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連載:近畿大学アメフト部OB中山一郎の「行動あるのみ」

ドイツ在住の夢追い人・中山イチローの「人生なんとかなってきた」#12 香川真司とお好み焼き

香川真司と母親のお好み焼きから、ビジネスがひらめきました(写真はイメージ、撮影・久保田侑暉)

生後1カ月の長女の世話で意識朦朧(もうろう)だった妻から“脱サラ・ドイツ移住”のゴーサインが出ました。でもFIFA公認代理人のアンドレアスと具体的にどのような仕事を進めていくのか、まったく話をしてなかったので、「ドイツ」「サッカー」「FIFA公認代理人のアンドレアス」という三つのキーワードから、どう生計を立てていくのか考えました。

ドイツのサッカースタジアムでお好み焼きを売ろう!

当時ドイツでは、セレッソ大阪から移籍した香川真司選手が大旋風を巻き起こしてました。そしていろいろ考えていると、僕の母親が大阪の実家にホームステイさせていた外国人留学生が、母親の作るお好み焼きを「おいしい、おいしい!」と言って食べていたのを思い出したんです。

ひらめきました。

香川選手が所属していたチームのホームタウン大阪の名物『お好み焼き』を、ドイツのサッカースタジアムで売ろう!
アンドレアスに連絡したところ、彼が住む街のクラブ「1.FCカイザースラウテルン」(当時ブンデスリーガ1部)のスタジアムだったら、すぐに許可がもらえる、と。
なんとかなるような気がしました。

その後、アンドレアスは「2週間に1度しかホームゲームがないけど、スタアジアムで“OKONOMIYAKI”を売るだけでは生計が立てられないんじゃないか?」「実は俺はカイザースラウテルンにホテルを持ってる。そこにはレストランがないから、そこで『OKONOMIYAKIレストラン』をオープンさせてみないか?」「ホテルの横にはヨーロッパ最大規模の日本庭園もある。レストランを経営したら、ドイツ語を覚えられるし、ドイツの生活にも慣れて、生計も立てられる。レストランを経営しながらスタジアムで“ OKONOMIYAKI“ を売った方がいいと思う」と、提案してくれました。

僕が3歳のころから、母親が大阪府豊中市の実家でお好み焼きをメインにした飲食店を経営していたこと、妻の料理がおいしかったことから、なんとかなるイメージが湧きまくり、即決でその提案に乗ることにしました。

オカンのお好み焼きが活路を開いてくれました(写真は本人提供)

妻に食らった「単身渡独通告」

早速、妻に「アンドレアスからええ提案もらった! ドイツで一緒に『お好み焼きレストラン』をやろう!」と伝えると、開口一番「アホか!」。「そんな訳の分からん話に付き合ってられへん! もう、一人でドイツ行っといで!」と、単身渡独通告をされてしまいました。

仕事と家庭生活の両立を目的に脱サラしたのにそりゃないで! と毎日、毎日「なんとかなるイメージが湧くんや! 俺がこう思うときはいつもなんとかなるんや!」と、見事なまでに説得力のない言葉で妻を説得し続けました。
最終的に「妻にはレストランを一切手伝わせない」という条件付きで、無事に(?)家族3人でドイツ・カイザースラウテルンに引っ越すことになりました。

大阪生まれの大阪育ち、こよなく大阪を愛するだけでなく、子育てにも慣れてきて意識朦朧でない状態の妻を口説くのは大変でしたが、なんとかなりました。

ドイツに移住してからの話まで書こうと思ってましたが、たどり着きませんでした。次回はおそらくドイツに移住してると思います……。

●ドイツ在住の夢追い人・中山イチローの「人生なんとかなってきた」

#11 ドイツへ#12 香川真司とお好み焼き#13 寿司職人やーい

近畿大学アメフト部OB中山一郎の「行動あるのみ」

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