アメフト

連載:近畿大学アメフト部OB中山一郎の「行動あるのみ」

ドイツ在住の夢追い人・中山イチローの「人生なんとかなってきた」#1近大アメフト時代

ドイツで娘と

もう27年前になるんですか。私は、ほぼ全員がスポーツ推薦の選手だった近畿大学アメリカンフットボール部に入りました。アメフトの経験などなく、スポーツ推薦でもなく、2年も浪人した末の入部でした。まもなく、ある上級生から言われました。「ここには高校で選抜選手やった有名な選手がゴロゴロおるんやぞ!! アメフトやったことない一般(一般入試で入った学生の通称)が試合に出られるはずないやんけ!! なんで入部してきたんや?」。その瞬間、「絶対に試合に出てやる」と、いままでにない強い気持ちが心の奥底から湧き出てきました。

40歳で吉本をやめてドイツへ

申し遅れました。ドイツ在住の中山一郎と申します。48歳です。40 歳のときに、お笑いの吉本興業を退職し、サッカー関連のビジネス⽴ち上げを⽬的にドイツへ渡りました。⽇本⾷レストランの経営など、夢の実現までに紆余曲折ありましたが、現在はサッカーエージェントとして日本とドイツをつなぐ仕事をしています。これから毎週土曜日、私の「なんとかなってきた」人生について、コラムの形でお届けしていきます。15回ほどで終わる予定です。ぜひ、よろしくお願いします。

ここで大学入学までの人生について触れておきます。私は昭和46年4月3日に大阪府豊中市で生まれました。小5のときにサッカーを始め、小6と高3のときには主将を務めました。
サッカーの強い大学に行きたかったのですが、大学入試に2年続けて失敗。もう1年挑戦するかどうか悩んだ結果、「一流大学に合格して、その合格通知を破り捨ててアメリカに飛び、一旗揚げてやる!!」というろくでもない目標を立て、2浪生活をスタートさせることにしました。

1年後、一流大学の合格通知は一切届かず、近畿大学の合格通知だけが届きました。しかも、よく見たら“補欠合格”と書かれていました。気づいたときには補欠合格通知を強く握りしめながら予備校に電話し、「補欠合格でもちゃんと入学できるんですか?」と大声で言ってました。

2浪して入った近大で、自分の心の奥底を知る

当初の目標とはまったく違う結果になりましたが、近畿大学には無事に入学できました。ようやく「大学でサッカーがやれる!!」と思ったのですが、「全国⼤会の出場歴がない」という理由で⼊部を断られてしまいました。当時の近大はスポーツ推薦以外の学生が入部できる体育会系の部は少なかったんですが、幼なじみの親友がほかの大学でプレーしていたのと、一般学生でも入部できるという理由からアメフト部に入ったのです。

冒頭のシーンに戻ります。自分の心の奥底がどこにあるのかを自覚したのは、先輩に「なんで入部してきたんや?」と言われたときが初めてでした。心の奥底から湧き出る気持ちは、自分でも信じられないほどのパワーを生み出し、どんな苦難もつらく感じることはありませんでした。

近大アメフト部ではディフェンスのラインバッカーで奮闘していた(中央で顔の見えているのが中山さん)

その結果、3回生からディフェンスで試合に出られるようになり、4回生になるときには主将に推されるまでに。「俺の大学生活は順風満帆!!」と思っていたら、そのあと、大きな落とし穴が待っていました。

試合に出るという目標を達成したあとは、“いい選手になってやる“、“一般でもこれだけやれるというのを見せつけてやる“など、あれこれ目標は立てるのですが、それらの目標に対しては、心の奥底から強い気持ちが湧き出てくることはありませんでした。

そうなると苦難をそのまま感じ取ってしまい、練習するのが嫌になったり、監督やコーチの目が必要以上に気になったり、仲のいい先輩の親切なアドバイスですら負担に感じたりしていました。そのような状態で目標を達成することができるはずもなく、4年間で一番大切な4回生の1年に後悔ばかりを残すことになってしまいました。

満足した瞬間に成長はストップする

“心の奥底から湧き出る強い気持ち“があるのとないのとでは、過程も結果も大きく変わること。そして満足した瞬間に成長がストップすることを学んだ4years.でした。

仕事仲間と一杯

社会に出てからはその教訓を生かし、“心の奥底から湧き出る強い気持ち“に従って生きているのですが、その影響からか、よくも悪くも、人とは少し違った人生を送っております。私が「人生なんとかさせてきた」実体験を綴ることで、“心の奥底から湧き出る強い気持ち“の大事さを分かってもらいたいのと同時に、大学4年間でできるだけ多く、その気持ちにつながるものを見つけてほしいという願いを込め、このコラムに向き合っていきます。

●ドイツ在住の夢追い人・中山イチローの「人生なんとかなってきた」

#1近大アメフト時代#2 近大4回生 #3 社会人1、2年目 #4 社会人2年目

近畿大学アメフト部OB中山一郎の「行動あるのみ」

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