八潮市内一周駅伝に国士舘大学がゲスト出場、M高史も「現状打破チーム」を作り参戦!
今回の「M高史の陸上まるかじり」は1月26日に開催されました「第60回八潮市内一周駅伝」のお話です。埼玉県八潮市で開催され、6区間20.0kmで襷(たすき)をつなぐ市民駅伝大会。今年は国士舘大学陸上競技部がゲストで出場し、私、M高史も大学生の皆さん、高校生の皆さんとゲストチームを組んで参戦させていただきました。
2018年には川内優輝選手が1人で走破!
2018年の第53回大会では、当時埼玉県庁の所属だった川内優輝選手(現・あいおいニッセイ同和損保)がゲストとして出場し、1人で全区間を走られました。1時間01分03秒で走破し、なんとトップの駅伝チームよりも早くフィニッシュ。優勝タイムは例年1時間01分前後ということで、1kmで換算すると3分03秒前後。市民駅伝としては非常にハイレベルで、白バイの先導もあり、全チームが制限時間の1時間40分以内で帰ってきます。
今年は国士舘大学がゲストチームとして3チームを組んで参戦。第101回箱根駅伝は9大会ぶりに出場を逃しましたが、過去52度の箱根出場を誇ります。2月2日に開催される日本学生ハーフマラソン(今年から香川丸亀国際ハーフマラソンと併催)や神奈川ハーフマラソンに向け、練習の一環での出場となりましたが、国士舘大学Aが58分39秒、Bが58分46秒、Cが59分05秒。オープン参加ながら、3チームが1時間を切るタイムで上位を独占しました。
また、大学駅伝経験者も多数出場されていて、東洋大学時代に全日本大学駅伝の1区や箱根駅伝の2区で区間賞を獲得された三行幸一さんも出走。世代が近いM高史としては、テンションが上がります! 駒澤大学OBでは西澤佳洋さん、染谷滉二さんも走られ、2人が所属する松戸市陸協は一般の部で準優勝。競技を引退されてからも、走るのが好きで続けている姿を見るとうれしくなりますね!
お世話になった皆さんや公募に応じてくれた選手とチーム結成!
そしてM高史は今大会のゲストランナーを務めさせていただいたのですが、事前に大会事務局と相談し、ゲストチームとして大学4年生、高校3年生の皆さんと一緒に襷をつなぐことになりました。部活訪問や取材などでお世話になった皆さんやSNSで公募して立候補してくれた選手たちと一緒に、「現状打破チーム」として参戦しました。
メンバーは亜細亜大学の髙橋朱穂選手(4年、本庄第一)、流通経済大学から象潟透選手(4年、八潮)、駒大高校からは谷大智選手、黒川温流選手、松井優那選手。そしてM高史の6人です。
亜細亜大学の髙橋選手は全日本大学女子駅伝や富士山女子駅伝でエース区間を担い、昨年末の富士山では5区で6人抜き。亜細亜大学にとってチーム最高順位となる10位に大きく貢献した選手です。
流通経済大学の象潟(きさがた)選手は流通経済大学の陸上競技部中距離ブロックで800mに取り組んできた選手で、地元の八潮高校出身。高校時代にも八潮市内一周駅伝で区間賞を獲得したことがあります。
駒大高校の松井選手は全国高校駅伝で2区を走り、駒大高校女子の都大路初出場となる舞台を駆け抜けました。谷選手、黒川選手も強豪・駒大高校で3年間、選手としてコツコツと記録を伸ばしてきました。
大学4年間あるいは高校3年間で少しでも思い出になっていただけたらと、感謝と恩返しの気持ちを持って出場。我ら「現状打破チーム」はオープン参加のため、順位はつきませんが、設定タイムを上回る1時間06分29秒で一般の部では3位相当でフィニッシュしました。
僕も1区を走り、2区の髙橋選手に襷をつなぎました。個人レースとは違って、中継所でチームメートが待っているとキツくても粘れるなど、力以上のものが出るんだなと感じました。やっぱり駅伝は楽しいですね!
