名城大学女子駅伝部に、個性豊かなルーキーが加入! 4年生になるとき開学100周年
全日本大学女子駅伝6連覇、富士山女子駅伝5連覇を達成した名城大学女子駅伝部。山本有真選手(現・積水化学)、小林成美選手(現・三井住友海上)たちが卒業しましたが、今年も勢いのある新入生たちが入学しました。8人の新入生の皆さんに高校時代を振り返ってもらいながら、大学での目標や意気込みまでお話を伺いました(学校名の後ろは高校時代のベスト記録)。
高校時代から憧れていた先輩たちを目にして
石黒碧海(あおみ)選手(大阪薫英女学院)3000m 9分25秒80
父がスウェーデン人、母が日本人の石黒選手は石垣島生まれ。12歳までアメリカで過ごし、その後は大阪に移りました。「両親の仕事の関係でアメリカの小学校に通っていて、夏休みはスウェーデン、冬休みは日本で過ごしていました。今は日本語、英語、スウェーデン語の読み書きと話をすることができます。関西弁はまだですね(笑)」。3カ国語が話せるトリリンガル・アスリートです。
高校時代は脊柱側湾症(せきちゅうそくわんしょう)などのケガに悩まされたこともありましたが「ケガをしたからこそ学べること、体の仕組みや栄養について自分で勉強することができました」と現状打破。全国高校駅伝では3区で3位という成績もおさめました。
「(大学では)少しでも貢献できるように頑張りたいです。すごい明るいチームで、先輩方も声をかけてくださいますし、質問もしやすいです。(高校の同級生・薮谷奈瑠選手と再びチームメートになり)高校3年間一緒で、同じ大学に入ったのも何かの縁かなと思います。少しでも追いつけるようにしたいです。(今後は)まずは体を整えて、一から作り直して、全日本も富士山も出たいですね。今まで支えてくださった方や『頑張って』と送り出してくれた方に少しでも良い報告ができるようにしたいです」
瀬木彩花選手(美濃加茂)3000m 9分18秒68
高校から地元を離れて下宿生活をしていた瀬木選手。高校2年の時はインターハイに届かず。3年生ではインターハイで3000mの自己ベストを更新。決勝に進出し、14位となりました。「高校3年間で心の部分でも競技面でも成長できたと思います」と振り返ります。
名城大では「ワクワクが多いです。同学年に自分よりも速い選手がいて、普段の練習から刺激をもらえます。テレビで見ていた先輩たちとの一緒の生活がすごくうれしいですし、自分も頑張ろうと思えます。競技面では故障せずに4年間、コツコツと練習を積んで、1年生のうちに5000m16分10秒台を出したいです。勉強の面では教員になりたいと思っているので、しっかり勉強もやっていきたいです」と目標をお話されました。
ちなみに、岐阜県高山市立中山中学校出身の瀬木選手。川内優輝選手の奥様・侑子さん(旧姓・水口さん)の母校でもあります。4年前に「M高史の部活訪問」で練習に伺いました。当時、中学生だった瀬木選手ももう大学生。活躍されていてうれしいですね!
田中咲蘭選手(諫早)3000m 9分18秒07
諫早高校時代は「ストイックにやっていて、四六時中、陸上のことを考えた3年間でした。高校では『全国で戦えるようになること』を目標にやっていたのですが、いざその舞台になるとなかなか力を発揮できずに終わってしまったことが、すごく悔しかったです」とお話された田中選手。
名城大では「練習や合宿など、いい雰囲気の中で練習できているので、ありがたいです。高校時代に憧れていた先輩をいざ目の前にして走っている自分が、正直まだ信じられないところがあります。同級生も世界で戦う選手もいる中、自分を見失わないようにやっていきたいです。まずは高校時代の自分を超えること、そしてレギュラーになれるように頑張りたいと思います。4年生になる時に名城大学の開学100周年です。連覇が重なっていけば10連覇になるので、できるようにしたいです」。大学節目の年での大偉業を見据えて、学生生活のスタートを切りました。
平田優月選手(ルーテル学院)3000m 9分28秒55
「(高校3年間は)1、2年目では全国に行けず、3年目でやっと全国に出られるようになりました。初めてのインターハイは全国の雰囲気を感じられて、自分の中でいい経験になりました。ただ、全国で活躍はできなかったので、大学では全国で活躍したいです」と意気込みをお話されました。
「周りのレベルがすごく高く、自分も周りに刺激を受けながら質の高い練習ができています。やっぱり先輩方は速くて、レベルが違います。目標は、まずはしっかり練習についていくことです。3年目、4年目でしっかり駅伝を走って優勝に貢献できたらなと思っています。見てる方に元気とか勇気を与えられるような走りができる選手になりたいです。『走り方が大きい』とよく言われるので、力強く走っていきたいです」とダイナミックなフォームで、さらなる飛躍を目指しています。
都大路優勝の村岡美玖選手も加入!
