連載:私の4years.

いつも「今」を一番充実した瞬間に 元中央大ソングリーディング部・大嶋夏実 5完

社会人のいまも、仕事とチアに全力投球です(写真はすべて本人提供)

大学時代にスポーツに打ちこんだ方に当時を振り返っていただく連載「私の4years.」。中央大学ソングリーディング部「Garnet Girls」で活動していた大嶋夏実さん(25)の最終回は、大学を卒業してからのチアとの関わりについてです。

仕事で忙しくても、トレーニングだけは続けた

就活、現役引退を経て、広告代理店に就職。1カ月間の研修を終えた後、大阪に配属されました。縁もゆかりもなく、誰も知り合いがいない地に放り出された感覚で、当初は本当に心細かったのを覚えています。社会人になった自分、生活環境、関わる人、そして仕事。すべてが分からないことだらけの中で、チアのチの字も口にできないほど困惑していた記憶があります。ただ私は本当に恵まれ、上司に「まず新たな土地に慣れるところからでいい」「仕事も大事だけど趣味を大事にすること」という言葉を、日ごろからかけていただけました。

平日は仕事で精一杯だったので、特定のチアチームには所属していませんでした。しかしどんなに忙しくても自分を見失わないようにしようと、トレーニングを欠かさず、チアやダンスのレッスンには細々と通っていました。そんな社会人1年目は仕事も人間関係にもとにかく必死。たくさんの出会いに恵まれながら、チアを趣味の領域として過ごしているうちに、あっというまに月日が経ちました。

会社のアメフトチームが所属するXリーグのチアにも入りました

社会人2年目になり、少し休を自分のために使う余裕が出てきて、少しずつチアに関わりたいという気持ちが大きくなっていきました。秋ごろになって、かつて舞台をご一緒させていただいた方が、大阪でスポーツチームのチアディレクターをされていて連絡してみたところ、チームマネージャーとして練習にも参加させていただけることになりました。平日は一日中仕事、休日に仕事が入ってくることも多かったので、メンバーとしては活動できません。しかしレベルの高いチアリーダーの中で練習、時に試合のサポートをさせていただけたことで、より充実した日々を過ごすことができました。

「まだまだプレイヤーでいたい」と燃え上がる心

半年ほど経ったとき、とあるトライアウトの募集要綱に心を動かされました。そこには「日本代表チアリーダー」の文字が。活動場所は関東なので応募資格にも「関東在住者」とありました。そう、当時の私には応募資格もなかったわけですが、それでも「やらなきゃ絶対に後悔する」と思い、即座にトライアウトに応募しました。フィールドで輝くチアリーダーを近くで見ていたこともあり、「まだまだプレイヤーでいたい」と心から思ったのです。

社会人になって、趣味は趣味でなくてはならない気がして、本当はやりたいことを口にするのを恐れていたのですが、このときばかりは声を大にして伝えました。背筋がピンと伸びるような「日本代表」の肩書き。トライアウトでは「関西からでも絶対に通ってみせる、成長したい」という熱を伝え、無事合格。ほぼ2年のブランクを経て現役復帰を果たし、仕事とチアを両立する日々が始まりました。

超多忙の中でミス・インターナショナルへの挑戦

社会人3年目になり、練習、試合の度に大阪と東京を往復する日々。仕事終わらない日は金曜日の夜行バスに乗って東京へ。日曜日の夜に試合があると月曜最初のフライトで帰阪し、そのまま出社。疲労がなかったわけでははないのですが、両立生活を始めてからはさらなる自覚が芽生え、仕事にもいっそう力が入るようになりました。

そのころ、私がまたもや心を動かされた出来事がありました。それは「ミス・インターナショナル日本大会」でした。私は自分が応募できる上限の年齢であることを知り、これもまた「やらなきゃ後悔するな」と思ったのです。書類審査が通り、ファイナリストに残ったころに、会社で東京への異動の内示がでました。いろいろなことが重なり、コンテストは辞退しようと思っていたのですが、ファイナリストにはその道に進むことを希望されている方が多く、それなら私は仕事と両立する姿を見せたいと思い直しました。

ミス・インターナショナルの選考にて

ミス・インターナショナルの選考は、まさに日本女性の美の祭典。モデルを目指す人、学生などに加え、フルタイムで働く女性がいるというのも本来コンテストのあるべき形だと感じ、自分の中に更なるエンジンがかかりました。転勤、日本代表チア、コンテスト、そして会社のチアチーム。心身ともに追い込まれた3カ月を過ごしました。もちろん仕事がメイン、空いた時間でダンス練習、トレーニング、ウォーキング練習。日ごろの体型管理を、時には泣きながらこなして突っ走りました。

私にとって一番うれしい賞をいただけました

ほかの人たちに比べると、スケジュール上参加できないことがあったり、周りが最終調整をしている時期に、私は仕事の会食でお酒を飲んだりなど、ストレスのかかることもたくさんありました。最終的にコンテストでは「ミス・パーフェクトボディー賞」という、チアリーダーの私にとって何よりほしかった賞をいただき、つらかったことがすべて報われました。このときは、とくにいろんな方にサポートをしていただき、改めて「すべての挑戦は人に支えられてこそ」だと実感しました。

現在でも「4足のわらじ」を続けるのは……

そして現在。広告代理店の仕事、バスケ日本代表チームのチア、東京に戻ってから会社のアメフトチームが所属するXリーグのチアでも活動を始め、そして4月から声をかけていただいていたキッズチアアシスタントと、四つを同時に成り立たせる日々を過ごしています。正直、欲張りすぎなのではないかと思うとき、心身ともに余裕がなくて楽しく踊れないときがないわけではありません。そんなときはこれまでの決断にあったように「いまやらなかったら後悔することになるだろうか」ということを真っ先に考えます。

そして仕事においてもチアにおいても、その決断の先に失敗があったときには「これはすべて自分が選択したこと」という考えを持つようにしています。社会人になって「仕事が忙しい」という理由で何でも断れる状況になってきているのを感じます。確かに一般的な社会人よりは忙しく、本当にプライベートな時間を犠牲にするしかありませんが、忙しさを理由に何でも断ってたら、そのうち必要とされなくなってしまいます。必要としてくれている人がいることって、本当にありがたいことです。

アメフトの試合でのパフォーマンス。笑顔を忘れずに、を心がけています

私がなぜ、いまでも仕事とチアを両立しているのか。それは、チアリーダーにしか見られない景色があるからです。さまざまな表情や反応をする観客席を見られる特等席でパフォーマンスしています。私は現在、パフォーマーとして人を笑顔にする立場にありますが、将来はこの仕事において、人を笑顔にする会場を、選手やパフォーマーとともにつくっていく立場になりたいと考えています。その間にはチアリーダー界最高峰のNFLやNBAのフィールドにも立ち、最高峰のスポーツの世界を学びたいとも思っています。

いまの生活において、正直悩んでいる時間や落ち込んでいる時間はもったいないと感じています。自分の一番の敵は自分。周りの目が気になるとき、笑顔になれる状況でないとき、どんな状況でも自分を信じて突き通すこと、突き抜けることが大切だと日々実感しています。

これからも「チアリーマン」として駆け抜けます!

最後に、今日の私はたくさんの方々に支えていただいていることを忘れず、人を幸せにできるような結果を出すことで恩返しできたらと思ってます。いい報告ができるよう、「チアリーマン」として、これからも突き進んでいきます。

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