陸上・駅伝

特集:第56回全日本大学駅伝

全日本大学駅伝チームエントリー・シード8校編 4連覇中の駒澤大に立ちはだかるのは

前回の全日本で4連覇を果たし、記念撮影に応じる駒澤大の選手たち(撮影・吉田耕一郎)

11月3日に開催される第56回全日本大学駅伝のチームエントリー(暫定版)が発表された。8区間106.8kmで争われ、現時点で各チーム16人まで登録されている。この記事では昨年シード権を獲得した8校の登録選手を紹介する。丸括弧後ろのタイムは10000mの自己ベストで、持ちタイムがない場合は5000mの自己ベストを記載している。

今後は10月31日に全8区間の配置と補員5人を登録する「メンバーエントリー」が締め切られ、大会当日の朝に「メンバー変更」がある。

【区間エントリー】シード校編 鶴川正也・青木瑠郁2区、吉居駿恭7区
【区間エントリー】関東地区推薦7校編 花岡寿哉と山口智規が2区対決
【区間エントリー】関東以外編 青学からの編入生・石鍋颯一は4区

前回優勝 駒澤大学

史上初の大会5連覇を狙う駒澤大学は、主将の篠原倖太朗が9月末の「Yogibo Athletics Challenge Cup 2024」男子5000mで13分15秒70の好タイムをたたき出し、チームを勢いづけている。山川拓馬や伊藤蒼唯といった優勝を知るメンバーも順当にエントリー。前回大会のMVPで、ケガの影響で出雲駅伝には登録されていない佐藤圭汰もエントリーされており、今後の動向が注目される。

金谷紘大(4年、駒澤大高)28分56秒03
篠原倖太朗(4年、富里)27分35秒05
宮城珠良(4年、花咲徳栄)29分15秒14
吉本真啓(4年、世羅)29分08秒71
伊藤蒼唯(3年、出雲工業)28分28秒15
帰山侑大(3年、樹徳)29分17秒19
佐藤圭汰(3年、洛南)27分28秒50
森重清龍(3年、高川学園)14分05秒31
山川拓馬(3年、上伊那農業)28分36秒98
山口真玄(3年、花輪)14分00秒31
小松聖(2年、秋田工)14分24秒39
島子公佑(2年、伊賀白鳳)13分50秒82
村上響(2年、世羅)14分00秒88
安原海晴(2年、滋賀学園)29分05秒31
桑田駿介(1年、倉敷)28分59秒87
谷中晴(1年、帝京安積)14分00秒33

昨年の全日本でMVPに輝いた駒澤大の佐藤圭汰(撮影・金居達朗)

前回2位 青山学院大学

年始の第100回箱根駅伝で総合優勝の立役者となった太田蒼生や、青学大で初めて10000m27分台を出した黒田朝日、スピードランナーの鶴川正也ら、充実の顔ぶれとなった。ルーキーでは昨年のインターハイ男子5000mで優勝を果たした世代屈指のスピードランナー・折田壮太がメンバー入り。大学駅伝デビュー戦となるかも注目される。

太田蒼生(4年、大牟田)28分20秒63
白石光星(4年、東北)28分23秒99
田中悠登(4年、敦賀気比)28分35秒60
鶴川正也(4年、九州学院)29分30秒48
野村昭夢(4年、鹿児島城西)29分39秒23
若林宏樹(4年、洛南)28分25秒71
宇田川瞬矢(3年、東農大三)28分43秒70
黒田朝日(3年、玉野光南)27分52秒02
塩出翔太(3年、世羅)29分20秒91
皆渡星七(3年、関大北陽)28分49秒30
熊井渓人(2年、須磨学園)30分08秒43
平松享祐(2年、中部大一)28分59秒29
安島莉玖(1年、大垣日大)13分48秒45
遠藤大成(1年、佐久長聖)13分58秒03
折田壮太(1年、須磨学園)13分28秒78
黒田然(1年、玉野光南)13分57秒12

関東インカレ男子2部ハーフマラソンで日本人トップとなった青山学院大の太田蒼生(撮影・井上翔太)

