神戸学院大学の坂本花織、専修大学の森重航が銅メダル 北京で学生アスリートも躍動
日本選手団が冬季大会史上最多の18個のメダルを獲得した第24回冬季オリンピック競技北京大会はコロナ禍の「バブル方式」による17日間の競技日程を終え、2月20日に閉幕した。日本の18個のメダルは金3、銀6、銅9個。日本選手団124選手中、5分の1に当たる大学生アスリートもフィギュアスケートの坂本花織(神戸学院大3年/シスメックス)やスピードスケートの森重航(わたる、専修大3年)が銅メダルを獲得するなど4年に一度の祭典で持てる力を発揮した。
充実のフィギュアスケート陣
フィギュアスケート陣の奮闘が光った。まず、団体で日本は初の銅メダル(暫定)で勢いをつけた。2014年ソチ大会から始まったこの種目で2大会連続の5位から表彰台へ順位を上げた。最初の男子ショートプログラム(SP)で中京大学2年の宇野昌磨(トヨタ自動車)が2位発進。力をつけたペア、中京大学2年の三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)はSP、フリーとも自己ベストを更新した。男子フリーでは星槎国際高3年の鍵山優真(オリエンタルバイオ/星槎)も自己ベストでトップに。女子ではSPで明治大学3年の樋口新葉(わかば、明治大/ノエビア)が、フリーでは坂本がともに2位に入るなど日本の総合力をみせつけた。
男子シングルは日本勢2人が表彰台へ。銀メダルを獲得した18歳の鍵山はこの春、練習拠点でもある中京大学への進学を希望している。銅の宇野は、平昌の銀に続き2大会連続でこの種目のメダルを手に入れた。初優勝を飾ったネーサン・チェン(アメリカ)は休学していたエール大学へ戻って学ぶという。
3A決めた樋口新葉、ペアは7位入賞
女子では坂本が派手さはないが正確な技術で銅メダルに届いた。この種目の日本勢のメダルは10年バンクーバー大会で当時中京大学1年の浅田真央さんが銀メダルを獲得して以来3大会ぶりだった。樋口はSP、フリーともにトリプルアクセル(3回転半)を成功させ、暫定5位に入った。ペアで三浦、木原組は日本勢初の入賞となる7位だった。これまでの日本勢最高順位、1992年アルベールビル大会14位から大きく飛躍した。
スピード日本男子は3大会ぶり
スピードスケートでは急成長した森重が男子500mで3位に入り表彰台に上がった。日本は近年、女子の活躍がめざましく男子のメダル獲得は3大会ぶりとなった。1000mでは16位だったが、今大会日本スピード男子最年少の21歳は4年後も楽しみな存在だ。
記憶に残った岩渕麗楽と平野海祝
メダルには届かなかったが、記憶に残った学生アスリートも。スノーボードの女子ビッグエアでは法政大学2年の岩渕麗楽(れいら、バートン)が2大会連続の4位入賞。左手を骨折しながら世界初の大技にトライした。斜め軸の後方3回宙返り「トリプルアンダーフリップ」。転倒したが、果敢な挑戦に各国選手らに次々と抱きしめられた。
男子ハーフパイプでは日本大学1年の平野海祝(かいしゅう)が、高さ7.2mの壁から、さらに6m以上も舞って豪快に「高さ」をアピール。9位だったが、金メダリストの兄・歩夢(TOKIOインカラミ)とはひと味違う競技の魅力をみせつけた。
アイスホッケー女子で、日本は初めて決勝トーナメントに進み6位だった。準々決勝では3位になったフィンランドに1-7と完敗したが、唯一の得点を決めた北海道文教大学3年の志賀紅音(あかね、トヨタシグナス)らメンバーに大学生も5選手おり、今後が期待される。