陸上・駅伝

連載:M高史の陸上まるかじり

アディショナル枠は6人合計、0秒09差の決着、全日本大学女子駅伝出場校をご紹介!

全日本大学女子駅伝の出場校が発表されました。写真は昨年の1区(撮影・M高史)

今回の「M高史の陸上まるかじり」は大学女子駅伝のお話です。10月27日に仙台市で全日本大学女子駅伝が、12月30日には静岡県富士市と富士宮市で富士山女子駅伝が開催されます。現在、名城大学が全日本7連覇、富士山は6連覇中です。今年はどんなドラマが待っているのでしょうか。10月7日には、全日本大学女子駅伝の出場校が決定しました!

全日本大学女子駅伝に出場するためには

全日本大学女子駅伝には「シード枠」「成績枠」「基本枠」「アディショナル枠」があります。

まず、前回大会で上位8位に入った大学に「シード枠」が与えられ、9~17位までのチームが加盟する地区の学連には「成績枠」が配分されます。成績枠を獲得できなかった地区に1枠ずつ配分されるのが「基本枠」です。「アディショナル枠」はここまでで出場権を獲得できていないチームの中で「当該年度内にマークした5000m6人の合計タイムにより出場が決まる」と規定されています。

シードを持っているのは名城大学(東海)、大東文化大学(関東)、立命館大学(関西)、城西大学(関東)、日本体育大学(関東)、大阪学院大学(関西)、関西大学(関西)、東北福祉大学(東北)の8校。前回大会の9位から17位までのうち、関東勢は7校、関西勢は大阪芸術大学の1校でした。

そのため今大会のシードを除いた出場枠は、「北海道1、東北1、関東7、北信越1、東海1、関西1、中四国1、九州1」となります。東北地区では東北福祉大学が前回大会で初の入賞を果たしましたので、基本枠による1枠は東北予選を勝ち抜いた仙台大学が、実に37年ぶりとなる全日本への切符をつかみ取りました。

前回大会で7連覇のフィニッシュテープを切った名城大学の谷本七星選手(4年、舟入、撮影・辻隆徳)

兵庫大学は3年ぶり、帝京科学大学は初出場!

強豪校がひしめく関西地区は、シードを除いた出場枠が「1」ということで、9月28日に開催された関西学生女子駅伝は激戦になりました。大阪学院大学、立命館大学の両シード校に続く3位に入った兵庫大学が、3年ぶりの全日本出場を決めました。

樽本監督は元「日本最高記録」保持者 杜の都初出場の兵庫大で走ってきました!

関東では10月5日に関東大学女子駅伝が開催され、シード校の他に7校が全日本出場を決めました。2018年に創部した帝京科学大学が、悲願の初出場です!

各地区を通過できなかった大学にも、最後のチャンスがあります。冒頭で触れた、5000mのシーズンベスト(今年の4月1日以降、大会申し込み前日までの最高記録)上位6人の合計タイムで上位3チームが選出される「アディショナル枠」です。

年度内のベスト、つまりシーズンベストというのもポイントになってきます。昨年までどんなに良い記録を持っていても、今年度の記録が必要となります。そのため、ボーダーにいるチームは各地区の駅伝に出場しながら、記録会にもエントリーしていて、結果次第では連戦になることもあります。

また、ライバル校と同じレースを走るわけではなく、別々の記録会でそれぞれのタイムを目指しているため、お互いの記録会の結果をチェックしながら、タイムを計算。数字とにらめっこしています。

ここ数年は、アディショナル枠のボーダー争いが熾烈(しれつ)を極めています。2年前は最後の1枠が大接戦に。ギリギリ出場権を獲得した亜細亜大学と、次点となった神戸学院大学の6人合計のタイム差は0秒49(1人あたり0秒08)。まるで短距離種目のようなタイム差で、本当に最後の最後までわからない展開となりました。

そして今回は、アディショナル枠の3校目で出場権を獲得とした東京農業大学と、惜しくも次点となった大阪芸術大学の合計タイム差は、0秒09! 思わず二度見してしまうような差です。1人あたりの平均にすると、0.015秒差。フィニッシュ時に腕時計を止めるか止めないかで、すぐに逆転してしまうような……。いや、最後にほんのちょっとトルソーを突き出すだけで順位がひっくりかえるような僅差(きんさ)で明暗が分かれました。

今年はどんなドラマが待っているのでしょうか(撮影・辻隆徳)

今年も杜の都で熱い襷リレーを

というわけで改めて、今年の全日本大学女子駅伝に出場するチームをご紹介します。

シード枠
名城大学(東海)、大東文化大学(関東)、立命館大学(関西)、城西大学(関東)、日本体育大学(関東)、大阪学院大学(関西)、関西大学(関西)、東北福祉大学(東北)

成績枠と基本枠による地区代表
札幌国際大学(北海道)、仙台大学(東北)、筑波大学、順天堂大学、中央大学、拓殖大学、帝京科学大学、玉川大学、東洋大学(以上関東)、新潟医療福祉大学(北信越)、中京学院大学(東海)、兵庫大学(関西)、環太平洋大学(中国四国)、福岡大学(九州)

アディショナル枠
京都産業大学、関西外国語大学(以上関西)、東京農業大学(関東)

ここにオープン参加の東北学連選抜を合わせた26チームが、仙台を駆け抜けます。今年も杜の都で熱い襷リレーが見られそうです。M高史も取材に入らせていただく予定です!

今年も現地で取材させていただきます!

M高史の陸上まるかじり

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