白鷗大・前田怜緒が待ちわびた、専修大・盛實海翔との大学最後のマッチアップ
白鷗大にとって前大会のリベンジマッチとなった一戦は、ファールに泣く内容となった。星野曹樹(4年、帝京長岡)、ブラ・グロリダ(2年、帝京長岡)、前田怜緒(4年、東北)というキープレーヤーが、そろって序盤からファールトラブルに。プレータイムやディフェンスの強度を制限せざるを得なくなったスキを、専修大に突かれた。
盛實海翔を最も警戒し、最も楽しみにしてきた
「もともと専修さんの方が高さがあるのに、さらにミスマッチになってしまいました。勝負をかけたかった第4クオーター(Q)もファールが怖かったので、苦肉の策でゾーンディフェンスをするしかありませんでした」。網野友雄ヘッドコーチ(HC)は試合をこう振り返った。
専修大のエースであり起点となる盛實海翔(4年、能代工業)とマッチアップしたのは前田だった。神奈川大戦ではシューターの小酒部泰暉(おさかべ・たいき、3年、山北)、青山学院大戦では長身オールラウンダーの赤穂雷太(3年、市立船橋)と、タイプの異なる好プレーヤーをシャットアウトしたエースキラー。そんな彼が最も警戒し、最もマッチアップを楽しんできた選手が盛實だった。
昨年の対戦では、終盤の勝負どころで盛實に仕事をさせてしまい、4点差の接戦を落とした。「いつも以上に気合を入れてディフェンスしたつもりだったけど、最後は集中力が切れて、やられてしまいました」。タイムアップ直後は悔しさのあまりコートを強く蹴り上げ、その後のミーティングの内容も頭に入ってこなかった。
そんな経験があるからこそ、青学に勝利し専修大との決戦が決まった瞬間から、前田は盛實との最後のマッチアップをとても楽しみにしていた。「3年くらいずっとマッチアップしてるんで、お互いいろんなことが分かってます。あいつが俺を嫌がってるのも分かるんです」。しかし、前述の通りのファールトラブルと「オフェンスに専念してほしい」という網野HCの思惑、さらには盛實もプレータイムを制限したことによって、マッチアップする時間はそれほど多くなかった。
大学バスケという舞台でのふたりの勝負は終わった。しかし今後のステージでもまた、「ガチンコ勝負」を繰り広げてくれることだろう。