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連載:アメフト応援団長・コージコラム

約2カ月後の10年ぶりの初戦へ、一歩一歩かみ締めるように進む

10年ぶりの初戦を迎える心境は?(撮影・北川直樹)

4years.をご覧の皆様こんにちは。アメフト応援団長のコージ・トクダです。

さて、コロナの影響でしばらくストップしていた「試合についての情報」が動きを見せ、ついに我々(みらいふ福岡SUNS)の初戦の日程が決定しました。運命の初戦は、11月1日の日曜日です(アズワンブラックイーグルス戦@神戸市王子スタジアム)。

約2カ月後に「10年ぶりの初戦」というモノを味わう事になるのです。今日は、そんな10年ぶりの初戦を迎える僕の心境をお話し致します。

10年、一言で片付く年月ではない

そう。10年も年月が経てば大概の物事は変化しているもの。当時はスマホなんてほとんど持っていなかったし、もちろんLINEなんて誰もやっていなかったし、「ドラえもん」の声優陣の交代もまだまだ受け入れられなかった。10年というのは一言で片付く程簡単な年月ではなかった。そんな時から離れていた事に再度挑戦する。

2009年度は法政大学主将として甲子園ボウルでプレーした(撮影・朝日新聞社)

10年という年月を自分ではどう感じているのかと言うと、正直よく分かっていない。ただ分かっているのは確実に2カ月後に試合はやってくるという事。そんな現実を目の前に、今は色々な想いが交錯している。実を言うと、「アメフトを変える」と思いだしてから復帰をした現在、未だに現実か空想か分からない時がたまにある。

朝起きた時に不思議な感覚になる。

「今は夢? ん? どっちだ」

半分しか開いていない目を下に向けて、練習のキズが付いたカラダを見た時に悟る。「うん、このしっかりとした痛みは現実だ」と。

引退していたこの10年の間に何度も夢を見て思い描いていた事が故に、どっちか分からなくなる現象が起きるのだ。

「地に足がついてないんじゃないの?」

そう思われる方もいるでしょう。

否。僕は至って冷静である。この感覚をいうなれば、「地面に足は付いているのだが、顔は上を向いている状態」というのが一番しっくりくる表現だろうか。大きな崖があれば立ち止まるだろうが、水溜りや多少の地面の凸凹は見ないようにしている。

広い荒野を一人で行く、その先に見えるもの

ここからは、僕の脳内へご招待します。

だだっ広い荒野をイメージして欲しい。そこをただ一人、歩いている。天気は薄暗く空は赤く濁っている。少しだけ肌寒い。一歩一歩重力を感じながらズシズシ歩いている。

少し先にボコっと膨らんだ丘が見える。その丘の前に看板が立っていて、大きな文字でこう書かれている。

「レギュラー獲得の丘」

なるほど。ここを渡り切らないといけないのか。その丘を避けて進む事は出来るのだが、もちろん少し遠回りする事になる。

目を細めて見ると、その先に低めだがうっすらと山が見える。その山の前に看板が立っていて、大きな文字でこう書かれている。

「11月1日の初戦の山」

なるほど。この山を登り切らないといけないのか。この山をしっかりと登り切る事が出来るのか。もちろん山を避けて進む事は出来るのだが、元に戻る道が分からなくなるかもしれない。

もっと先に大きな山が見えた。上の方は雪がかかっている。その山の前にも看板が立っていて、大きな文字でこう書かれている。

「決勝戦」

なるほど。初戦の山を登り切ったら次はこの大きな山があるのか。雪がかかっているので登山の準備をしっかりとしないと登れそうにない。左右は崖で避けて進む事は出来なそうだ。

僕は脳内でこんなゲームをしている。このゲームのタイトルは「アメフト人気スポーツへの道」

2カ月後に到達するであろう「初戦の山」を登り切る事が出来るのか。10年分の想いを一歩一歩噛み締めるように歩いて進んで行く。

アメフト応援団長・コージコラム

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