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道は自らの手で切り開く 選手の言葉で振り返る、4years.の2024年(下)

4years.は2024年も学生スポーツの現場で頑張る皆さんのストーリーに多く寄り添ってきました。今年度の4年生たちは、コロナ禍が収束しない中で入学し、学年を重ねるごとに学生スポーツ本来の姿を取り戻していきました。この記事では、特に印象に残った言葉を月別に紹介します。ポジティブな情報発信を通じて、携わる皆さんが安心して競技に打ち込める環境作りを――。2025年も4years.をよろしくお願いします!

夢の舞台を踏み、糧にして 選手の言葉で振り返る、4years.の2024年(上)

【7月】けがから復活したインハイ女王

「去年は『けがが再発したらどうしよう』という、勝つ気持ちよりも不安な気持ちがありました。今年は後半の伸びも出てきて、感覚的にもタイム的にも自分の良さが戻ってきたと実感できてきます。やっと立命館に貢献できたなと。戻ってこられてうれしい気持ちが大きいです」
立命館大・永石小雪 けがに苦しんだ昨季から復活したインハイ女王、200m準Vに涙

けがからの復活を果たした立命館大学の永石小雪(撮影・立命スポーツ編集局)

【8月】パイオニアにならなきゃ

「自分がパイオニアにならなきゃ、今後も道は切り開かれないんじゃないか。自分は競技を始めるまでとか、相撲をどこで続けるかとか、普通にやっていれば気にしなくていいところで苦しんだので、そういう人が少しでも少なくなればいいなというのがモチベーションです」
早大・篠原茜 創部107年目で初の女子部員、競技の裾野を広げる「先駆者」としても

創部107年目の早稲田大学相撲部で初の女子部員・篠原茜(撮影・井上翔太)

【9月】2年がかりの創部と初勝利

「4月は、初心者の選手たちが多くて、試合ができるのか、という不安がありました。でも、5月の大会、7月の大会とどんどん成長しているし、可能性があるチームだと思います。みんなががんばってラグビーに向き合って成長できた、勝てた、っていう事実が誇らしいです」

「負けることを当たり前にはしたくない。赤黒(早稲田のユニホーム)を着て試合に出られるこの瞬間を楽しもう。この二つは一見、矛盾しているように見えるけれど、実はつながっているというか。勝つことで喜びが得られるというところにこだわってほしい」
早稲田大・千北佳英主将 OG・OB・仲間と2年がかりで女子部創部、歴史的初勝利も

春に発足した早稲田大学ラグビー蹴球部女子部の千北佳英主将(撮影・西田哲)

【10月】覚悟・進化・マルチアスリート

「僕が大学でもう一度野球をすることで、社会復帰に向けて懸命に頑張っている父が元気になってくれたら、と思ったんです。父のためにも、絶対に神宮の舞台に立ってやる、と。覚悟を決めて、自分の腹に落とし込んで今日(開幕日)を迎えました」
慶大・清原正吾を語る上での三つの視点、覚悟に始まり、進化を遂げたマルチアスリート

清原和博さんを父に持つ慶應義塾大学の清原正吾(撮影・井上翔太)

【11月】"あの時"から、あっという間の4年間

(東山高校時代の春高バレーを振り返り)「会場へ行くまでは、普通に試合ができると思っていたんです。会場の外でアップをして、いざ入ろうとしたら『体温を計って下さい』と言われて。動いた直後だったので何人か体温が高かったこともあって、もう1回確認できるまで入っちゃダメだ、と。待っている間にボールを触ろうとしたら『触らないで』と強い口調で言われた時も、俺ら試合に向けて準備してきただけなのに、なんでそんなことを言われるんだろう、って。その後、体温を計ったらやっぱりダメだと言われて、出られない、と決まった時も受け入れられなかった。ホテルに戻ってからも泣いたし、周りの人たちがこんなふうにメッセージを送ってくれたよ、と言われても僕は全然、切り替えられなかった。春高までずっとしんどくて、それでも頑張れたのは連覇のため。だから余計に苦しかったです」
日体大・吉村颯太 すぐに切り替えられなかった春高不戦敗から、あっという間の4年間

東山高校時代を振り返った日本体育大学の吉村颯太(撮影・松崎敏朗)

【12月】4年間、毎日毎日感謝してました

「自分からしたら、周りは本当にスーパースターなんですよ。そんな彼らと飯を食うこともそうですし、プライベートでどこかに出かけることもそうですし、その一瞬一瞬が特別でした。自分は言ってしまえば、そこら辺にいる人と変わらない。でも、ハーパーとか名の知れた選手たちと一緒にバスケットができることが幸せでしたし、ラストシーズンはキャプテンとしてチームをまとめる立場を与えてくれたことに感謝です。4年間、毎日毎日、感謝してました」
東海大・大久保颯大 Bチーム出身の主将、プレータイム限られても「一瞬一瞬が特別」

Bチーム出身からラストイヤーで主将を務めた東海大学の大久保颯大(撮影・井上翔太)

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