バスケ

連載:バスケ応援団長・カルロスコラム

特集:第73回全日本大学バスケ選手権

これぞインカレ! 初優勝の白鷗大、東海大との決勝でも垣間見えたアツさ・渋さ

初優勝の喜びを胸に、みんなで網野監督を胴上げ(撮影・全てCSPark)

皆さんこんにちは! 宇宙人イチ大学バスケを愛する(自称)宇宙人、カルロスです。コラム第24回!です!! インカレ2021が終了し、日本一のチームが決定しました。白鷗大学が初めて決勝の舞台に立ち、東海大学を63-58で破って初優勝。本当のマジで本当におめでとうございます。

今年のインカレは全試合超アツくてですね……紹介したいゲームもたくさんあるんですが、今回はアツすぎた決勝について書いていこうと思います。試合前、試合後、カルロスが選手やコーチたちと話した内容も交えてその“熱”を伝えていきたいと思います! さあ伝えようか……大学バスケ最高峰の最終決戦(ラグナロク)の“様子”を、ね。すみません、最近中二病な言い回しハマってるんです(笑)。

白鷗大が東海大を破ってインカレ初V、「スター軍団に勝てる」と皆が確信したチーム力

スター軍団・東海大学vs.THEチームバスケの白鷗大学

インカレ2021決勝のカードは東海大学vs.白鷗大学。東海大学は、全治12カ月の大けがから復活した絶対的エース・大倉颯太選手(4年、北陸学院)がタレントぞろいのメンバーを率いるスター軍団です。2回戦・準々決勝・準決勝と、接戦のゲームを制して決勝の舞台に進んできました。勝負どころでチームを勝たせるのはやはり大倉颯太選手。彼を止めなければ対戦相手に勝利はありません。

東海大の絶対的エース・大倉選手が立ちはだかりました

対する白鷗大学は、高校時代から全国で名を馳(は)せた選手がたくさんいるわけではありません。アンダー世代の日本代表や、Bリーグの特別指定選手を経験したプレーヤーも多くはいないです。しかしチーム力を鍵に初の決勝の舞台まで駆け上がってきました。特筆すべきは大学バスケトップクラスのディフェンス強度。準々決勝ではラン&ガンスタイルで得点を量産する日本体育大学を67得点に抑え、準決勝では超人軍団・筑波大学を51得点に抑えました。1試合80点が1つのラインとされるバスケにおいてこの守備力はすごいです!

徹底的に鍛えてきたディフェンスで東海大の勢いをそぐ

事実、決勝の舞台でも東海大学を58点に抑え、初優勝をつかみました。大会MVPに輝いた松下裕汰選手(4年、飛龍)、ベスト5を受賞した角田太輝選手(4年、佐賀北)、そしてカルロスが“ファウルもらいマン”と称する(ほめてます)杉山裕介選手(3年、飛龍)の3人のディフェンスは圧巻でした! シュートタッチが悪かったなどもあると思いますが……東海大学の軸である大倉選手や河村勇輝選手(2年、福岡第一)を合計10得点に抑え、他のバックコートメンバーもしっかりと守りました。さすが白鷗大学が誇る“激シブ三銃士”。強度の高いディフェンスを40分間やり続けるというのは本当にすごいことです。補足ですが、河村選手は決勝で6得点でしたが12アシストだったので、それはマジでさすがだと思いました(語彙力)。

白鷗大の“チーム力”とは

決勝の前に、白鷗大学の網野友雄監督と石井悠右アシスタントコーチと話す機会がありました。全部は書けませんが……めちゃくちゃ東海大学に対する準備をしていました。東海大学のシステマチックなハーフコートバスケットに対するスカウティング、そして八村阿蓮選手(4年、明成)や佐土原遼選手(4年、東海大相模)などのスコアラーに対する策など、たくさんの準備をしていました。それを選手たちが遂行し、チームがガチッとハマった結果が今回の逆転優勝だったのかなと思います。コーチ陣が準備したものを、選手たちがコートで披露するのもチーム力。めちゃくちゃすごいです。

苦しい時にほど仕事をする男・佐土原選手をどう抑えるか、徹底的に対策をしてきたそうです

そして何と言ってもインカレ史上最高にシブいMVP・松下選手です! 後半の勝負どころで逆転に導く連続得点、そして激アツなバスケットカウント。カルロスはコートサイドでカメラを回していたんですが、ジャンプシュートやレイアップをしっかりと決める松下選手を見て「4年生の意地」を感じました。そして泣きそうになりました。

前にも大学スポーツにおける4年生のパワーを書かせていただいたんですが、インカレはやはり4年生の大会。技術や体力を超えたところで感動を生むんだなあ、と思いました。

倒れ込みながらのミラクルショット沈めた松下主将はこの雄叫び!

松下選手がMVPを受賞した後、カルロスが「MVPどうですか?」と聞いたら、すぐに「チームのおかげです」と返ってきました。初優勝にMVP、絶対に嬉(うれ)しいはずなのに、すぐに口に出たのはチームのこと。なんなんだ松下! 素晴らしすぎるだろ松下!! 好きだ松下!!!

それを聞いた時に、このキャプテンにこのチームありと感じました。最高のチーム力で優勝をつかんだ白鷗大学、みんな渋い活躍をしていましたが、それがもう魅力! 本当におめでとうございます!

カルロス的な大会MVPは……

試合の内容などは、書き始めると止まらないのでぜひ皆さん見てみてください! 最高の感動に包まれて「感動パイ~隠し味は涙よ~」が作れるはずです。最後に、カルロス的なMVPを紹介しようと思います。

MVPは白鷗大学のブラ グロリダ選手(4年、帝京長岡)です! もう全試合体を張ってね……副キャプテンとしてチームを鼓舞する最高の活躍を見せてくれました。試合を見ていた方でブラ選手のバスケットカウントでしびれた人もいると思います。カルロスもその1人です。身長195cmと留学生選手の中では大きい方ではないんですが、その献身的な姿勢とテクニックで白鷗大学の大黒柱として大活躍しました! 2回戦の名古屋学院大学との試合では、1回戦で34得点・21リバウンドという脅威のスタッツを残した身長207cmのオコエ ピーター ジュニア選手(1年、開志国際)を14得点に抑えています。白鷗大学のチーム力を支える選手の1人です。

決勝後のインタビューで「自分はこのチームで一番みんなとケンカしている。大黒柱として、みんなの気持ちが落ちる時はアップしてあげようと声をかけていた」とコメントしていました。2年生の時、膝(ひざ)を大けがしてからのこのパフォーマンス。本当に大活躍でした!

カルロス的MVPは副キャプテンのブラ選手(中央)です!

他の4年生や下級生も含め、白鷗大学メンバーは「チームで戦ってつかんだ勝利」と試合後に言っていました。何が起こるか分からない大学バスケ、今回の決勝はたくさんの感動を生み出したと思います。

さて、今回もコラムを読んでいただきありがとうございました! 今回のインカレに参加したチーム・選手の皆さん、そして大会を運営してくださった学連スタッフの方々、代々木第二体育館を満員で埋め尽くしてくれた観客の皆さん、本当にありがとうございました! ひと段落しましたが大学バスケは止まりません。まだまだみんなで楽しんでいきましょう!

バスケ応援団長・カルロスコラム

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