駒大・篠原倖太朗選手の挑戦、城西・斎藤将也選手は自己ベスト 八王子LDをリポート
今回の「M高史の陸上まるかじり」は11月23日に行われた八王子ロングディスタンスのお話です。M高史は「応援サポーター」として会場にお越しの皆様と一緒に選手の皆様を全力応援させていただきました。好記録、自己記録も続出した八王子ロングディスタンスをリポートいたします。
参加標準記録突破や駅伝メンバー選考の重要なレース
今大会はスペシャルサポーターとして、ライブ配信の実況をアナウンサーの山﨑雄樹さん、解説に「2代目山の神」こと柏原竜二さん。そして、応援サポーターとしてランニング×コメディYouTuber・たむじょーさん、M高史というメンバーで務めさせていただきました。
大会当日の応援だけでなく、今回は大会誕生にまつわるエピソードを伺ったり、過去に名勝負をされた方に取材させていただいたりしました。
八王子ロングディスタンスは1998年に誕生し、今年で25回目。当時のプログラムを見させていただくと、その頃に選手として活躍されていた皆さんが今は指導者として選手とともに大会に参戦されていることがわかります。八王子ロングディスタンスも駅伝の襷(たすき)のようにつながれているんだなと感じます。2015年には、村山紘太選手(現・GMOインターネットグループ。当時・旭化成)と鎧坂哲哉選手(現・旭化成)が壮絶なデッドヒートを繰り広げて当時の日本記録(27分35秒09)を2人とも更新(村山選手27分29秒69、鎧坂選手27分29秒74)しました。
オリンピックや世界陸上の標準記録を突破する、翌年の日本選手権の参加標準記録を破る、ニューイヤー駅伝に向けたチーム内のメンバー選考など、選手やチームによって目的がそれぞれにある中、毎年この時期に開催されている重要なレースです。最近では実業団選手だけでなく大学生も出場するなど、年々注目度が高まっています。
推しの選手を25回応援できる、10000mの魅力
25回目となる今年の舞台は上柚木公園陸上競技場。10000mのレースが8組連続で行われます。会場にお越しの皆さまは1組目から大応援。たむじょーさんとM高史はマイクを片手に、ラップや通過タイムなどもお伝えしながら全力で応援させていただきました。
400mトラックを25周するので、推しの選手が目の前を25回も通り、応援できるというのもトラックレースの魅力です。この日は6レーンまで前に出て応援することができたので、選手のスピード感を目の前で味わうことができます。
大会側で準備したバルーンスティックを鳴らした応援のほか、中には、横断幕やうちわを手作りして応援される方も。また、遠くからいらっしゃった方をお聞きしたところ宮城、新潟、宮崎から応援に駆けつけられた方もおられました。
今年もウェーブライトが導入され、選手の皆さんの目標になるだけでなく、応援している側としてもどのくらいのペースで走っているのか、視覚的にもわかりやすいですね。
競技開始の頃は風がやや強く吹き、厳しいコンディションになるのかなと思いきや、強化委員の皆さんにお話を伺うと「夕方になると風がやむ」とのことでした。その言葉通り、日が暮れて後半の組になるにつれ、気温も下がり、風もやんで、好記録を狙える絶好のコンディションになってきました!
最終組は「26分台」の超ハイペースに挑戦
基本的には実業団選手が多く出場する大会ですが、今回は大学生の選手にも注目して今大会を振り返りたいと思います。
6組は日本の実業団に所属する外国人選手、大学に所属する留学生選手が出場しました。ニューイヤー駅伝のインターナショナル区間前哨戦のような顔ぶれです。レースでは「お互いに負けたくない、勝ちたい」ということなのか。途中まで駆け引きが続き、1周のラップの中でもペースの上げ下げがありました。ラスト100mは、まるで短距離走のようなダッシュ。大学生では麗澤大学のブライアン・キプトゥー選手(1年、カプソクウォイ)が27分29秒82で4着となりました。
7組には城西大学の斎藤将也選手(3年、敦賀気比)が出場。常に集団の前方でレースを進めていき、27分45秒12の自己ベストで6着に入りました。自身が持つ城西大記録をさらに更新。全日本大学駅伝の4区区間2位に続いて、八王子でも好走しました。箱根駅伝での快走にも期待ですね。過去2回はいずれも「花の2区」を走っている斎藤選手ですが、1年生の時の激坂最速王決定戦では2学年先輩で「山の妖精」と呼ばれた山本唯翔選手(現・SUBARU)に勝って優勝していることから、「斎藤選手が5区に登場しても相当強いのでは!?」と予想される方も。箱根での区間配置にも注目が集まります!
8組では「26分台を目指す」という設定でスタートしました。鈴木芽吹選手(トヨタ自動車)、小林歩選手(NTT西日本)、駒澤大学の篠原倖太朗選手(4年、富里)と駒大OBや現役駒大生が多く出場しました。M高史はOBの一人として、応援にもさらに熱が入りました!
スタートしてから1000mあたり2分42秒から2分43秒という、とてつもないペースで進んでいきます。ついていけない選手が振り落とされていくサバイバルレース。5000m以降は鈴木選手が先頭に出て引っ張るなど、このレースに懸ける意気込みが伝わってきました。会場のボルテージは最高潮に達していきます!
ラストのスプリント勝負を制したのは、インドのシン・ガルビアー選手。インド記録を20秒以上も更新する27分14秒88でトップとなりました。後半果敢に攻めた鈴木選手は27分20秒33で日本人トップの4着に。日本歴代5位の好記録なのですが、とても悔しそうにされていたのが印象的でした。
インドのシン選手は9月に行われた「Yogibo Athletics Challenge Cup 2024」5000mでも鈴木選手に先着しており、アジアの中でも強力なライバルになりそうですね。
前半から果敢に攻めた篠原選手は28分05秒22でのフィニッシュ。26分台のペースにチャレンジした篠原選手には、会場から大きな拍手と歓声が送られました。
八王子ロングディスタンスも終わり、ニューイヤー駅伝と箱根駅伝まで、あと1カ月少しになってきました。選手の皆さんには万全のコンディションで決戦の時を迎えていただきたいですね。というわけで今回は、八王子ロングディスタンスの応援サポーターとしてリポートさせていただきました!