テーマは「俺は俺」 10年ぶりにアメフト選手に復帰して「自分改革」します
2月23日、僕はツイッターで「アメフト復帰宣言」をした。突発的ではなく、僕の中でじっくり考えた末の発表だった。そのツイートが思いのほか反響が大きく、さまざまな方から連絡が入った。
「よく決断したね」「どこでやるの?」「応援してるよ!!!」と。
2017年に初めて「おもしろ荘」に出たとき以来なんじゃないかと思うくらいの反響の大きさだった。
いろんな方の思いも背負っての復帰
そのときに、僕個人だけではなく、いろんな方の思いや希望を背負っての復帰になるんだなぁと、改めて感じたのだ。
アメフトを盛り上げようと尽力されている運営の方々、SNSでいつも試合情報をあげてくれている方々、毎試合のように会場に足を運び観戦している方々、フットボーラーの子どもを持つ保護者の方々、芸能界のアメフトファンの方々、現役選手の方々……。
もちろん僕自身、アメフト復帰にはさまざまな思いを込めている。今回のコラムで、そんな思いをみなさんにお伝えできたら幸いです。
僕の背中を押した後輩の言葉
アメフト復帰の気持ちに火がついたひとことがありました。
それは、今年1月のライスボウルで4連覇を果たした「富士通フロンティアーズ」にいる法政大学のOB5人の焼肉祝賀会のとき。「おめでとうな」と言いながら肉を焼いていたら、僕の1学年下の後輩が口を開いた。「今回の優勝をもって選手を引退することにしました」
特段驚くこともなく、僕と周りのメンバーたちは「よく頑張ったよ。15年以上もプレーしてたんだから十分。お疲れさま」と返した。
10年以上もアメフトをやればもう十分だと。これからはカラダを労って普通の生活に戻ってくれ。そんな思いで話をしていた。心の中は「長い間、アメフトを盛り上げてくれてありがとう」。そんな思いだった。次の瞬間、その後輩が僕にこんなひとことを放った。
「コージ さんもアメフトやればいいじゃないですか」
一瞬瞳孔が開いた。そんな気がした。
「いや、できるわけない!! ブランクが長すぎる!!」。少し食い気味に返す僕。 内心、とても焦った。なぜなら、本当はずっと考えてたことだから。一つのコンプレックスと、とらえてもいい。
そのコンプレックスに対して、軽くツッコんできた後輩。そのときに冷静になった。「ブランクを気にして、できないと決めつけているのは自分なんじゃないか」と。その日以来、物事を重々しく考えるのはやめようと思った。その結果として「ブランクのことは深く考えずに、復帰に向けて動いてみよう!」という気持ちになった。
これが「アメフト復帰」という真っ黒な炭に火がついたキッカケである。
アメフトを観に来てほしい
さて、ではアメフトに復帰して何がしたいのか。大きく分けて二つあります。一つ目は「アメフトを観(み)に来てほしい」のです。
おそらくみなさんもラグビーワールドカップで感じたでしょう。「こんな面白いスポーツがあったのか」という感動と高揚感を。アメフトでも、あの感覚を少しでも世間のみなさんに知ってもらいたいという思いがあります。僕はSNSでアメフトの楽しさ、またはアメフトを楽しんでる姿を何度も投稿してきました。そのたびに感じてきたのは、SNSを見てる方とのベクトルの向きの違いでした。
アメフトというスポーツがあるというのを知ってほしいのか、アメフトのルールを知ってほしいのか、アメフトの試合を観に行ってほしいのか。それを明確に伝えきれていなかった。同じようなことなのですが、実現するためのアプローチの仕方は、まったく違うのです。
その中で今回の僕の復帰に込める思いは「アメフトの試合を観に来てください」なのです。そのために何をすればいいのかは、これからじっくり考えながら進めようかと思ってます。
好きなことをしてやる
さて、アメフト復帰の理由の二つ目ですが、「好きなことをしてやる」という気持ちです。実は、この思いも強いのです。
「〇〇だから××でなければならない」。僕の中で凝り固まったこういう考えを払拭したいんです。芸人だからスポーツに打ち込んではならない。いままではそうだったかもしれない。でも本当にそうなのか? 人前に出る仕事をさせていただいてるなら、なおさら自分で可能性を示していく必要があるんじゃないか。なんだったら、芸人でなくてもいい。
俺は俺だ。
だから「アメフト復帰宣言」には「自分改革宣言」の意味合いもあるんです。これからの動きを楽しみにしてて下さいね。