陸上・駅伝

連載:西村菜那子の大学陸上もっと推し活!!!!

特集:第101回箱根駅伝

箱根駅伝で4代目「山の神」誕生の予感! 西村菜那子が注目する5区山登り候補たち

左から若林宏樹選手(撮影・井上翔太)、吉田響選手(撮影・藤井みさ)、山川拓馬選手(撮影・佐伯航平)、斎藤将也選手(撮影・浅野有美)

皆さんこんにちは!

第101回箱根駅伝がまもなく幕を開けます。2024年も残りわずかとなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 16人のエントリーメンバーも発表され「どの選手がどの区間を走るのか」、胸を膨らませながら想像している方も多いと思います。

私の注目ポイントは、例年以上に熱くなるであろう5区の山登り対決です。

先日、前回大会上位5チームの監督が登壇する「トークバトル」が開催されました。その場で國學院大學の前田康弘監督が、5区にエースで主将の平林清澄選手(4年、美方)起用を示唆。5区に各チームのエース級ランナーが集結することが予想され、白熱した戦いが見られるのではないかと楽しみにしています。

そこで今回は、私が注目している4代目「山の神」候補のランナーを紹介します! ぜひ皆さん、最後までご覧ください。

平林清澄は5区? キムタイと佐藤圭汰は1区? 箱根駅伝「トークバトル」で探り合い
第101回大会は5区が熱いと予想しています!(撮影・齋藤大輔)

若林宏樹選手・吉田響選手は最後の挑戦

まずは青山学院大学の若林宏樹選手(4年、洛南)。言わずもがな「若の神」です!

過去に5区を2度走り、1年時は区間3位、3年時は新記録での区間2位。経験と実績は十分です。

今年10月の出雲駅伝では、5区で区間5位と上位で走ったものの、先頭から離されてしまう悔しい結果に。続く11月の全日本大学駅伝には出走せず、状態が不安視されましたが、11月23日のMARCH対抗戦で10000m27分59秒53と自己ベストを大幅に更新。改めて存在感を示しました。

大学限りで競技生活に終止符を打つことを公言している若林選手。「若の神」から「山の神」へ。自身の集大成となる箱根駅伝での活躍に注目したいです。

若林選手は前回の5区で区間記録を更新し、往路優勝に貢献(撮影・藤井みさ)

2人目は創価大学の吉田響選手(4年、東海大静岡翔洋)です。

「山の神になりたい」と自身のXアカウントでも公言している吉田選手は、若林選手と同様に過去2度、5区を経験。1年時は区間2位の好走を見せ、チームの順位を17位から10位に押し上げました。前回大会は本来の力を発揮できませんでしたが、それでも区間9位と1桁順位にまとめました。

11月末に創価大学の寮へ行き、吉田選手にお話を聞くことができました。変わらぬ5区への意気込みと「山の神」への熱い思い。タイムとしては、68分台を目指していることも話してくださいました。

今シーズンは出雲駅伝2区区間賞、全日本大学駅伝2区区間2位と好調な吉田選手。入学当初から目指した「山の神」最後の挑戦を見守りたいと思います。

駅伝シーズン好調の吉田響選手、全日本では2区区間2位の激走でした(撮影・佐伯航平)

上りへの適性を見せている山川拓馬選手・斎藤将也選手も注目

3人目は駒澤大学の山川拓馬選手(3年、上伊那農業)です。全日本大学駅伝でアンカーを務め、青山学院大学との約2分半差をひっくり返した猛追は、皆さんの記憶にも刻まれていると思います。

そんな山川選手も箱根駅伝では5区を希望しています。1年生のときに山登りを務めて区間4位。2年時は4区を任され、区間6位でした。好成績を収めている印象ですが、今月上旬にオンラインインタビューをさせていただいた際、「1、2年の箱根の区間順位が悪すぎたので、チームに恩返しがしたい」と話され、自分に厳しく、ストイックな姿勢が見受けられました。調子は絶好調で、自信に満ちあふれているようでした。

長野県上伊那郡箕輪町出身で、幼少期から山に囲まれて育ったという山川選手。信州の山から、箱根の「山の神」と命名される走りを期待したいと思います。

山川選手は前回の箱根4区で悔しい思いを経験、雪辱を期します(撮影・佐伯航平)

私が最も「4代目山の神」候補として注目しているのは、城西大学の斎藤将也選手(3年、敦賀気比)です。チームのエース格である斎藤選手は、箱根駅伝で2年連続2区に出走しています。

城西大学の5区は過去2大会連続で「山の妖精」と呼ばれた山本唯翔選手(現・SUBARU)の印象が強いですが、さかのぼること2年前「箱根駅伝5区前哨戦」とも言われる「激坂最速王決定戦2022」登りの部で山本選手に約1分差をつけて優勝したのが斎藤選手でした!

上りの適性は、1年生の頃から十分に見せています。今回の箱根駅伝では、2区を走り続けた斎藤選手が満を持して5区にエントリーされるのではないでしょうか。

箱根駅伝の「仮想5区」 激坂最速王決定戦を実際に走って、現状打破してきました!
斎藤選手は過去2大会連続で2区に出走、今回は果たして(撮影・藤井みさ)

順大ルーキーや「山の名探偵」の活躍にも期待!

このほか順天堂大学のルーキー川原琉人選手(1年、五島南)や、メガネがトレードマークで「山の名探偵」と呼ばれる早稲田大学の工藤慎作選手(2年、八千代松陰)など、5区での活躍に期待が集まる選手が多くいます。

箱根駅伝の区間配置は読めないことが多く、意外な選手が5区で活躍するケースもあります。

たとえば2014年の第90回箱根駅伝。東洋大学でチームのエースだった設楽啓太選手(西鉄)が2区を走るだろうと予想されていた中、5区を任され、区間賞を獲得した際は陸上界に衝撃が走りました。懐かしいですね!

今井正人さん、柏原竜二さん、神野大地さんに続く4代目「山の神」の誕生に期待して、2025年のお正月を楽しみたいと思います!

西村菜那子の大学陸上もっと推し活!!!!

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