陸上・駅伝

連載:M高史の陸上まるかじり

國學院大學のPB祭りとなった世田谷記録会! M高史も走った後、お話を伺いました

世田谷記録会の出場リポートです!中学・高校の恩師、山本弘先生(左)に久しぶりにお会いしました!

4月6日、世田谷陸上競技会が世田谷区立総合運動場陸上競技場で開催されました。通称、世田谷記録会と呼ばれています。この日は中学生、高校生、大学生、実業団選手から社会人ランナーまで多くの選手が出場し、にぎわっていました。私、M高史は選手として3000mに出場し、自分のレース後は記者としてレースの取材も。春シーズン初戦から好記録が続いたリポートにお付き合いください。

中学・高校の恩師と再会!

個人的にはかなり久しぶりの世田谷記録会でした。まだM高史として活動する前の2011年6月、3000mに出場して9分10秒43。これが僕の3000mの公認自己記録となっていました。その後、芸人となってからは3000mを全力で走っても10分台だったり、そもそも記録会に出場するまでの走力までいかなかったりしていました。ただ、この4years.での取材やM高史の部活訪問で全国各地の高校、大学に伺って実際に練習に参加し、皆さんと一緒に走っているうちに、どんどん走れるようになってきまして(笑)。39歳にして再び13年前の記録に挑もうとエントリーしました。

思えば世田谷の競技場は僕にとって思い入れのある場所です。初めて陸上の大会に出場した試合も世田谷競技場でした。中学の区大会や高校の支部総体、その後社会人になってから3000mと5000mで自己ベストを出したのも世田谷競技場というご縁があり、相性の良い競技場です。

僕の学生時代とはトラックの色も違いますし、立派なスタンドや屋根もできて、当時を知る人がすごく久しぶりに来たら、さぞ驚かれると思います。ただ、コーナーやバックストレートは残っていて一部に懐かしさも感じます。

開場してから審判員の皆さんにごあいさつしていたところ、なんと世田谷学園中学、高校時代の恩師・山本弘先生にお会いしました。もう定年退職されて、今は陸上の審判などの活動もされているそうです。この日は競技役員として総務をされていました。

山本先生との出会いがなければ、こんなに陸上を好きになっていなかったと思いますし、その後、駒澤大学での主務経験や今のお仕事、活動にはつながっていなかったと思います。というのも山本先生は学生時代、日本体育大学で駅伝の主務をされていました。僕が駒澤大学でマネージャーに転向する時、山本先生に報告したところ、優しく応援してくださいました。恩師の前でみっともない走りはできないと心に決めて、3000mに臨みました!

自己記録には、わずかに及ばず

ロードレースとはまた違う緊張感があるのがトラックレースですよね。受付・1次コールがあって、スタート前に最終コールがあります。僕が出場した3000m1組は42人がエントリー。実際に出場したのは37人とのことでした。人数が多いので2段スタート。僕はアスリートビブス40番でしたので、外側からのスタートとなりました。

アスリートビブスは40番。外側からのスタートとなりました(撮影・亜細亜大学女子陸上競技部・岡田晃監督)

人数が多いので位置取り、ポジションの難しさも感じました。トラック1周は400m ですが、2レーンをずっと走ると1周は約407mとなります。ということは1周につき7m長く走らなければなりません。とはいえ内側にいるとポケットされて前に出られなくなってしまいます。そのため位置取りはとても大切で、外を走りすぎないけど、ポケットされにくい、ちょうどよいポジション取りが求められますね。

1000mを3分02秒ほどで通過しましたが、これでも後方で、そこから順位を上げていきました。自分で前の集団を追いかけていって、2000mは6分07秒あたりで通過しましたが、追いかけるのに力を使ってしまったようで、ラスト1000mはとにかくキツかったです。集団でレースを進めるか、それとも自分で追いかける展開になってしまうかで消耗具合、余力度も違ってくるなと身をもって体感しました。

それでも恩師や、部活訪問と取材でお世話になった先生方、選手の皆さんの応援に力をいただき、3000mを9分15秒20で完走しました。13年前に同じ世田谷記録会で出した9分10秒43の自己記録には届きませんでしたが、今後の目標である8分台に向けてまた現状打破します!

