中央学院大、国士舘大、明治学院大も出場 マラソンフェスティバルを走ってルポします
3月1日、「マラソンフェスティバルin国営昭和記念公園 SPRING」が開催されました。楽しそうな響きの大会名ですが、日本陸連の公認大会。平日開催ではありましたが、学生トップレベルの選手からランニングを楽しむ市民ランナーさんまで駆け抜けました。
30km、ハーフマラソン、10kmが陸連公認の部と一般の部に分かれ、5kmは一般の部のみ開催。大学生ではハーフマラソンの部に中央学院大学、明治学院大学が出場し、10kmには国士舘大学が出場しました。M高史も10kmに出場し、学生アスリートの皆さんの現状打破っぷりを体感。実際にコースを走った上で、ルポさせていただきます!
学生ハーフと逆回りのコースを力走
国営昭和記念公園(東京都立川市・昭島市)といえば、箱根駅伝予選会や日本学生ハーフマラソン選手権でもおなじみですね。最大高低差は7mほどで、急激な坂ではありませんが、細かい起伏が続きます。元気な時はそこまでキツくないですが、体がいっぱいいっぱいの時には差がつきやすいコースでもあります。
木々の合間を走り抜けていって気持ちの良いコースではありますが、意外と木々はコースまで覆っておらず、コース上は日向が多い印象でした。この日は気温も上がりましたが、箱根駅伝予選会・学生ハーフ当日も気温が上がると、このあたりの耐暑能力も求められるのかなと感じました。
コースどりも重要です。くねくねとコーナーを曲がっていく箇所が複数あるので、特に集団で走っている場合はなるべく最短距離を行きたいところですね。ただ、コーナーもあるので、転倒やけがは気をつけたいところです。
マラソンフェスティバルは、箱根予選会や学生ハーフとは逆回りで開催されましたが、大学生の皆さんもコースをイメージしながら走られたようです。
ハーフマラソン陸連公認男子の部は、中央学院大が1位から7位までを独占。2月の丸亀ハーフマラソンで1時間00分31秒と従来の日本選手学生記録を上回った吉田礼志選手(2年、拓大紅陵)が練習の一環で走って1時間05分04秒を記録し、優勝を飾りました。15kmはペースを抑えて47分08秒で通過。15kmから20kmまでの5kmを14分43秒、ラスト1.0975kmも3分13秒とペースアップし、日本学生ハーフに向けて順調な仕上がりを見せました。
明治学院大勢では栗原舜選手(2年、三浦学苑)が1時間08分07秒で8位に。今年の箱根駅伝では関東学生連合チームとして榎本晃大選手(2年、日大三島)が7区に出場するなど、年々力をつけているチームです。
10km陸連公認男子の部は国士舘大が上位を独占。落合倭和選手(4年、常葉菊川)が30分43秒で優勝を飾りました。
今大会の位置付け、今後について
レース後、各校の皆さんにお話を伺いました。
中央学院大学・川崎勇ニ監督
「(今大会の位置付けについて)学生ハーフに向けてコースを熟知するのも一つの目的でした。(学生ハーフとはコースが)逆回りになりますが。(1km)3分20秒と3分30秒のペース走として出場しました。(吉田礼志選手について)『自由で行っていいですか?』ということで自由に行きました。丸亀ハーフで学生記録を破りましたけど、高校時代からのライバルの篠原(倖太朗)君(駒澤大学2年、富里)とは千葉県でずっと一緒だったので負けて悔しがっていました。次回は勝ってもらいたいなと思います。(今年度の目標について)確実に予選会突破ですね。学生が目標を作っているのですが、全日本も箱根も出場してシードを取ると言っていますので、その後押しをできればなと思っています」
就任した福山良祐コーチについても「実業団でコーチも経験していますし、競技者としても日本代表経験もありますので、競技者としても指導者としても申し分ないです。性格も非常に傾聴力があり、人の話を聞けるので、期待をしております」と川崎監督も信頼を置かれていました。
