陸上・駅伝

連載:M高史の陸上まるかじり

全日本大学女子駅伝へ! 事前に取材をさせていただいたチームを中心にコメントも紹介

スタート直後の選手の皆さん、1区から実力者がそろいました(すべて撮影・井上翔太)

今回の「M高史の陸上まるかじり」は10月27日に行われた全日本大学女子駅伝のお話です。立命館大学が9年ぶり11度目の優勝を飾りました。大東文化大学が実に10度目の2位となる準優勝。城西大学が20年ぶりの表彰台となる3位に。8連覇がかかった名城大学は4位という結果となりました。M高史は報道で伺わせていただきました。

【写真】全日本大学女子駅伝、全26チームのフィニッシュシーン 最高順位更新も!

城西大学・帝京科学大学・兵庫大学さんのお話

1区からエースを投入する大学もあり、実力者がそろいました。暑さを感じるコンディションでしたが、スタート直後の競技場内から大阪学院大学の永長里緒選手(4年、筑紫女学園)が積極的にレースを引っ張りました。競技場を2周と100mほど走って外へ。スタートとフィニッシュが同じ場所ということで、M高史はプレスルームのテレビで戦況を確認しながら、選手の皆さんが帰ってくるのを待ちます。

6区間38.0km。2時間が過ぎる頃には各大学アンカーの選手が次々に競技場へ戻ってきました。選手を出迎えるチームメートの表情は笑顔あり、涙あり。さまざまな感情が、こちらにも伝わってきます。

レース後、M高史は今大会に向けて事前に取材させていただいたチームの監督さんを中心に、お話を伺いました。

事前に取材させていただいたチームの監督さんを中心に、お話を伺いました

3位 城西大学・赤羽周平監督
「学生たちは目標としていた3位に向かって、全員駅伝で、選手それぞれが今のベストを尽くしてくれて、駅伝として100点満点の内容でした。特に、4区までの1、2年生4人は、ほぼ100%目標設定通りの走りをしてくれました。本当にみんなよく頑張ってくれましたが、やはり駅伝日本一を目指している大学なので、もう1段階もう2段階頑張らないと、優勝は見えてこないです。名城大学さん、日本体育大学さんが1区から流れてきていたら、3位も厳しかったかもしれません。昨年よりもレベルが高くなるというのは予想通りでした。富士山女子駅伝に向けて学生たちとミーティングをして、みんなの意見を出してもらって目標を決めていきたいと思います。今回もメンバー争いが熾烈(しれつ)でしたが、本学の場合は7区間になった方が、力を発揮できると思います」

前日会見で意気込みを語った城西大学の赤羽周平監督

12位 帝京科学大学・清野純一監督
「(レース前は)12位から17位の間かなと思っていました。1区、2区の流れもありましたが、選手には『1人抜かれても1人抜けばいいから。そうしたら順番は変わらないから』と言ったところ、みんな頑張ってくれました。『こうなるといいよね』と言った走りがみんな少しずつできるようになってきたので、駅伝でまとまることができたんじゃないかと思います。みんなある程度、力を出せたと思います。駅伝らしい駅伝ができました。誰がというわけではなく、みんなよく頑張ったと思います」

帝京科学大学の中村愛莉選手が12位でフィニッシュし、富士山女子駅伝への出場権を獲得しました

13位 兵庫大学・樽本つぐみ監督
「悔しいですね。(富士山女子駅伝出場権である)12位に入れなかったので。前半の1、2、3区でいい位置でつないで、後半の4、5、6区で粘って12位というイメージでした。やっぱりあと一歩というのが、私たちらしいかなと思いますし『ここで満足せずにまた頑張りや』というのを言われているような気がします。次は富士山女子駅伝初出場を目指します。他の大学さんも5000mの記録会に出るので、私たちもまた自己ベストを出していきたいです」

兵庫大学は富士山女子駅伝出場権まであと一歩でした

20年ぶりの表彰台となった城西大学。初出場ながら12位と大健闘で富士山女子駅伝出場も決めた帝京科学大学。3年ぶりの全日本で前回よりも四つ順位を上げて、過去最高順位の13位となった兵庫大学。それぞれの監督さんのコメントでした。

優勝以外にも大事な「8位、12位、17位以内」

全日本大学女子駅伝には優勝以外にも「8位以内」「12位以内」「17位以内」という激しい順位争いがあります。

まずは「8位以内」。ここに入ればシード権獲得となり、翌年も出場することができます。東北地区では、東北福祉大学が2年連続シード権獲得の5位に入ったことにより、各所属連盟に割り振られる「地区枠」からは対象外に。そこで来年も東北地区からは、もう1校出場することができます。

続いて「12位以内」。ここに入ったチームには、12月30日に予定される富士山女子駅伝への出場権が与えられます。全日本で13位以下となったチームは、全国一律で「アディショナル枠」を争わなければなりません。5000m7人のシーズンベスト(年度内、エントリー前日となる12月1日までの公認記録)の合計タイムで上位10チームに入れば、今年の富士山女子駅伝に出場することができます。

全日本大学女子駅伝にも5000m6人の合計タイムによるアディショナル枠が、3枠ありました。富士山女子駅伝は7区間ということで、7人の合計タイムとなります。この7人目のタイムというのもキーポイントでして、チームの選手層の厚さが、より問われてきます。エントリー期限となる12月1日まで、各地で記録会が開催されますので、今後も目が離せません!

「17位以内」というのも大事な順位です。1位から8位までにシード権が与えられますが、9位から17位までのチームには「成績枠」として、翌年の各地区に割り振られます。たとえば、昨年の9~17位には関東地区が7校入ったため、今年の関東大学女子駅伝ではシード校以外の上位7校が全日本行きを決めました。

関西大学が14位に入り、来年は関西地区からシード校を除いて2校出場することが見込まれます

今年の9~17位は関東が6校、関西が2校入ったので、それぞれ「関東6、関西2」の成績枠が与えられる見込みです。つまり、来年の関東大学女子駅伝で6校、関西学生女子駅伝で2校が全日本大学女子駅伝に出場できると思われます。まだ、来年に関して主催者から発表がないため、断言はできませんが、例年通りですと上記のようになります。

まずは12月30日の富士山女子駅伝に向けて、各チームの皆さん、これからも現状打破!

全日本を終え、富士山女子駅伝に向けた戦いが始まりました

M高史の陸上まるかじり

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