それにしてもトラックは同じところをぐるぐる回るので、ずっと応援を浴びることができてうれしいですね! いや、選手にとってはプレッシャーになる場合もあるでしょうかね(笑)。

自己記録には届きませんでしたが、8分台に向けてまた現状打破します!(撮影・亜細亜大学女子陸上競技部・岡田晃監督)

レース後は競技者から記者にスイッチ

自分のレースを終えると、今度は報道用の腕章をつけて、記者として世田谷記録会の取材です。

この日は1500m、3000m、5000m、10000mが行われましたが、合間に東陸駅伝プロジェクトレースという東京都の中学生、高校生の強化に向けたレースも開催されました。女子は1500m、男子は3000mが行われました。

都道府県駅伝でも女子、男子ともに年々上位に入ってきている東京都。中学生、高校生の区間順位も上がってきていることもあって、こういった取り組みの積み重ねが結果にもつながっていっているんですね。

東陸駅伝プロジェクトレース。男子は3000mが行われました(撮影・M高史)

男子3000m4組では中央大学からHondaにこの春入社された中野翔太選手が、7分55秒43で1着。同じくHondaの小袖英人選手が7分55秒48で2着となりました。7分台のスピードが間近で見られるのも記録会の魅力ですよね。それにしても同じ3000mを走って中野選手や小袖選手が7分55秒で僕が9分15秒でしたので、1分20秒の大差。もし一緒にスタートしていたら、3000mなのに周回遅れにされてますね(笑)。改めてすごいスピードです!

男子10000m2組では東京国際大学のアモス・ベット選手、リチャード・エティーリ選手(ともに2年生)がペースメイクを務め、好記録をアシストするレースとなりました。

この組の注目は國學院大學の青木瑠郁選手(3年、健大高崎)。青木選手は先日の日本学生ハーフマラソン選手権でも優勝を飾りましたね。この日はレースに出場していない國學院大の選手たちの応援が印象的でした。特に主将の平林清澄選手(4年、美方)はスタート地点に向かう選手たちを笑顔で鼓舞。青木選手のレース中も大きな声で周回ごとに熱い声援を送っていました。今年の國學院大の意気込み、本気度が伝わってきます。

レースは5000mを13分56秒(手元の計測)で通過し、27分台が狙える絶好のペースで進みました。青木選手は終盤、ややキツくなり27分台ペースから後れをとりましたが、28分02秒00と自己記録を30秒ほど縮める自己新記録をマークしました。

國學院大・青木瑠郁が学生ハーフ初優勝 平林清澄の大阪マラソンVから、もらった勇気

その青木選手を上回る圧巻の走りを披露されたのが、羽生拓矢選手(トヨタ紡織)。10000mで27分27秒49、日本歴代6位の記録を持っています。終始余裕を持った走りっぷり。27分49秒78でフィニッシュし、日本選手権に向けてかなり順調な仕上がりが伝わってきました。

中学・高校から全国区で活躍、東海大OB羽生拓矢選手 トヨタ紡織での復活と進化!
男子10000m2組。前からエティーリ選手、青木選手、ベット選手、羽生選手(撮影・M高史)

平林清澄主将に聞いた國學院大の強さ

この日はSNS上でも「國學院PB祭り」と投稿されるなど、10000mに続いて5000mでも國學院大の選手の皆さんの活躍が目立ちました。5000m4組では1着から4着まで独占。そして迎えた5000m最終5組。國學院大は2着に後村光星選手(2年、仙台育英)13分47秒46、3着に野中恒亨選手(2年、浜松工業)13分49秒18、4着に原秀寿選手(4年、新居浜東)13分52秒34、6着に飯國新太選手(1年、國學院久我山)13分56秒21、9着に渡辺峻平選手(3年、大阪)13分58秒34と、5人の選手が自己記録更新と13分台を出しました。

レース後、前田康弘監督は「シーズン1発目ということで、ここから関東インカレに向けて上げていきたいです。10000mの青木もよく走ったと思います。最終組はみんなで13分台を出そうとチームで戦っていました。出場していないメンバーも応援に来ていました」と好記録が続いた世田谷記録会を振り返りました。

平林選手の大阪マラソン優勝、青木選手の日本学生ハーフ優勝から、今回の記録会での好記録続出。平林選手に最近の國學院大の強さについて伺ったところ「記録はもちろんですが、いずれも守りに入ることなく攻めていることですね」と教えていただきました。ますます國學院旋風に注目です!

5000m最終5組。國學院大學の選手の自己記録更新と13分台が目立ちました(撮影・M高史)

母校の駒澤大学も関東インカレに向けて!

そして、僕の母校でもあり昨年の出雲駅伝と全日本大学駅伝を制した駒澤大学の選手も出場されていました。

この日は1500mで工藤信太朗選手(2年、一関学院)が3分47秒90、金谷紘大選手(4年、駒大高)が3分48秒15、5000mで小牧波亜斗選手(4年、洛南)が13分58秒04でいずれも自己記録を更新しました。3大駅伝未経験の選手たちがベストを更新して、インカレや駅伝メンバー入りに向けてアピール。藤田敦史監督によりますと、今月下旬の日体大長距離競技会を経て、関東インカレに向けた準備をされていくそうです。「The TEN」で海外レースを経験した主将の篠原倖太朗選手(4年、富里)、室内日本新をはじめ海外で武者修行を積んできた佐藤圭汰選手(3年、洛南)が新チームを牽引(けんいん)。今年も楽しみなメンバーがそろっています!

というわけで、世田谷記録会出場リポートをお届けしました。

M高史の陸上まるかじり

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