夢の舞台を踏み、糧にして 選手の言葉で振り返る、4years.の2024年(上)
4years.は2024年も学生スポーツの現場で頑張る皆さんのストーリーに多く寄り添ってきました。今年度の4年生たちは、コロナ禍が収束しない中で入学し、学年を重ねるごとに学生スポーツ本来の姿を取り戻していきました。この記事では、特に印象に残った言葉を月別に紹介します。
【1月】甲子園で味わった「絶景」
「みんながサイドラインから僕の名前を叫んでくれて、この仲間たちとアメフトができてよかったと心から思った。なんで泣いてるのか自分でも分からなかったんですけど、この4年間を思い出してたら涙が止まりませんでした」
(「駆け抜けた4years.2024」から)
関西学院大DL今村優斗 けがに泣いたラストイヤー 仲間のおかげで味わえた「絶景」
【2月】もう一度、真剣勝負を
「競技を続けることに決めた要因は色々あります。パリオリンピックが『夢』から『現実的な目標』に変わったこともそうですし、これは大学での一つの心残りなのですが『鵜澤にもう一回勝ちたい』という思いがどうしてもあるんです」
「ユニバが本当に楽しくて。超満員のスタジアムで『On your marks』の声すら聞こえないぐらいガヤガヤしていて。日本の陸上の大会とは全然違う環境だなと。大学の世界大会でこれなら、オリンピックはどんなものなんだろうっていう好奇心も強くあります」
(「駆け抜けた4years.2024」から)
早稲田大・西裕大 競技を終える予定だったスプリンター、一転パリオリンピックめざす
【3月】ライバルと高め合い、乗り越えた
「3年間インカレで負け続けていたので、ラストは絶対優勝するぞという気持ちでした。練習の強度もめちゃめちゃ高かったし、今年こそはという気持ちで臨んでいたので、それが報われてよかったです。トーナメントとリーグも優勝して、インカレも勝つだろうと周りから見られていたかもしれないですけど。インカレに関しては負け続けているので、挑戦するんだという気持ちでいました」
(「駆け抜けた4years.2024」から)
白鷗大学・三浦舞華 恵まれない環境の小中学校時代から、インカレMVPに輝くまで
【4月】ラスト1年、チームのために
「田澤(廉)さん、鈴木(芽吹)さんを追ってきたので、2人が経験してきたものを自分も、という思いもありました。僕は駒澤大学に対して、すごく恩があるので。まずこの1年は恩を返さないといけない、チームを支えたいという気持ちで主将をやろうと思いました。強くもない自分を受け入れてくれて、陸上部に入れてくれて、全国区にしてくれた。そういう意味ですごく恩があります」
(「New Leaders2024」から)
駒澤大新主将・篠原倖太朗 チームの先頭に立ち勝利を積み重ね、”紡ぐ”駒澤の歴史
【5月】強い"個"がそろうからこそ
「僕たちの同期は試合に出てきた経験はあっても、思っていることを言葉や行動に出す選手が少なかった。僕もそうでした。でも、だからこそ、自分が先頭に立つ気持ちで行動していかないといけないと思ったので、『やるしかない』と。そうすれば、絶対にどれだけ苦しい時もみんなが助けてくれる、と信じていました」 「自分が決めなくても、決めてくれる選手はたくさんいる。拾って、つないで、しっかり打ってくれて勝てたらそれが一番いいし、それが今年の中大のスタイル」
中央大学・柿崎晃主将 「四冠」へ、チーム力醸成のために導き出したシンプルな答え
【6月】階級変更でめざした金メダル
「何をしたらまた輝けるかなって思っていた時に、65kg級でも優勝したら2階級王者として見てもらえると思ったら、今までと全然違う気持ちになれた」
「一回どん底を見ちゃってるから失うものがなかった。62kg級で代表を取れなかったときに、自分のがんばりが相手よりも下回っていたことを認めた。そうしたからこそ、自分が次に同じ後悔をしないようにしようって思えた」
慶大・尾崎野乃香 大学でイスラム学ぶレスラー、階級上げてパリオリンピック銅メダル