大学陸上・駅伝

連載:M高史の走ってみました

宮本志郎コーチの指導でエース候補たちが成長! 関西学院大の合宿で走ってきました

関西学院大学陸上競技部の合宿へうかがってきました!(すべて撮影・松尾誠悟)

「M高史の走ってみました」です。関西学院大学陸上競技部にお邪魔してきました。関学といえば、大学の校章でもある三日月マークのユニフォームでおなじみです。校章の三日月には、新月がしだいにふくらんで満月になるように、絶えず向上していきたいとの願いがこめられているそうです。

北京五輪マラソン代表の尾方剛監督が率いる広島経済大学で走ってきました!

短距離は多田修平選手、長距離は石井優樹選手

短距離では多田修平選手(現・住友電工)が2017年の関学在学中に追い風参考(4.5m)ながら、100mで9秒94をマークしたのが衝撃的でしたね!

長距離では近年、石井優樹選手(4年、布施)が活躍。石井選手といえば切れ味鋭いラストスパートが魅力です。日本学生個人選手権の5000mで一昨年、昨年と2連覇。全日本大学駅伝では、18年の第50回大会で日本学連選抜チームの1区を走り、スパート合戦を制して区間賞をとりました。石井選手はこの3月で卒業し、4月からNTT西日本陸上競技部で新たなスタートを切ります。

駅伝では昨年、出雲駅伝(14位)、全日本大学駅伝(17位)に出場。丹後大学駅伝(関西大学駅伝)では立命館大に次いで2位となりました。

長距離の指導にあたるのは宮本志郎コーチ(65)です。

長距離をご指導されている宮本志郎コーチ。清風高校時代は数多くの教え子が日本代表に

清風高校(大阪)、京都産業大学時代に中長距離で活躍。その後、清風高校で長きにわたって指導してきました。関学ではサポートで3年間、専属となって4年目です。以前取材させていただいた野中章弘さんの恩師でもあります。

4年間ずっと日大主務 NTT西日本・野中コーチ

清風高校の指導者として1980年の愛媛インターハイで総合優勝。数多くの教え子がオリンピックや世界選手権の代表に選出されてきました。

「卒業生の頑張りが、いまも力になってます。将来、陸上だけで食べていくのはなかなか大変。競技だけではなく人間性も高めていくのが大事です。人間性も高めていくと、陸上の能力も上がっていくんです」

合宿最終日にお邪魔しました

滋賀・希望が丘文化公園であった関学の長距離ブロックの合宿で走ってきました。希望が丘文化公園は全国中学駅伝の会場にもなっています。野洲市、湖南市、竜王町にまたがる広大な公園です。芝生広場がたくさんあって、適度な起伏もあり、クロカントレーニングにも最適ですね。

取材したのは2月中旬、合宿最終日の5日目。前日に長い距離をじっくり走り込んだそうで、選手のみなさんも疲労が残る中、合宿最後の追い込みとなりました。

希望が丘文化公園での合宿最終日の練習にうかがってきました

この日は前半が不整地、中盤いったんロードに出て、後半は再び不整地に戻ってくる1.5kmのコースを7、8本走るメニューでした。

集中した雰囲気の中、練習がスタートしました

僕はBチームで1本おきに入り、計4本走りました。合宿2日目に雪が降った影響もあってか、コースの一部に水たまりや少しぬかるむ場所もあり、体幹やバランスも鍛えられます。みなさん、水たまりの避け方、コースの走り方が抜群にうまかったです。不整地からロードに出ると、走りやすいこと(笑)。スイスイと進みます。

コースの中盤はロードに出ます。終盤、不整地に戻ってからの切り替えがポイントになってきます

その分、ペースも上がるのでキツいのですが(笑)。

1kmの手前くらいから、再び不整地に入ります。しかも前半の芝生とは違って、土や砂利。そして小さな起伏もあります。アップしているときにはまったく気にならなかった緩やかな上り坂ですが、キツいときは体にこたえますね!

再び不整地に戻ってからの切り替え、細かな起伏も効いてきます!

みなさん、不整地でさらにペースも上がって、腰の入ったいいフォームで走ってました! 僕は4本しか走ってませんが、まるで1500mのレースをたて続けに4本走ったくらいのキツさでした(笑)。

みなさんの素晴らしい走りっぷりを体を張って実感しました(笑)

7本、8本と走りきった選手のみなさん、尊敬します!

Aチームはさらにレベルの高い走りで8本。プラスアルファでこなす選手も!

