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連載:アメフト応援団長・コージコラム

対戦相手は誰も手を抜かず「ありがたかった」 コージ・トクダ単独インタビュー(下)

「SUNSならではのやるべきことはやりました」(撮影・浅野有美)

Xリーグ「X1 SUPER」のotonari福岡SUNSに所属する、タレントのコージ・トクダさんが3月1日に、今季限りでの現役引退を明らかにしました。4years.では引退に合わせて、単独インタビューを実施。前後編の2回に分けてお伝えします。後編はチームで取り組んだことや、アメリカンフットボールに対する今後の向き合い方について尋ねました。

選手復帰3年目を終え「やり切った」引退表明のコージ・トクダ単独インタビュー(上)

今どこのチームに入れるとしても、またSUNSに

――otonari福岡SUNSに入って良かったと思うことは、何ですか。

コージ:アメリカンフットボールを本当に好きな人たちと一緒に、アメリカンフットボールを盛り上げるために悩みながら、一歩一歩前進する経験は、福岡SUNSでしかできなかっただろうなと思います。もし今、「どこのチームにも入れる」となっても、もう1回同じチームに入るだろうなという思いです。

――コージさんが加入したことで、チーム内の雰囲気も変わった面があるのでしょうか。

コージ:変わってほしいという思いはありました。チームとしてもYouTubeを活発にしたり、17LIVEをやってみたり、いろんなチャレンジをして、実際に見に来てくれた人たちが、試合の空間を楽しんでもらうためには、どうしたらいんだろうということを一緒に悩んできました。みんなそれについて考える時間が増えたと思います。最初に比べたら大きく変わったんじゃないかな。実際にお金を払って見に来てくれているので、「行ってよかった」と思ってもらえるのが一番いい。「また行きたいな」が次のレベルだと思います。試合内容は、初めて見た人にとっては難しいところもあるじゃないですか。「いま、何が起こっているんだろう」というのが多いので、「それを抜きにしても楽しめるスポーツだよ」ということを意識していました。試合後の握手会とか、グッズを渡すとか、写真撮影とかに注力してやっていた部分があるので、SUNSならではのやるべきことは、やったと思います。

試合の空間を楽しんでもらうため試行錯誤した3シーズンだった(提供・otonari福岡SUNS)

――逆にコージさんが気付かされたことはありますか。

コージ:アメリカンフットボールというものを、どうすれば一般の方々に認知していただけるのかという難しさは、感じました。見に来てくださる方は、ある程度ルールを勉強してこられるけど、単にふらっと見に来てくれた方には、どのようにして楽しんでもらえるのか。万人に受け入れられるものにするには、どうしたらいいのか。たとえば渋谷で「アメリカンフットボールってどういうイメージですか?」と聞いたときに、ちょっとでも「見たことある」「名前を聞いたことがある」という人たちを増やしていくのが、これからのフェーズじゃないかなと思っています。今はSNSの時代でもあるので、選手からしたら普通のことでも、世の中からしたら普通じゃないことって、たくさんあると思います。たとえば僕らで言えば、2人が向かい合ってちょっとした距離から「バチーン」と体をぶつけ合う「1on1(ワンオンワン)」をSNSに投稿してみるとか。そこから「じゃあ見に行ってみよう」となるかもしれない。本当に細かいところから取り組んでいくべきだと思っています。

起爆剤があれば、ラグビーのようになれる

――選手としてやり残したことはありませんか。

コージ:3年間は短かったですけど、自分の体が許す限り、できることはやりました。明らかにレギュラーメンバーたちと力の差がついている上で試合に出るということを、僕はしたくなかった。本気で、真摯(しんし)にアメリカンフットボールと向き合いたかったので、話題のために出るということはしたくなかったので、あと何年か続けていたら、おそらくそうなってくるだろうと。山口百恵さんじゃないですけど、元気なときに引退というイメージです。

――実際に「話題のため」という周囲の声もあったのですか。

コージ:それである意味、話題になってくれたらいいかという思いはありましたけど、実際にやりだすと選手としてプライドもありますし、「全然実力ないのに試合に出ている」と思われるのも嫌だったので、必死でした。体同士がぶつかるスポーツで、対戦相手は誰ひとりとして手を抜いていなかったですね。こっちが「ちょっと抜いてくれや」と思うぐらいです。それはそれで、ありがたいんですけど(笑)

「実力がないのに試合に出ていると思われるのも嫌だったので必死でした」(撮影・浅野有美)

――今後はアメリカンフットボールにどう関わっていく予定ですか。

コージ:アメリカンフットボールって何か起爆剤があれば、ラグビーのようになれると思っています。ラグビーもちょっと前まで肩を並べて「俺らマイナースポーツ同士頑張ろうぜ」みたいな感じだったと思うんですけど、2015年のワールドカップ以降、人気が出てきちゃって。あれはワールドカップがあったからですけど、そういう試合がアメフトにもあれば、そこで「日本はすごいんだ」ってなったら見に来てくれる人も増えるでしょうし、アメリカンフットボールを応援したいという思いは変わらずあります。この3年間で培った思いを持ちながら、外から「アメリカンフットボールはどうしたらいいんだろう」「どういう楽しみ方があるんだろう」というのを発信できたらと思います。

コージさん、3年間の選手生活、お疲れ様でした!
4years.では今後も「アメフト応援団長」として、ご活躍いただく予定です。引き続き、よろしくお願いします。

アメフト応援団長・コージコラム

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