村岡美玖選手(長野東)3000m 9分15秒38
昨年の全国高校駅伝で優勝し、アンカーとしてフィニッシュテープを切った村岡選手。U20世界クロカンでは日本代表として世界の舞台にも挑みました。
「(全国高校駅伝は)最終的に自分が切らせていただいたのですが、チームとして全員駅伝ができて、その結果だと思います。誰もが予想していなかったことでしたが、今までやってきたことを結果として出すことができたと思います。世界クロカン日本代表について、今回は楽しんで走らせていただくことができました。高校時代に世界の立場を経験することができたのは、すごく大きいです。日本のクロカンではあまり経験できないようなこと、海外の選手のスピードを経験できたことが大きいですし、今後は世界でも戦えるような力をつけていきたいです」
大学では「憧れの名城大学に入学して、まだまだ先輩方についていく立場ですが、いずれはチームに走りで貢献できるような選手になりたいです。高校よりも長い距離に挑戦すること、記録を出すこと、そして駅伝の連覇に向けて自分が走りで貢献することができるようになりたいです」。日本代表を経験し、さらなる高みを目指します。
薮谷奈瑠選手(大阪薫英女学院)3000m 9分14秒82
「中学時代は全国と絡むような選手ではなかったですが、高校はすごく成長できた3年間でした。ケガもあり、波がありました。走れている人を見ると落ち込むこともありましたが、同級生に強い子がいて自分もそういう風になりたいと、できることをしっかり頑張っていました。インターハイの決勝、都大路でのアンカーなど全国の舞台を経験して、空気がすごく締まっているのを毎回感じていました」と振り返る大阪薫英女学院高校での3年間。
「名城大学の練習は雰囲気も明るく、練習前は緊張もしますが頑張ろうとやる気になれますし、ワクワクしています。名城大学には憧れの先輩がいっぱいいて、常に目標があります。大きい目標としては長い距離をしっかり走る選手、ハーフマラソンを走れるようになりたいです。今年中に5000mでは15分50秒を安定して切れるようにしたいです」とさらに長い距離も視野に入れています。
山田未唯選手(宇都宮文星女子)3000m 9分27秒08
「高校時代、20年ぶりとなる都大路出場が決まり、3年連続で都大路に出場できることができてよかったなと思います。初めての全国の舞台はすごく緊張した部分もありましたが、1年生らしく楽しく走れました。2年生では花の1区を走りました。上りがあまり得意ではなかったですが、『次の区間の選手のために』と思って走ることができました。個人としては3年生で初めてインターハイに出場しました。ケガから復帰して、あまり練習ができていない中で悔しかったですが、全国大会に出場する経験ができてよかったです」と高校時代を振り返りました。
「これから授業も始まって大学生活が楽しみです。名城大学ではレベルが高くてついていくのに必死ですが、これから少しずつ成長していけるように頑張りたいです。今年は、まずは練習のレベル、質を上げて、自己ベストを狙っていきたいです」と自己記録の更新を目標にしています。
力丸楓選手(仙台一)1500m 4分22秒74
宮城県仙台第一高校出身の力丸選手。「高校時代は勉強との両立には結構苦労しました。朝練習も各自で集まって練習していたり、練習メニューも自分で立てたりする時もありました。勉強との両立で心がけていたのは、部活だけ頑張っていると勉強がおろそかになるので、登下校の時に勉強したり、隙間時間を見つけてやったりしていました」と文武両道な高校時代を過ごしました。
「大学では高校までとは距離も全然違います。高校までそんなに距離も走っていませんでした。1年目はどうにか練習をこなせるように、練習に慣れることから始めていきたいです。最初の目標は1500mで4分20秒切ることです。3000m、5000mでもタイムを縮めていきたいです。4年間で駅伝を走れるようにしたいです」。まずは1500mの記録更新を目指し、4年間での駅伝メンバー入りも視野に入れています。
個性豊かな8人のルーキーが加入し、強さに磨きがかかっている名城大学女子駅伝部。今年の大学女子駅伝も熱くなりそうですね!