駅伝

連載:M高史の駅伝まるかじり

ぼくたちの熱く優しき大八木監督・前編

ぼくたちの熱く優しき大八木監督・前編
M高史です。駒大も激走した全日本大学駅伝の裏で、「下関海響マラソン2018」を走ってました。2時間56分でした! (撮影・松嵜未来)

駒澤大学といえば大八木弘明監督です! 母校である駒大に就任されて今年で24年目(コーチ、助監督を含む)。出雲駅伝で3回、全日本大学駅伝で12回、箱根駅伝で6回と、学生三大駅伝で通算21度の優勝をもたらしてます。箱根では大八木監督も乗車する運営管理車からの「選手への檄」を楽しみにされている駅伝ファンの方も多いですね。そんな大八木監督とはどんな方なのか、M高史なりにお話させていただきます。

誰よりも現場を知っているから

とくに主務を務めさせていただいた3、4年生のときは、監督と毎日ご一緒させていただき、監督が不在のときも電話で連絡してましたので、監督とお話しない日はないくらい、密度の濃い時間を過ごさせていただきました。大八木監督は、とにかく陸上と教え子が大好き。そしてサウナが大好きです(笑)。

そして、現場が一番。とにかく現場を大事にされる方です。どんなに朝早くても、悪天候でも、忙しくても、現場にいらっしゃいます。陸上への情熱、教え子への愛情が全身全霊で伝わってきます。いつも見てるから、選手の特徴や体調をぴしゃりと当てます。ぼくが4年生のときの全日本でも、106.8km(8区間)という長いレースにも関わらず、監督が事前のミーティングで話してた設定タイムと実際のタイムの誤差はわずか5秒。その結果優勝したときは、本当に驚きました。

現場を大事にされてるから、選手だけでなく周囲の異変にもすぐ気付かれます。寮の入り口付近に蜂の巣ができたときも、誰よりも先に気がつき、先陣を切って蜂の巣を駆除されてました(笑)。選手も愛情を持って毎日見てくださる監督で、しかも予想がズバズバ当たるから、監督のことをみんな信頼しているのだと思います。

「感性」の大切さ

監督が常日頃からおっしゃっていたのが「男だろ!!」……というのは冗談でして(笑)。「感性」です。感じることの大切さ。言われたことだけマニュアル通りにこなすのではなく、いま何が必要とされてるかを感じとる姿勢です。例えば、選手の表情、仕草、足音、声を感じとること(普段との違いを見てないようで、さりげなく感じとる)。走り終わった後の選手の仕草で「設定タイムで練習をこなせたけど、余裕がなさそう」といった選手の余裕度まで、よく見ていらっしゃいました。マネージャーの仕事で求められる「感性」の例をあげると、

・監督が「こういうデータがほしい」という時にサッとお渡しできる
・選手が「こうしてほしい」という前にさりげなく準備しておく、調べておく
・過去に同じタイプの選手がいたら、どういうタイムで走っていたか調べておく
・過去のデータから同じような気象条件だったときのタイムを調べておく

といった感じです。

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大八木監督の前では、自然と背筋が伸びます(写真は本人提供)

そうした準備ができていたら、過去に優勝した先輩がどれくらいで走っていたか、選手もチェックすることができます。気配り、心配り、感じとって動くことの大切さ、そしてもちろん基本的な確認、報告、情報共有の大切さも、たくさん教えていただきました。ただぼく自身はマネージャーの仕事をこなすだけでいっぱいいっぱいになってて、まったく余裕がなく、当時はできてなかったこと、気付けてなかったことの方が多かったと反省してます。

卒業後に就職した福祉施設(障がい者施設)、そしてものまねアスリート芸人の仕事においても、大八木監督の教えは生きてます。障がいがあって自分の気持ちをお話できない利用者さんの表情や仕草から気持ちや体調の変化を感じとったり、ステージやMCで台本や予定通り進まないときに場の空気を感じとってアドリブを利かせたり。「あのとき監督がおっしゃってたことって、そういうことだったんだ」と感じることばかりで、いまでも感謝してます。

大八木監督がときに学生に厳しい言葉をかけるのは、社会人になっても恥ずかしくない人を育てたいという指導哲学と選手やマネージャーへの愛情があるのだと思います。大八木監督が授けてくださった言葉や想いはまだまだたくさんあります。1回分では書き尽くせないので、続きはまた来週!

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