カリU20世界選手権で、NGT48の西村菜那子が注目する長距離選手たち
みなさん、こんにちは! NGT48西村菜那子です。8月1日~6日にカリ(コロンビア)にて、U20世界陸上競技選手権大会が開催されますね。7月15日開幕のオレゴン2022世界選手競技選手権大会も熱いですが、こちらも盛り上がること間違いなしです!
昨年のナイロビ(ケニア)U20世界選手権は新型コロナウイルスの影響により、日本代表選手団の派遣が中止となってしまいましたが、今年は無事に派遣されるとのこと。今年は男子26名、女子9名の選手がカリの舞台へ挑みます。今回は、日本代表選手団の中から私が特に注目している選手をご紹介します。
※7月15日、日本陸連は男子1500mの大塚直哉(立教大1年、豊川)が出場を辞退したことを発表。辞退理由は「左脛骨疲労骨折と診断されたため」
U20日本選手権を制した高校生
まず1人目は、3000m、5000mで代表選出された佐久長聖高校(長野)の吉岡大翔選手(3年)です。もう今では言わずと知れた高校陸上界のエースランナーですね。これまで数々の大会で結果を残してきた吉岡選手ですが、6月9日~12日に大阪・ヤンマースタジアム長居で開催されたU20日本選手権が皆さんの記憶に新しいかと思います。男子5000mに出場した吉岡選手は唯一の高校生ながら、大学生ランナーを破る堂々とした走りで見事優勝を果たし、陸上界から多くの話題を集めました。
私が吉岡選手のことを知ったのは、2020年の全国都道府県対抗駅伝でした。当時、吉岡選手は川中島中学校(長野)の3年生。長野県が優勝を飾った年です。中学生区間の3区、3位で襷(たすき)を受けた吉岡選手は区間新記録のペースで走り、首位に浮上。長野県優勝を一気に手繰り寄せる、圧巻の走りを披露しました。当時、中学生のランナーまでを注目していなかった私は、まさか自分の地元である長野県の中学生にこんなに強いランナーがいたのかと、とても驚いたことを覚えています。
あれから、2年半以上が経過していますが、今でも第一線で活躍し続けている吉岡選手を同じ信州人として誇りに思います。そんなこともあって、個人的に進路が気になるところです。早すぎるかもしれませんが、吉岡選手が高校1年生の頃から、「どういう進路に進むのだろうか」と考えておりました。これも陸上好きあるあるなのでしょうか(笑)。
駅伝でもトラックでも、どんなレースであろうと常に冷静さを保ち、自分を崩さない走りを披露する吉岡選手は、「速さ」以上に「強さ」が際立っている印象があります。世界の舞台でも、持ち前の「強さ」を生かして、ご自身が目標としている入賞が叶(かな)うことを願っています!
その走りに“ポスト三浦龍司”を期待
2人目は、3000m障害(SC)で選出された青山学院大学の黒田朝日選手(1年、玉野光南)です。青山学院大学は駅伝のイメージがやはり強いですが、駅伝だけではなく中距離から長距離まで各種目に有力選手が揃(そろ)っています。5月19日~22日に行われた関東学生陸上競技対校選手権(関東インカレ)では、中長距離すべての種目で表彰台に上がるなど、その強さは今年も健在です!
黒田選手は関東インカレで、男子2部3000mSCに出場し、序盤から先頭付近でレースを進め、 1年生ながら3位に入りました。惜しくも優勝は逃してしまいましたが、中盤は単独トップに立ち、レースを牽引(けんいん)する場面があるなど、怯(ひる)むことなく果敢に攻めていく思い切りのいい走りに「怖いもの知らずのルーキー」らしさを感じ、とても応援したくなる走りでした。大学陸上界での3000mSCといえば順天堂大学の三浦龍司選手(3年、洛南)を思い浮かべるかと思いますが、黒田選手にゆくゆくは“ポスト三浦龍司”になってほしいなぁなんて密かに願っております。
ちなみに、黒田選手のお父さまは大学時代、法政大学で箱根駅伝にも出場されていた元陸上選手で、そんなお父さまの下で生まれ育った黒田選手はまさに陸上界のサラブレッド。お父さまは1年生の時に1区を任され区間3位、2年生でも同じく1区を走り区間6位、4年生では3区で区間4位と、出場した箱根駅伝3大会すべて区間一桁順位という成績を残しました。駅伝好きとしては、3000mSCでの活躍はもちろん楽しみですが、いつか箱根駅伝にも出場している黒田選手の姿も見られたら嬉(うれ)しいです。
このU20世界陸上で出場した選手の方々が今後、箱根駅伝や富士山女子駅伝、実業団さらにはオリンピックで活躍していくことかと思います。日本を飛び出し、世界の舞台を踏む若きランナーの走りに注目していきましょう!
暑い日が続いていますが、選手のみなさんも、読者のみなさんも、どうかご自愛ください。