前回3位 國學院大學

今年2月の大阪マラソンで日本学生記録と初マラソン日本最高記録で優勝した主将の平林清澄を筆頭に、3月の学生ハーフマラソン覇者の青木瑠郁やチーム屈指のスピードランナー山本歩夢ら、頂点を十分に狙えるメンバーがそろった。箱根駅伝総合優勝を掲げるシーズン。チーム最大の目標につなげるためにも、2大会前の最高順位「2位」を超えたい。

原秀寿(4年、新居浜東)29分26秒05
平林清澄(4年、美方)27分55秒15
山本歩夢(4年、自由ケ丘)28分16秒92
青木瑠郁(3年、健大高崎)28分02秒00
上原琉翔(3年、北山)28分16秒76
嘉数純平(3年、北山)28分40秒16
鎌田匠馬(3年、東海大山形)
高山豪起(3年、高川学園)28分25秒72
田中登馬(3年、豊川)28分45秒92
後村光星(2年、仙台育英)28分30秒39
田中愛睦(2年、八千代松陰)28分56秒95
辻原輝(2年、藤沢翔陵)28分27秒93
野中恒亨(2年、浜松工業)28分17秒98
飯國新太(1年、國學院久我山)28分49秒49
岡村享一(1年、城西大城西)29分44秒65
尾熊迅斗(1年、東京実業)

今年の大阪マラソンを制した國學院大の主将・平林清澄(撮影・田辺拓也)

前回4位 中央大学

10月19日に開催される箱根駅伝予選会にはエントリーされなかった吉居駿恭、溜池一太、柴田大地といったチームの主力が、全日本ではエントリーされた。吉居大和、中野翔太、湯浅仁ら強力な世代が卒業したシーズン。駅伝経験が豊富な阿部陽樹に5月の関東インカレ男子1部ハーフマラソンで3位に入った白川陽大らの力を融合させて、上位進出を狙う。

阿部陽樹(4年、西京)28分26秒58
浦田優斗(4年、國學院久我山)28分54秒53
東海林宏一(4年、山形南)28分48秒48
山平怜生(4年、仙台育英)28分51秒87
白川陽大(3年、大塚)28分45秒07
溜池一太(3年、洛南)27分52秒38
吉居駿恭(3年、仙台育英)28分06秒27
吉中祐太(3年、豊浦)28分55秒93
柴田大地(2年、洛南)28分47秒69
鈴木耕太郎(2年、國學院久我山)29分04秒42
本間颯(2年、埼玉栄)28分33秒76
岡田開成(1年、洛南)28分38秒30
佐藤大介(1年、埼玉栄)28分53秒06
七枝直(1年、関大北陽)29分14秒56
並川颯太(1年、洛南)28分34秒36
原田望睦(1年、東農大二)29分18秒45

関東インカレ男子1部ハーフマラソン3位の中央大・白川陽大(撮影・井上翔太)

前回5位 城西大学

下級生の頃から駅伝で活躍し、ともに10000mで27分台のタイムを持っている斎藤将也とヴィクター・キムタイがチームの中心。主将の平林樹も関東インカレ男子1部10000mで28分03秒13の自己ベストを出し、日本人トップ(全体2位)に入った実力者。久保出雄太は同好会からスタートし、大学1年の秋に駅伝部に入った異色のランナーだ。

伊藤大晴(4年、島田)30分11秒68
片渕大晴(4年、東海大福岡)30分47秒95
久保出雄太(4年、小松大谷)29分06秒79
林晃耀(4年、いわき総合)29分26秒31
平林樹(4年、拓大一)28分03秒13
岩田真之(3年、鳥取城北)29分17秒91
斎藤将也(3年、敦賀気比)27分59秒68
桜井優我(3年、福岡一)28分57秒38
鈴木健真(3年、一関学院)28分53秒43
山中達貴(3年、西脇工業)29分37秒65
ヴィクター・キムタイ(3年、マウ)27分41秒04
小田伊織(2年、西脇工業)29分55秒10
柴田侑(2年、滋賀学園)13分51秒40
中島巨翔(2年、藤蔭)29分07秒40
小林竜輝(1年、鹿島学園)29分52秒77
三宅駿(1年、四国学院大香川西)29分26秒90

昨年の全日本では城西大のキムタイ(左)から斎藤へ襷リレー(撮影・浅野有美)