ポイント練習を終えて、クールダウンも一緒にやりました。

合宿最終日のポイント練習を終えて、みなさんクールダウンはリラックス

一緒にお風呂に入ってカレーを食べて

練習後は選手のみなさんと、お風呂タイム! 大浴場で裸の付き合いです(笑)。練習中の真剣な表情とは打って変わって、リラックスした雰囲気。とくに合宿最終日ということもあって、みなさんからやりきった充実感が伝わってきました。練習以外の普段の生活、陸上部のチームメイトとの鍋パーティーの話など、大学生らしいエピソードにも触れられました。

入浴後は昼食です。この日のメニューはカレーライス!

昼食もご一緒しました。この日のメニューはみんな大好きカレーライスです!

カレーといえば、僕がモノマネさせていただいている川内優輝選手のマラソン前日のメニューでもおなじみ! 個人的にテンションが上がっておりました(笑)。宮本コーチが冗談を言いながら、和気あいあいとした雰囲気の食事となりました。

1回生ながら28分台をマークした上田選手

選手のみなさんにも取材しました。

沖見史哉選手(3年、和歌山北)

5000mで14分4秒00の自己ベストを持つ沖見選手。この合宿では絶好調で、一人だけ追加メニューにも取り組んでいました。不整地でもフォームが安定していて、体幹の強さが印象的でした。

合宿でも追加メニューをこなすなどAチームを積極的に引っ張った沖見史哉選手

「高校のベストは14分43秒でした。大学進学の際に関東か関西か考えたんですけど、そのころは長い距離がそこまで得意じゃなくて、関学でやっていこうと思いました。関学は一人ひとりの個性が強いチームですね! 宮本コーチは理にかなった指導をしてくださって、メンタルを刺激するよう声かけを練習からしてくれます」

今後の目標について聞いてみると「日本学生ハーフに中止となりましたけど、距離をしっかり踏んできたので、トラックも狙っていきたいです。5000mで13分台、10000mで28分台。トラックではタイトルをとりたいです。実業団でも続けられるような、いい結果を出したいです!」

上田颯汰選手(1年、関大一)

高校では5000mのベストが14分25秒93。中学生のとき、都道府県対抗男子駅伝の大阪チームの合宿で、宮本コーチや石井選手にお世話になったそうです。高校時代は膝(ひざ)の靭帯(じんたい)を痛めたりヘルニアになったりと、なかなか練習が積めませんでした。関学に進んでからは順調に練習できて、早くも10000mで28分50秒90と28分台をマーク!

「練習から真剣勝負」という上田颯汰選手。2021年のユニバーシアード出場を目標にしています

「2年目は苦しいということは覚悟してます。高校時代もそうでしたし、ほかの大学でも2年目で苦しんでいる選手もいます。その中でも10000mで日本選手権の参加標準記録B(28分45秒00)を切りたいです。3回生になったらユニバーシアードも狙っていきたいですね。駅伝では(昨年の)全日本大学駅伝で3区8位でした。後半かなりペースダウンして区間8位だったので、次回は区間3位以内を狙います」

昨年の出雲駅伝では調子が上がらず補欠でした。「宮本コーチから『練習を試合のように、プレッシャーをかけて』という言葉をかけてもらって、調子を取り戻しました。練習から真剣勝負です! 『頭を使う』ということを常に考えてます。着眼点が大事だと思います」。自発的に考えて競技に取り組む姿勢が、受け答えからも伝わってきました。

キャプテン 志摩銀河選手(3年、鳴門)

高校では5000mが14分54秒。関西から頂点を目指したいと関学へ進みました。「雰囲気がいいチームです。自主性が重んじられてて、自分がしっかりやれば伸びる環境です。自由度がある分、工夫することが大事です」

昨年の丹後駅伝が終わり、主将になりました。

チームをまとめる志摩銀河主将。ご自身のこと、チームのことを謙虚に話してくれました

「チーム全体のことを考えてます。これまでのキャプテンは素晴らしかったです。明るさ、走力、言葉など、それぞれの個性がありました。自分に足りないところをカバーしていって、チーム全体の背中を押しながらキャプテンとしてふさわしい結果を残していきたいです。個人では日本インカレに出場すること、13分台、28分台を出したいですし、いい結果を残すことで主将としての責任を果たしたいです。駅伝では、主力となって主要区間を走ることですね。まずは打倒立命館。関東の大学とも戦う気持ちでいます!」

どんな選手に関学に来てほしいですか? と尋ねると「人から言われてからではなく、自分から主体的に動ける人ですね」と返してくれました。

エースの石井優樹選手は卒業しますが、個性あふれる次期エース候補たちがじっくりと力をつけてきています。関学旋風を起こせるでしょうか。注目ですね!

関学陸上部のみなさま、ありがとうございました!

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