陸上・駅伝

連載:M高史の陸上まるかじり

國學院大の青木洸生選手もペースメイク 「あおもり秋季ディスタンス記録会」リポート

選手の皆さんの熱い走りをアナウンス席からお伝えさせていただきました!

今回の「M高史の陸上まるかじり」は9月23日に開催された「あおもり秋季ディスタンス記録会」のお話です。全国高校駅伝にも出場している高校が多数出場し、大学生もペースメイクを務めた記録会をリポートします。

この中から将来、大学駅伝で活躍する選手も?

今年8月に青森県東北町で行われた青森山田高校、秋田工業高校、一関学院高校の合同合宿に伺ったのですが、その際「青森、秋田、岩手で持ち回りで記録会を開催する」というお話を聞いておりました。その一つが「あおもり秋季ディスタンス記録会」。9月23日に新青森県総合運動公園陸上競技場で行われ、M高史はMCを務めさせていただきました。

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9月下旬の青森は、夕方が近づくにつれて気温は20度を下回りました。関東では開催日のつい少し前まで35度まで気温が上がる猛暑が続いていたこともあり、選手の皆さんにとってはものすごく快適な天候に。小学生男女の1500m、男女の3000m、 男子の5000mが開催され、3000mでは中学生、高校生、社会人が競り合う姿も見られました。

小、中学生、高校生の皆さんの中からは将来、大学陸上界や大学駅伝で活躍する選手が出てくることでしょう。個人的にも、夏の合同合宿に参加させていただいた青森山田高校、秋田工業高校、一関学院高校の3校の選手の皆さんが競り合っている姿に、しびれました!

8月の合同合宿で一緒だった青森山田高校、秋田工業高校、一関学院高校も出場!(提供・一関学院高校陸上競技部)

また、男子の学法石川高校、盛岡大附属高校、女子の花巻東高校、大曲高校といった全国高校駅伝に出場するレベルの学校も参戦。全国高校駅伝に出場するための県高校駅伝に向けて、夏合宿の成果を試したり、駅伝メンバーの選考レースにしたりする学校もあったそうです。

そういう視点で見ていると他校の選手だけではなく、同じ学校の選手にも負けられません。空気がひんやりとする競技場では、バッチバチの熱いレースが繰り広げられました!

最終レースは4選手が5000mで14分20秒切り

計5組あった5000mの4組目では、國學院大學の青木洸生選手(4年、青森山田)がペースメーカーを務められました。高校時代の恩師、河野仁志監督が見守る中、 地元で後輩を引っ張り、好記録をアシスト! その姿に河野監督も熱いエールを送っていました。

その4組では、青木選手の後輩にあたる青森山田高校の佐藤利珀選手(3年)が14分27秒55でトップ。2着には一関学院高校の森松彩夢選手(2年)が14分35秒61で続きました。

5000m4組では國學院大學の青木洸生選手がペースを引っ張りました(撮影・M高史)

今季、5000mで13分34秒60の高校2年生歴代最高記録をマークした学法石川高校の増子陽太選手(2年)は、3組目のペースメーカーとして出場。14分56秒15でペースメイクした後、4組目にも出場し、こちらもチームメートのペースメイクのような形で走って14分37秒07。秋冬のシーズンでも楽しみな注目選手です。

盛岡大附の古川陽樹選手(2年)は5000mと3000mに出場。5000mの3組目では集団でレースを進め、終盤一気に1人でペースを上げて、14分38秒84で組トップ。わずか10分後に行われた3000mの5組目では序盤からハイペースで飛ばし、単独走ながら8分19秒55で走りきりました。

最終レースとなった男子5000mの5組目は、青森山田高校のジェームス・カルリ選手(2年)がペースメイク。ジェームス選手はこの日、5000m2組目でもペースメーカーをしたので、引っ張るのは2本目となりました。途中、「14分を切るのではないか」という良いペースでレースが進みましたが、学法石川高校の栗村凌選手(2年)が14分07秒08でトップ。2着には同じ学法石川高校の三瓶友也選手(3年)が14分17秒19、3着に盛岡大附高校の佐藤凜選手(3年)が14分18秒70、4着に青森山田高校の工藤優唯選手(2年)が14分19秒90。4選手が14分20秒切りで続きました。

間近で応援できるのも魅力の一つです。一関学院高校の藤井輝監督(右)も応援!(提供・一関学院高校陸上競技部)

「青森にきたら記録が出る!」と言える大会に

今回の記録会を青森山田高校の河野監督に振り返っていただきました。

「今回、アディダスさんのブース(シューズやスパイクの試し履き)やMCなど初の試みが多かった大会でした。例年は9月15日前後の週だったのを1週間ずらしました。去年は9月15日ごろまで夕方も気温が高く、蒸し暑さが残っていたのですが、次の週になったら一気に気温が下がったためです。その結果、日中でも22度、夕方以降は18度前後で、さらに風もやむという最高の条件になりました。ブース、MC、天候すべてがうまくいったので最高の記録会だったと思います」

今後については「地方の記録会は、なかなか人が集まらない。集まらないと競技運営上、赤字となるパターンもあると思います。そうなると、毎年の開催ができなくなると思うので、色々な方の協力のもと、ブースやMCは続けていきたいなと思っています。あとは『青森にきたら記録が出る!』と言えるような大会になれば、おのずと人も集まると思うので、開催時期なども毎回考えながらやっていきたいと思います」とお話しされました。

今回の記録会を経験した選手が12月の全国高校駅伝、1月の都道府県駅伝にも出場してくるでしょうし、来年以降は大学長距離界を沸かせる選手も出てくると思います。あおもり秋季ディスタンス記録会、これからも注目です!

M高史の陸上まるかじり

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