陸上・駅伝

連載:NGT48西村菜那子の大学陸上ココに注目!!!!

12月30日は富士山女子駅伝! 西村菜那子が思う「女子駅伝ならでは」の魅力とは?

女子駅伝の魅力をもっと知ってほしい!ということで、ならではの見どころをお伝えします!(撮影・齋藤大輔)

「駅伝に詳しすぎるアイドル」として陸上ファンも一目置くNGT48西村菜那子さんのコラムです。今回は、12月30日に開催される富士山女子駅伝がテーマ。西村さんが注目する選手や、女子駅伝ならではの魅力についてじっくり語ってくれました!

名城大学強し!中でも注目は……

みなさん、こんにちは!

今年も12月30日に富士山女子駅伝が開催されます。「男は箱根、女は富士山」。大学女子日本一をかけた冬の頂上決戦が今年も幕を開けるということで、私もすごくワクワクしています。

優勝候補一番手はやはり、大会2連覇中の名城大学。10月に行われた全日本大学女子駅伝では、6区間中3人が区間賞、3人が区間2位という驚異の結果を残し、見事優勝。大会4連覇を果たしました。無類の強さを見せる名城大学は、まさに学生女子陸上界を牽引しているチームです。

キャプテンの加世田梨花選手(4年、成田)は富士山女子駅伝において過去3大会、全てエース区間である5区を走り、1年時は区間3位、2.3年時は区間賞と圧倒的な強さを誇っています。そんな加世田選手の学生ラストイヤーとなる今大会、エースとしてどんな走りを披露してくれるのか期待が高まっています。

加世田選手とともに私が注目しているのは、全日本駅伝女子駅伝で3区を走り区間新記録を樹立した小林成美選手(2年、長野東)。9月に新潟県・デンカビッグスワンスタジアムにて開催された日本学生陸上競技対校選手権大会(通称:日本インカレ)女子10000mで、優勝した加世田選手に続き2位でゴールするなど、着実にトラックでもロードでも実力を上げています。

日本インカレ女子10000mでワンツーフィニッシュの加世田選手(左)と小林選手(撮影・藤井みさ)

可愛らしい愛嬌溢れる笑顔が魅力の小林選手ですが、寮に虫が出ると嬉しそうに捕まえるそうです(笑)。山に囲まれた長野県出身ということで、虫には慣れているのでしょうか……。私も長野県出身なのですが割と虫には強いんですよね(笑)。

悲願の優勝なるか? 大東文化大学

さて、話を戻します。そんな名城大学を追うのが、大東文化大学。全日本大学女子駅伝では2017年から4大会連続2位、富士山女子駅伝でも2018年から2大会連続2位。もちろん準優勝は大変立派な成績です。しかしその反面、あと一歩で優勝に届かず銀メダルが多いことから「シルバーコレクター」と呼ばれることも。エースである鈴木優花選手(3年、大曲)を中心に悲願の初優勝を勝ち取ってほしいと願う陸上ファンも多くいます。

12月4日の日本選手権に出場した鈴木優花選手(撮影・池田良)

王者・名城大学、それを追う大東文化大学、はたまたダークホースが現れるのか。どんな展開が繰り広げられるのか、今年も最後まで目が離せません。

女子駅伝ならでは! の注目ポイント

富士山女子駅伝にお仕事で携わることができてから、男子とはまた違った魅力や面白さを多く見つけることができました。今日はそちらも皆さんに少しお話しますね。

まずは1つ目。注目してほしい点は多くの選手が身につけて走る「お揃いのお守り」です。女子駅伝では多くのチームが大学毎にお揃いのお守りを身につけて走っている姿が見受けられます。例を挙げますと、昨年の東京農業大学。こちらでは4年生が作成したニワトリのお守りをランパンに付けて選手が出走していました。また京都産業大学では勝尾神社のお守りを襷(たすき)に付けて走っていたそうです。お守りだけでなく松山大学ではお揃いのヘアゴムをつけていたりと、“お揃いにする”という女子ならではのゲン担ぎが各チームで見られます。襷についているお守りや、女子選手がお揃いで身につけている物に注目してみるのも面白いですよ。

続いての見どころは、男子とはまた違った「チームの団結力」です。女子選手は、大学卒業をもって競技を引退する選手の割合が男子より多くなります。4年生は悔いが残らないよう陸上人生の最後に磨きをかけ、下級生は先輩が有終の美を飾れるよう一層努力する。メディアのインタビュー等で「先輩方のために頑張りたい」とおっしゃっている下級生がとても多いことが、これを証明しています。

「先輩のために」と走る姿、団結力には見ているこちらも感動です!(撮影・齋藤大輔)

“今のチームで走るのはこの一回しかない”チームへの熱い気持ちで溢れている女子大学駅伝のチーム内の絆は、陸上界随一のように感じます。選手の個々の走りにはもちろん、強き美しき女子選手が作り上げるそれぞれの息の合ったチームワークにも注目してみてください。

「十人十色」の進路に興味津々

そしてもう一つ。2018年から富士山女子駅伝に関するお仕事をさせていただき、選手の様々な一面を知ることができました。この選手は何区希望なのか、今年の目標、試合前のルーティーン……。そんな中で私が一番目を引かれたのは「選手の方の将来の夢」です。

皆さん、将来は陸上の指導者やプロランナーを目指している方が多いと思っていたのですが、それは完全な私の思い込み。選手の夢もその走りと同じく十人十色で様々なものがありました(私はNGT48劇場で「十人十色」というタイトルの公演を長年行なっているのに、こんなことにも気づけないとは……)。もちろん、プロランナーを目指す方もいますが、陸上チームの指導者をはじめ、栄養管理士さん、寮母さん、数学の先生など、まさに十人十色。中には、駅伝を先導する白バイ隊員を目指している方も。将来、富士山女子駅伝ランナーを先導する白バイ隊員の名前を見たら、かつてバイクではなく自らの足で同じコースを走っていたあの選手だ!……こんなことを想像して、今から勝手に胸を熱くしています。

春から新たな道へ進む選手の皆さん、これからも走り続ける道を選んだ選手の皆さん。それぞれの競技人生への様々な思いに寄り添うと、レース結果やタイムとはまた別の視点から駅伝を魅力的に感じることができると思います。

私もいちファンとして、そんな選手のも皆さんのドラマティックな一面を発信していける人になりたいですし、1人でも多くの方に女子駅伝の魅力を伝えていけたらと思っています。今年も一緒に富士山女子駅伝を楽しみましょう!

NGT48西村菜那子の大学陸上ココに注目!!!!

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