アメフト

連載:アメフト応援団長・コージコラム

特集:第74回甲子園ボウル

人生を狂わせられた甲子園ボウル! 4年生のときの自分に手紙を書いてみました!

12月になると、気持ちが高ぶってきますよねえー(撮影・山本倫子)

4years.をご覧の皆様こんにちは。コージです。
いかがお過ごしでしょうか?

自分は最近、オンラインサロンにて『Hedgehogs』(ヘッジホッグス)というスポーツコミュニティチームを作って活動しています。スポーツをきっかけに集まったメンバーたちのいろいろな「好き」を、共有できる場になってます。

その中でですね、一つのイベントとして「チームでスポーツ観戦」というのがあります。メンバーにスポーツ観戦の楽しさに触れてもらおうというのが一つと、もう一つは試合会場の空席問題を解決するという狙いもあります。多少強引かつ強行突破ではありますが、「試合をするチーム」と「試合観戦をするチーム」が一つになって、会場を盛り上げるという構図が生まれれば、みんなが幸せになれると考えています。

というわけで、早速12月からそのイベントが始まり、ラグビーやアメフトの試合に実際に行く予定となっています!! 少しでもアメフトを好きな方が増えてくれて、アメフトへの恩返しとなりますように。

カウントダウンを聞いたあとの自分です(写真は本人提供)
全国のアメフト部員へ 優勝できなくても全力で戦い抜けば、人生に生きてくる

負けが決まるカウントダウン、いまも夢に

さて!!
寒さも本格的になってきましたね。毎年12月に入ると気持ちが高ぶってくるのはよく聞く話ですが、それはなぜでしょうか? クリスマスがあるから? 忘年会があるからでしょうか? 大みそか? はたまた僕の誕生日があるからでしょうか?
みんなそれぞれ理由は違うと思いますが、自分の場合はそのいずれでもありません。

それは、何度忘年会をしても、消して忘れられない出来事があるからです。
もちろん『甲子園ボウル』です。あの思い出だけは、いまだに色あせず、心の中に残っています。本当にいまでもよく夢に、敗戦が決まる10秒前のカウントダウンのシーンが出てきます。

甲子園球場の大観衆と相手チームが大声で「10!9!8!7!6!........」と。人生の中で1になってほしくないカウントダウンに出会うことってなかなかないですよね(笑)。

初めて耳にする方のために! 甲子園ボウルとは大学アメリカンフットボールの決勝戦のことです。その名の通り、決戦の地は「阪神甲子園球場」。野球場でアメリカンフットボールの試合があるという違和感は、学生のころ、自分のクラスとは違う教室に間違えて入ってしまったときの違和感にどこか似ている気がします。

実際にフィールドに立ってみると、いろんな怨念が降りかかってくるように感じます。何十年にも積み重なった、見えない高校球児の汗と涙や、観客席からの阪神ファンの怒号など(笑)。まぁとにかくいろんなものを背負った球場だというのが足先から感じる、そんな場所でした。

大学でアメリカンフットボールに携わっている人間なら誰もが1度は立ってみたいと願う甲子園。今年は関西学院大学と早稲田大学が、甲子園行きの切符をつかみました。

学生フットボーラーの誰もがあこがれる甲子園ボウルに3度いかせていただいた自分が、甲子園ボウル出場を決めた法政大学4年生のときの自分に手紙を書いてみたいと思います。軽い自慢も入れておきました(笑)。

あのときの自分へ「甲子園ボウル出場、おめでとう」

拝啓
師走に入り、慌ただしい毎日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?
甲子園ボウルという重くて大きな切符を手に入れた貴方は、うれしさと大きな不安に押しつぶされそうになっていることでしょう。そして、いまごろ躍起になって相手チームを分析していることでしょうか。
いま1度、相手のことは横に置いて、自分の立っている環境を見直してみて下さい。そして貴方一人の力では何もできなかったことを、改めて実感して下さい。
チームメイトや親に、感謝の気持ちを言葉で伝えて下さい。

あれ以上の感情の高ぶり。いつになるかな(撮影・山本倫子)

これから貴方は甲子園ボウルに人生を狂わされます。
甲子園ボウルでの興奮がそれほど快感だったのです。大学卒業後、就職という道を捨て、フリーターになり、いまでは芸人という道を歩き始めています。
その目的こそが「甲子園ボウル以上の感情の高ぶりを味わうため」なのです。あのアドレナリン分泌量を超えることです。
まだその瞬間は訪れてはいません。それぐらい甲子園ボウルは貴方の人生において重要な出来事だったのです。

相手のチームはとにかく強いです。もしかしたら負けるかもしれません。でも最後の1秒まであきらめてはいけません。
本気で取り組んだ先に見えるものがあるからです。
答えは勝ち負けの二つだけではありません。人生という土俵でそれをしっかりと見つけて下さい。

甲子園ボウルに出場できたことは、いまの僕の誇りです。
甲子園ボウルに出場して、人生を狂わされたことも僕の誇りです。
それに決して後悔はしていません。
本気で目指したからこそ、気づけた感情です。

出場おめでとうございます。
あなたは戦う前からすでに、一生誇れる切符を手に入れたのです。人生が変わるカウントダウンが始まりました。

今後ますますのご活躍を楽しみしております。
敬具

学生スポーツ最高!! 胸が熱くなったライスボウルのすべてをお届けします

アメフト応援団長・コージコラム

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