前回6位 創価大学

箱根駅伝で「山の神」をめざす吉田響と主将を務める吉田凌の「W吉田」が、チームを引っ張る。吉田響は前回の全日本で5区の区間記録を塗り替え、アンカーだった吉田凌は襷(たすき)を受けた際にもつれていたシード権争いをしっかりと勝ちきった。成長著しい小池莉希や、ラストイヤーにして出雲駅伝で3大駅伝デビューを果たした小暮栄輝の走りも注目される。

小暮栄輝(4年、樹徳)28分32秒28
吉田響(4年、東海大静岡翔洋)28分12秒01
吉田凌(4年、学法石川)28分36秒30
若狭凜太郎(4年、遊学館)29分11秒27
石丸惇那(3年、出水中央)28分27秒87
黒木陽向(3年、九州学院)28分52秒26
野沢悠真(3年、利府)28分47秒63
織橋巧(2年、中京)28分41秒25
川上翔太(2年、市船橋)29分20秒28
小池莉希(2年、佐久長聖)28分26秒33
齊藤大空(2年、利府)28分45秒97
スティーブン・ムチーニ(2年、ミクユニ)27分41秒52
石丸修那(1年、出水中央)30分00秒77
齋藤一筋(1年、学法石川)13分56秒21
山口翔輝(1年、大牟田)29分26秒27
ソロモン・ムトゥク(1年、キャングマ)29分03秒64

箱根駅伝で新たな「山の神」をめざしている創価大の吉田響(撮影・吉田耕一郎)

前回7位 大東文化大学

前回18大会ぶりにシード権を獲得したときの出走メンバーでは、大谷章紘、西川千青、西代雄豪、ピーター・ワンジル、入濵輝大の5選手が残る。4年生が中心となるほか、仙台育英高校3年時に10000mで28分33秒58をマークしたルーキーの大濱逞真やケニアからの留学生エヴァンス・キプロップといった新戦力の台頭も期待される。

大谷章紘(4年、水城)28分39秒29
小田恭平(4年、水戸葵陵)28分21秒59
佐々木真人(4年、大東大一)29分25秒33
西川千青(4年、九州国際大付)28分19秒58
西代雄豪(4年、桶川)28分54秒49
ピーター・ワンジル(4年、仙台育英)28分25秒20
赤星龍舞(3年、埼玉栄)29分26秒71
入濵輝大(3年、瓊浦)28分13秒80
西村悠誠(2年、東海大札幌)29分32秒41
宮倉騎士(2年、遊学館)29分25秒74
棟方一楽(2年、弘前実業)28分32秒36
大濱逞真(1年、仙台育英)28分33秒58
エヴァンス・キプロップ(1年、セントピーターズカプケチャ)28分29秒35
清水雄翔(1年、慶誠)29分06秒10
中澤真大(1年、埼玉栄)28分37秒39
松浦輝仁(1年、坂戸西)29分00秒89

年始の箱根駅伝で1区を任された大東文化大の西川千青(撮影・佐伯航平)

前回8位 東京国際大学

10000mの日本学生記録を持つリチャード・エティーリと、アモス・ベットの両留学生が強力で、本戦はどちらが出走するか。10000m28分台ランナーの木村海斗、佐藤榛紀といった4年生にも力があり、白井勇佑の復活も待たれる。シード校の中では中大とともに本戦前には箱根駅伝予選会を控えており、疲労の軽減や気持ちの切り替えも順位を占う上でのポイントとなる。

大林洸己(4年、須磨学園)29分14秒02
木村海斗(4年、狭山経済)28分21秒24
楠木悠人(4年、小林)29分03秒72
佐藤榛紀(4年、四日市工業)28分13秒02
白井勇佑(4年、仙台育英)28分27秒45
冨永昌輝(4年、小林)29分02秒28
益田郁也(4年、千原台)29分29秒20
大村良紀(3年、浜松商業)29分34秒34
川内琉生(3年、鎮西学院)29分43秒48
菅野裕二郎(3年、学法石川)29分33秒31
中山拓真(3年、青森山田)29分27秒17
アモス・ベット(2年、イテンミックスデイ)27分48秒00
久保遼人(2年、大牟田)29分01秒92
松田拓也(2年、韮山)29分48秒14
リチャード・エティーリ(2年、シル)27分06秒88
小柴裕士郎(1年、水城)29分00秒15

東京国際大の佐藤榛紀は前回の全日本で地元を走った(撮影・佐伯航平)

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