全日本大学駅伝、エントリー選手の出身高校を集計!最多は京都・洛南高校
11月6日に開催される全日本大学駅伝には2つの学連選抜を含む27チームが出場する。10月12日に提出されたチームエントリーから、登録された計425人の選手の出身高校(日本国内)について人数別にまとめてみた。
最多は京都・洛南の12人
全425人の出身校は235校にものぼる。その中でも最多の12人だったのが、京都・洛南高校。インターハイでは過去10度の総合優勝を誇る名門校で、東京オリンピック男子3000m障害7位に入賞した順天堂大学の三浦龍司(3年)が筆頭格だ。1年生には、2021年全国高校駅伝(都大路)準優勝の出走メンバーである、駒澤大学のスーパールーキーの佐藤圭汰、中央大学の溜池一太、神奈川大学の宮本陽叶、環太平洋大学の前田陽向らがいる。
「ガクセキ」のつながりは話題に
次いで多かったのは、9人の福島・学法石川高校と宮城・仙台育英高校。学法石川は東京オリンピック10000m日本代表の相澤晃(東洋大学~旭化成)が輩出した強豪校。昨年の出雲駅伝でアンカーとして青山学院大を準優勝に導いた横田俊吾(4年)を始め、東京国際大学の宗像聖(4年)や明治大学の櫛田佳希(4年)、中央大の中澤雄大(4年)、創価大学の吉田凌(2年)らが名を連ねる。通称「ガクセキ」と呼ばれ、OBたちのつながりも強い。学生駅伝で先輩後輩同士で襷(たすき)を渡したり、同じ区間を走って競い合ったりする場面は話題になる。
仙台育英は、今年の出雲駅伝で快走した中央大の吉居大和(3年)、駿恭(1年)兄弟がいる。お互いを1人の選手として、1人のライバルとして認め合い成長している。大東文化大学の真名子圭(まなこ・きよし)監督は、仙台育英で男子監督を務め全国優勝に導いた経験がある。大東大の菊地駿介(3年)とピーター・ワンジル(2年)は高校時代の教え子だ。5大会ぶり43回目となる全日本大学駅伝出場をつかみ、指揮官の采配にも注目が集まる。OBには東京五輪マラソン代表の服部勇馬(東洋大~トヨタ自動車)らがいる。
8人エントリーに奈良・智弁学園奈良カレッジ
続いて奈良・智弁学園奈良カレッジ高等部の8人。12月の全国高校駅伝の出場校を決める奈良県の予選会で男女ともに6連覇を果たし、勢いがある。神奈川大に進学した中原優人(2年)以外は関西勢。立命館大学4人、関西学院大学2人、大阪経済大学1人となっている。
愛知・豊川高校、広島・世羅高校、佐賀・鳥栖工業高校は7人。豊川は東海地方の名門で、昨年が最多の11人だった。今年は、8月の北海道マラソンで日本人トップの2位に入り、2024年パリオリンピックマラソン代表選考会(MGC)の出場権を獲得した東洋大の柏優吾(4年)らがチームエントリー入り。東洋大と青学大でそれぞれ活躍した服部弾馬(NTT西日本)や一色恭志(GMOインターネットグループ)などが有名OBだ。
世羅は全国高校駅伝の最多優勝校。11回目の優勝を飾った昨年の出走メンバーである吉川響(1年)と森下翔太(1年)は明治大学の期待のルーキー。森下と「ダブル翔太」と呼ばれた塩出翔太は青学大で、同級生のライバルとして高め合う。OBには青学大の原晋監督のほか、鎧坂哲哉(明治大~旭化成)や吉田圭太(青学大~住友電工)がいる。
佐賀・鳥栖工は10月末の佐賀県高校駅伝で13連覇している都大路の常連。青学大の西久保遼や神奈川大のエース山﨑諒介が4年生でラストイヤーを迎える。