国士舘大学の皆さんにインタビューしました
レース後、ゲストチームで参加された国士舘大学の皆様にお話を伺いました。
国士舘大学・小川博之駅伝監督
「学生ハーフ、神奈川ハーフに向けた調整でした。今日は久しぶりのレースでしたし、駅伝という形でやれたので、いい刺激になったと思います。襷をつなぐということで元気をもらえたと思いますし、力になったと思います。チームとして箱根がない形は9年ぶりでした。2月のハーフをモチベーションに、正月も休みなしで2日、3日は補助員をして、4日から距離走をやってきました」
2025年の目標について「まずは箱根予選会です。確実にやっていかなきゃいけないので、とにかくしっかり通ることです。思えば昨年は隙があったのかもしれません。暑さもあって、その対策がうまく作戦として出せなかったかなというところがありました。今は一気にレベルが上がっていて、どこが落ちてもおかしくないですね。まずはコツコツと一人ひとりが確実に走れるようにしていきたいです」
駅伝主将 川勝悠雅選手(3年、洛南)
「私たちの学年にしか、箱根を走ったことのある選手がいないので、後輩たちが箱根を経験できるように盛り上げていきたいです。(主将として)準備やアップなどから声をかけています。(八潮市内一周駅伝は)活気がある駅伝でした。地域の方からの声かけもありがたかったです」
今後の目標について「まずは箱根予選会突破です。チームで協力して突破していきたいです。国士舘大学の伝統である集団走を前回は後半できていなかったので、練習からまとまって、チームで勝てる国士舘大学を目指していきたいです」
勝部愛大選手(3年、米子松蔭)
「いまは故障からの復帰段階なのですが、神奈川ハーフに向けていい刺激になりました。チーム全体の雰囲気も良く、いい意味で学年全員で仲が良いチームです。(今後は)故障せずに、箱根予選会を通過することと、箱根に出て国士舘のユニホームを見せていけたらと思います。国士舘は部員が多く、新入生が入ると部員が100人を超えるのですが、部員が多い中でも全員が同じ気持ちになれるようなチームを作っていきたいです」
駅伝主務・長谷川律さん(3年、開志国際)
「2年の秋からマネージャーに転向しまして、箱根予選会の後から主務になりました。選手とは違う形ですが、マネージャーとして箱根に携われるのはうれしいです。主務として、選手と積極的にコミュニケーションをとるようにしています。選手に自信をつけさせてあげたいです。走りはすぐに変わらないかもしれないですが、気持ちは変えられると思います。自信から走りが良くなることもあると思うので、声かけ一つで自信を持って、レースや練習に臨んでくれたらと思います」
日本学生ハーフと神奈川ハーフを皮切りに、第102回箱根駅伝に向けた国士舘大学の皆さんの走りに注目です!
陸上競技の経験を生かし、それぞれのフィールドで現状打破!
M高史と一緒に走ってくれた現状打破チームの皆さんにもお話を伺いました。
髙橋朱穂選手(亜細亜大学4年、本庄第一)
「ローカルな大会に出場するのは久しぶりで、とてもワクワクし、やっぱり駅伝はとても楽しいものだなと思いました。チームメート以外の人との襷渡しは初めてで、とても新鮮でしたし、改めて駅伝、襷をつないで走るのはいいなと感じました。この4年間を振り返ると、色々なことがあり、つらいことや大きな壁にぶつかることもありましたが、それを乗り越えて、何とか4年間大きなケガなく走り続けることができました。今後は実業団で競技を続けるので、花が咲くように努力し続けて頑張りたいです。自分の走りで感動を与えられる選手になりたいです」
象潟透選手(流通経済大学4年、八潮)
「5年ぶりに八潮市内一周駅伝へ参加でき、とてもうれしく思います。母校が合併になるので、八潮市に少しでも貢献して、思い出を残せたレースになったと思います。大学生活の大半を占めるのは陸上でした。ゼミの活動や課外活動、教育実習もありましたが、やはり陸上の思い出がたくさんあります。先輩・後輩・同期との出会いが、大きな影響を与えてくれました。800mの面白さに気付いて専門種目にすることになりました。社会人でも陸上は続けるので、800mは1分50秒を切り、グランプリなどの出場を目標にします」
谷大智選手(駒大高校3年)
「箱根駅伝などの影響で昔から駅伝が大好きでしたので、今回はすごく幸せでした。当日は『速く走らないといけない』という気持ちもありましたが、それ以上に楽しく走ることができ、最高の時間でした。高校3年間、仲間と過ごした時間や陸上競技で学んだものは、必ず今後の人生の糧になると信じています。また自分が競技に興味を持ち始めてから、ずっと支えてくれた家族や、指導してくださった先生、コーチ、応援してくださったすべての人に、陸上競技とは別の形で恩返しできるように生きていきたいです」
黒川温琉選手(駒大高校3年)
「初対面の方と襷リレーをすることや、部活を引退してから時間が経っている不安もありましたが、終わってみたらそのイレギュラーも含めて楽しくて、全員で最高の駅伝をつくれたと思います。高校3年間、苦しんだこともありましたが、チームとして一つの目標に全力で取り組むという、かけがえのない経験ができました。仲間や顧問の先生、M高史さんをはじめとして、陸上を通して多くの方に出会えたからこそ、充実した後悔のない陸上人生になりました。今後は陸上を通して得た努力の大切さや継続力、人間的成長、人とのつながりを大切にして、自分のやりたいことに全力で取り組んでいきたいです」
松井優那選手(駒大高校3年)
「高校での駅伝は緊張感が高い中で走っていたので、駅伝はこんなに楽しいものなのだと、改めて感じることができました。引退してからあっという間に1カ月が経ち、本格的に走ってないと、ここまで走れないんだなと痛感しました(笑)。それでもこうしてつながりができると、走るのはやめられない気持ちになります。私は中学校では名の知れない選手でしたが、高校3年間で東京都のトップの人たちと走れるまでになり、人生で忘れられない熱い経験でした。今後も走ることはやめず、マラソンなどにまた挑戦していきたいと思っています」
現状打破チームは、当日の朝に初めて顔を合わせる方もいて、ちょっと緊張している雰囲気もありました。ですが、みんなで襷をつないで、レースが終わる頃には、笑顔いっぱい。話が弾んでいる姿を見て、「やっぱり駅伝っていいな」とうれしくなりました。
大学や高校限りで競技を引退する人もいれば、次のステージで競技を続ける人もいます。競技者としては引退しても、市民レースに出たり、指導に携わったり、審判やボランティアという形で関わったりすることもできます。
陸上競技で培った経験を生かし、今後もそれぞれのフィールドで皆さんが現状打破されることを願っています!