富士山女子駅伝と箱根駅伝はまもなく! 西村菜那子が注目する4年生ランナーは?
「駅伝に詳しすぎるアイドル」として陸上ファンも一目置くNGT48西村菜那子さんのコラムです。今回は間近に迫った富士山女子駅伝、箱根駅伝で西村さんが注目している4年生ランナーについて語ってくれました!
やはり目が行くのは、4年生ランナー!
みなさんこんにちは! 早いもので今年も残すところあとわずかとなりました。
「男子の箱根、女子は富士山」と言われる通り、毎年楽しみにしている大学駅伝の頂上決戦がまもなく幕を開けます! 毎年多くの注目ランナーがいるのですが、どの年も比較的、私は4年生に着目していることが多いような気がします。その理由としては、富士山女子駅伝も箱根駅伝も学生スポーツであるからでしょうか。毎年、ルーキーや初出場の選手など様々なランナーが目まぐるしい活躍を見せますが、やはり最上級生が大学生活の集大成として、悔いなく走り切る姿が見たいと思うのが一番の気持ちです。
ということで今回は、富士山女子駅伝と箱根駅伝。今日はこの2つの大会で私が注目している4年生ランナーの紹介をしたいと思います。
チームの中心となる2人の選手
まずは富士山女子駅伝から。1人目は名城大学の和田有菜選手(長野東)です。和田選手といえば、今では大学女子陸上界で圧倒的な強さを誇る名城大学のキャプテン。1年生の頃から主力としてチームに貢献してきた和田選手も早いもので4年生となりました。なんと和田選手は、大学に入学してからの全日本大学女子駅伝と富士山女子駅伝のチーム成績がすべて優勝。1年生から負けなしの成績を持っています。つまり今回の富士山女子駅伝で優勝を果たせば大学女子駅伝、優勝完全コンプリートとなります! 今年も和田選手の特徴でもある笑顔の走りが再び見ることができたら嬉(うれ)しいですよね。
少し話が逸れますが、先日、長野市でアンバサダーを務めている「NAGANO未来デザインアワード」のお仕事の一環で、長野市長へ表敬訪問をしました。
現在長野市長を務めているのは、「キング・オブ・スキー」の異名を取るスキー・ノルディック複合の元選手、荻原健司さんです。自身も世界を経験した選手として、今後長野市から世界で活躍するスポーツ選手を輩出させたいとおっしゃっていました。和田選手が富士山女子駅伝を経て、ゆくゆくは世界で活躍するランナーになったら同じ信州人としても大変嬉しく思います。
2人目は松山大学の大谷菜南子選手(荏田)です。こちらも和田選手同様、1年生の頃から主力として活躍してきた選手。私が大谷選手を知ったのは、2018年時の富士山女子駅伝でした。当時は1年生ながら3区2位と物怖じしない走りを披露。さらに私と同じ「ななこ」という名前を持ち、趣味は「アイドルのダンスを踊ること」と小耳に挟み、勝手ながら親近感を抱いていました。ちなみに大谷選手の名前の由来は、「お父様が女優の松嶋菜々子さんの大ファンだから」だそうです。
コツコツとトレーニングに励んだ4年間、大谷選手は主力ランナーとしてチームを牽引(けんいん)してきましたが、大谷選手が意識している選手は名城大学のランナーとのこと。ずっと学生トップ集団と言われている名城大学ですが、松山大学が流れを変えて、いずれ追いつけるようになることが目標だそうです。松山大学は2016年に全日本大学女子駅伝で優勝し、富士山女子駅伝での最高順位は2015年、2016年大会の3位です。大谷選手の活躍はもちろん、松山大学が最高順位を更新する姿を応援したいですね!
花開いた努力、最上級生として見せる存在
続いて箱根駅伝の注目選手を紹介します。
1人目は帝京大学・森田瑛介選手(前橋育英)です。帝京大学といえば、「育成の帝京大」と言われるほど、4年間での選手の成長度が高いことで注目されています。森田選手は「育成の帝京大」をまさに体現している選手の1人。大学3大駅伝は4年生になり、念願の初出場。出雲駅伝で4区を走り、4位と好成績を残しました。さらに今シーズンは5000mと10000mでともに自己ベストを更新するなど、最終学年を迎えた今年、努力が開花しました。
そんな森田選手が憧れている選手はチームメートの遠藤大地選手(4年、古川工)とのこと。1年時から主要大会に出場している遠藤選手に対し、こんな風に走れたら楽しいだろうな……と憧れの気持ちを抱いていたそうです。チームメートであり、憧れの存在でもある遠藤選手と一緒に走れるレースは、最後になる箱根駅伝のみ。森田選手の4年間の集大成を見られたら嬉しいなと思っています。
続いて、本日ラストのランナーは駒澤大学・佃康平選手です。佃選手は前回大会8区を走った優勝メンバーの1人。1つ下の学年には、エースである田澤廉選手(3年、青森山田)、2つ下に鈴木芽吹選手(2年、佐久長聖)、唐澤拓海選手(2年、花咲徳栄)といった主力ランナーが在籍しています。そのため、佃選手の学年は「谷間の世代」と言われることもしばしば。実際に今年、駒澤大学で出雲駅伝に出場した4年生はゼロ、全日本大学駅伝も佃選手のみと、最上級生の活躍をあまり見ることができませんでした。さらにチームのキャプテンを務めているのは3年生の田澤選手。近年、3年生でキャプテンを務める選手も増えてきているものの、やはり悔しい思いがあったかと思います。
しかし全日本大学駅伝で3区にエントリーし、唯一4年生として挑んだ伊勢路。有力な下級生に注目が集まっているなか、最上級生として自分の役割をまっとうしようとする佃選手の姿がありました。佃選手を見て、最上級生だからこそ担うことができるチームの役回りがあることを改めて思い知らされたような気がします。振り返ってみると、私が所属しているNGT48でも現在キャプテンは角ゆりあ(21歳)が務めていますが、彼女が言葉で引っ張ってくれているそばで、最年長の西潟茉莉奈(26歳)が見せる背中や、年下メンバーへ接する優しさや温かみはグループにおいて必要不可欠な要素となっています。
佃選手は大学卒業後、陸上競技は引退されるとのこと。最後の箱根駅伝では、最上級生ならではのチームに貢献する佃選手の活躍に期待したいです。
今回が2021年ラストのコラムとなります。今年もおつきあいいただき、ありがとうございました。来年も駅伝シーズンを楽しみましょう! 良いお年を!