中央学院大学・吉田礼志選手
「学生ハーフや予選会とは逆まわりですがコースが似ているのでイメージしながら走りました。(1km)3分10秒くらいで押していって余裕を持ってだいぶ走れたのがよかったです。丸亀ハーフでは同じ学年の篠原くんに先着されたので、学生ハーフでは優勝を狙って誰にも負けない走りをしたいです。(今後の目標について)新チームになって次にチームとして戦うのは全日本予選会なので、全日本出場権を取りたいです。箱根予選会ではチームで3位以内に入りたいです。個人では5000m13分30秒、10000m27分30秒、ハーフマラソンでは日本記録を狙ってやっています」とさらなる高みを目指しています。
国士舘大学 添田正美駅伝コーチ
「B、Cチームが出場しました。学生ハーフに向けて10km通過くらいのイメージで走りました。Aチームに上がるためにハーフ65分切りを目標に練習をやってきました。疲れもある中、練習の一環で30分台でいければと思っていましたが、今日は5名が30分台でした。また故障していた者もいたので、復帰に向けてのきっかけとなる大会になりました。B、Cチームの選手もAチームに勝ってやろうという気持ちを持たせるように、まだまだ力は足りないかもしれませんが、いい方向に向かっていると思います。(2023年度の意気込みは?)箱根連続出場していますので、シード権獲得をチームとしての最大の目標にしています」
明治学院大学 棚瀬亮治ヘッドコーチ
「今までしっかり走り込んできた中ではよく頑張ったかなと思いますが、やっぱりタイム的にはもう一息出したかったというところでした。冬場にハーフを2本くらい走りたかったので、ここでしっかりと自己記録更新を目指すというのが一つの目標でした。今日は学生ハーフにでないメンバーが出場したのですが、学生ハーフに出るメンバーも同じように冬に走り込んできたので、冬の走り込みの成果がどのくらい出るかチェックしたいですね。(今後の目標は)箱根に出るというところと、2024年度が大学の100周年になるので、そこでどんと花を咲かせるための準備期間にしたいですね」
10km陸連女子の部では、明治学院大の小松澤真穂選手(3年、常総学院)が39分50秒で優勝しました。明治学院大の長距離選手としては唯一の女子選手です。
「最初から突っ込みすぎず、自分のペースでリズムよく走れました。10000mで関東インカレ出場を目指しているので、標準記録を切れるように、設定ペースを意識しながら練習しています。女子長距離は1人ですが、練習では男子と一緒の練習もあるので、男子から刺激をもらっています」
主催者は元世界陸上日本代表
そして、マラソンフェスティバルを主催されている西田隆維さんは、駒澤大のOBです。僕の大先輩でもあります。学生時代は箱根駅伝初優勝のメンバーで9区を走り、当時の区間新記録で優勝に貢献。実業団では世界陸上男子マラソン日本代表も経験されました。現役引退後は俳優として活動され、現在はマラソン大会の主催・運営をされています。また市民ランナーさんのご指導経験も豊富で「頑張らない、無理しない」と無理なく楽しみながら走り続けるお声かけもされています。
マラソンフェスティバルは公認の部と一般の部が一緒にスタートし、コースを周回します。ランナーさんにとっては学生選手のスピードを間近で体感することができ、学生選手の皆さんにとっても仕事をしながら合間の時間を見つけて走られている一般の方と同じレースを走ることで、何かを感じていただけるかもしれません。そういう人が少しでもいらっしゃれば貴重な機会になりますね。
今回参加されたランナーさんが「あの時、一緒に走った大学の選手だ」ということで応援してくださればうれしいですよね!今回出場した選手の皆さんも学生ハーフ、関東インカレ、全日本大学駅伝関東予選、箱根駅伝予選会と目標レースが続いていくと思いますが、ぜひそういった皆さんの応援も力に変えて現状打破していってほしいですね!