八千代松陰出身者は実力者ぞろい
岡山・倉敷高校、宮崎・宮崎日本大学高校、静岡・浜松商業高校、千葉・八千代松陰高校は5人。倉敷は東海大のエース石原翔太郎(3年)の出身校。ルーキーイヤーには全日本大学駅伝4区と箱根駅伝3区でともに区間賞を獲得し注目された。2年生になってからは長引くケガに見舞われレースから遠ざかっていた。2年ぶりの全日本大学駅伝で輝きを取り戻す。
宮崎日大は2019年全国高校駅伝で創部9年目ながら7位入賞の快挙を成し遂げている。そのときの出走メンバーだったのが中央大の湯浅仁(3年)、早稲田大の佐藤航希(3年)、明治大の曳田道斗(2年)だ。
浜松商のOBと言えば、7月の世界陸上男子10000m代表の伊藤達彦(東京国際大~Honda)。4年生だった2019年はイタリアで開催されたユニバーシアードで銅メダル、箱根駅伝予選会で日本人トップ、全日本大学駅伝では2区で13人抜きの区間新記録で区間賞を獲得した。今大会には同じ東京国際大から村松敬哲(3年)、牛誠偉(2年)、大村良紀(1年)が登録され、偉大な先輩の背中を追いかける。
八千代松陰は千葉の強豪で、昨年は8人と2番目に多かった。10月の箱根予選会で日本人3位、全体10位に入った明治大の富田峻平(4年)、全日本大学駅伝で5区区間賞を2年連続獲得している青学大の佐藤一世(3年)、佐藤の高校時代の同期で切磋琢磨(せっさたくま)してきた順天堂大の石井一希(3年)、都大路でエース区間の1区を走った経験のある油谷航亮(2年)、10月の札幌マラソン男子ハーフマラソン10・20歳代で初優勝した國學院大學の鶴元太(2年)といった実力者たちがチームエントリー入りしている。
なお、都道府県別で集計したところ、最も多かったのは愛知県。豊川や岡崎城西高校など17校34人。次いで23人の大阪府と兵庫県。大阪は関西大学北陽高校や大阪高校など11校、兵庫は報徳学園や須磨学園など15校だった。京都府は20人、宮城県は17人となっている。
その他複数校のエントリーは以下の通り。
4人……茨城・東洋大牛久、千葉・市船橋、長野・佐久長聖、三重・伊賀白鳳、三重・四日市工、京都・京都外大西、大阪・関大北陽、福岡・自由ケ丘、熊本・九州学院、鹿児島・出水中央
3人……秋田・秋田工、岩手・一関学院、茨城・水城、群馬・東農大二、愛知・愛工大名電、愛知・愛知黎明、愛知・岡崎城西、愛知・豊明、滋賀・滋賀学園、大阪・関西創価、大阪・興国、大阪・大阪、兵庫・県西宮、兵庫・須磨学園、兵庫・報徳学園、愛媛・松山商、長崎・鎮西学院、長崎・瓊浦、宮崎・小林、鹿児島・鹿児島実、鹿児島・鹿児島城西、鹿児島・樟南、沖縄・北山
2人……北海道・札幌山の手、北海道・北海道栄、青森・青森山田、秋田・秋田、岩手・久慈東、宮城・仙台二、宮城・東北、山形・山形南、茨城・水戸葵陵、群馬・樹徳、栃木・那須拓陽、埼玉・埼玉栄、埼玉・松山、埼玉・聖望学園、埼玉・武蔵越生、東京・国学院久我山、東京・早稲田実、東京・東京実、神奈川・鎌倉学園、神奈川・藤沢翔陵、静岡・浜松日体、愛知・愛知、愛知・中京大中京、愛知・豊川工科、富山・高岡向陵、富山・富山商、滋賀・比叡山、滋賀・立命館守山、大阪・清風、大阪・東海大大阪仰星、大阪・履正社、兵庫・西宮北、兵庫・西脇工、和歌山・田辺工、岡山・水島工、広島・広島皆実、広島・広島国際学院、鳥取・鳥取城北、島根・開星、山口・西京、福岡・福岡大大濠、熊本・開新