箱根まで1カ月、そのときマネージャーは
箱根駅伝まであと1カ月に迫りました。11月は全日本大学駅伝、ハーフマラソン、記録会と、選手たちが箱根駅伝のメンバー入りをかけ、自身のアピールをする月間でもありました。12月に入ると、試合や記録会に出場するというよりは、合宿で本番に向けて距離を踏み、実践的なトレーニングと調整をします。チームの集中力が高まるとともに、マネージャーも怒涛の時期を過ごします。今回は箱根駅伝1カ月前のマネージャーのお仕事を紹介させていただきます。
全力で体調管理!
何と言ってもこの時期はとくに体調管理が大切です。集団で寮生活をしているので、風邪がはやると一大事です。うがい、手洗いは言うまでもなく、食堂や各部屋の加湿のほか、授業や治療などで外出する際に必要なマスク、のど飴も常備します。もちろん選手だけでなくマネージャーも体調管理が大事です。
箱根駅伝前はテレビ、新聞、雑誌など本当にたくさんのメディアの方から取材していただきます。選手へのアンケートというかたちで取材を受けることが多いのですが、アンケートの依頼先が違えばアンケート項目も違います。そのため、選手には1枚1枚記入してもらいます。それをマネージャーが期日までに集め、返送します。
取材の依頼があった際は監督に確認し、スケジュールを調整します。箱根駅伝前はとくに合同取材日を決め、各メディアの方にお越しいただき、写真撮影やインタビューをしていただいています。ちなみに、当時お世話になった陸上記者の方には、いまでもお世話になっています。改めて人のご縁の大切さを感じます。
OBへのお願いも大事
「もうひとつの全日本 そのとき主務は……」でもお話させていただきましたように、大きな大会ではOBも活躍してくださいます。そのため事前準備として、お手伝いいただくOBへ早めに連絡をします。僕も卒業してからも僭越ながら毎年お手伝いをさせていただいておりますが、先日、吉川大和主務(4年)から丁寧に連絡をいただきました。
ちなみに箱根駅伝前は、OBや関係者から激励の差し入れをいただくことが多いです。米、野菜、果物などです。マネージャーはお礼の手紙を書いたり、電話をしたりします。
そして、サポートメンバーの動きをまとめた資料を作成します。寮待機、付き添い、現地タイム係、給水係、補助員といった担当振り分けます。それぞれの係がどんな役割なのかは、また別の機会にお話しさせていただきますね。とくに現地タイム係は前準備が必要になります。
この係は沿道でタイム差を計測し、チームに情報を伝える任務を担います。僕が学生だったときは印刷した地図を現地タイム係に渡していました。最近はスマホで詳しく地図を調べられますし、箱根駅伝のコースが詳細に載った地図アプリもあるので、マネージャーのお仕事も格段に楽になったと思います。かなり具体的で分かりやすい箱根駅伝の本も出ていますし。当時の苦労を思い出すと、いい時代になったなって思ってしまいます(笑)。また、大学によっては宿泊や移動手段の手配も必要になります。
「試合届」もマネージャーの仕事
大学への対応もあります。この時期には選抜合宿をするため、宿泊や交通の手配、合宿届を大学の学生部に提出します。試合に出る場合は試合届が必要なので、箱根駅伝に出場する際も試合届を提出します。
大学の広報関係でマネージャーが執筆する機会もあり、当時から文章はよく書いていました。書くこと自体は苦ではなく当時から好きだったのですが、そうしたマネージャー経験がいまこうして生かされているのかもしれません(笑)。学生時代は本当に貴重な経験をさせていただいたな、と改めて感謝です。余談ですが文書を書くといえば、4年生のときは卒業論文もあるので、所属していたゼミの先生には大変お世話になりました。12月に入ってから一気に仕上げた記憶があります(笑)。
マネージャーの箱根駅伝1カ月前はこんな感じです。大学駅伝は選手への声援はもちろん、裏方で支えるマネージャーや控え選手たちにも、ぜひ応援のほど、よろしくお願いします!