを止めたのは“俺たちの佐土原”でした。バスケットカウントに3Pシュート、そしてスティールから八村選手へのアシスト! これが最終兵器タイムです。1人の男が日大ウェーブをせき止めました。彼はダムのような選手です。44-60、東海大リードで最終Qへ入ります。

坂本選手は控えながら、キラリと光るプレーを見せてくれました

第4Qは坂本聖芽選手(4年、中部大第一)のスーパーダブルクラッチが炸裂! 陸川章監督もウンウンとうなるくらいのビッグプレーでした。そこからは鴇田選手のシュート、コンゴロー選手のスラムダンクが決まり10点差へ。ここからが我慢の時間帯でした。両チームなかなかシュートが決まらず残り5分、東海大が激しいディフェンスからブレイクへ! 八村選手のシュートが決まり、そこからたたみかけるように大倉選手のシュート。河村選手のスティールからのアンスポーツマンライクファウル。そしてまた八村選手! 豪快なダンクで18点差までリードが開きました。

勝負の分かれ目は、この東海大のオールコートディフェンスだったのかなとカルロスは思います。プレータイムをシェアしつつ、終盤まで強度の落ちない守備力で東海大スタイルを遂行してきました。

最後は米須選手の3Pシュート無双! 春の時点で外はあまり得意ではないとスカウティングされていたと本人も言っていました。そこからチームのため、自身の成長のために、リーグまでの期間に外のシュートをみっちり練習してきたそうです。結果的に試合を通して3Pシュート6/9、20得点のパフォーマンスでした。この最終決戦の舞台でそれを披露するのはマジですごいことだと思います! しかも米須選手はまだルーキーです。

米須選手がこの秋のために鍛えてきた3Pで食い下がりました

最終スコアは日大 59-77 東海大。東海大が3年ぶり6回目の優勝を決めました! 春の決勝のスコアは 日大 61-57 東海大。カルロスの超安易な考えですが、今回の勝利の要因は、春にはいなかった大倉選手の存在なんじゃないかなと思います。第1Q最初の相手を勢いに乗らせない3Pシュート。あのゲームの流れを変えるようなシュートを決められるのが、大倉選手なんだなと思いました。

いや本当に両チームすごかったです! 日大も春の優勝が決してまぐれなんじゃないということを証明するリーグ戦でした。そして皆さん忘れないで下さい。この2チームに1敗をつけた大東文化大学というチームがいることを! インカレもどうなるか分かりません。超楽しみです!

歓喜する仲間たちの端で1人涙する最終兵器

さて、今回もコラムを読んでいただきありがとうございました! 余談ですが、試合終了後、東海大メンバーが鬼喜びを見せた後、佐土原選手が1人で涙を流していました。春のトーナメントを含め、大倉選手が復帰するまで気持ちを全面に出してプレーしていました。今シーズン初タイトルに感じるものも多かったのかなと思います。

大会MVPは人知れず涙を流していました

インカレは12月6日開幕! もうすぐですね。CSParkではいろんな動画を出していくのでお楽しみに! 改めて、リーグ戦を戦い抜いたたくさんのチーム、お疲れ様でした! そして佐土原選手、リーグMVPおめでとうございます!!

バスケ応援団長・カルロスコラム

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